元勇者はのんびりとしたもふもふライフを送りたい！〜魔王倒したら手の平返ししてきた方々？特に仕返しはしませんが助ける気もないですよ〜

第2章

従魔は自分に必要ですか？

胸焼けを起こした翌日。

「うぅ～痛い…」
「ロン大丈夫なのだ？」
「だいじょばない…うえっ…」

まだ僕は胸焼けを引きずっていた…。
やばい…気分が…。

「ロン。そういう時にも回復魔法は使えるんだメェ！」
「あぁシープまだいたのか…」
「なっ！悪いメェ？ここにいたらダメなのメェ⁈」
「いや悪い事はないんだけどさぁ」

とりあえず自分に向けて回復魔法をかける。
するとなんという事でしょう。
先程まであんなに痛かった胸は何もなかったかのように通常状態に戻ったのではないですか！

「おぉ胸焼け治った！ありがとな！シープ！」
「どう致しましてメェ…。それでロン。オレを従魔にする気になったメェ？」
「従魔？うぅん…どうしよっかなぁ～」
「ちゃんと役に立ってたメェ！多分ロンが困る事はないメェ！」

僕が困る事はない？
たしかにシープは知識で役に立ってはくれるけど…戦いは僕1人でも問題ない気がするし。
クンタの守りはクンタに特訓すればいいし…。
シープは食欲やばいし…。

「食事用意するのが大変だから従魔にはしなくてもいいかな？」
「待つメェ！オレの毛を触ってみるメェ！」

もふもふしろってことか…。
いいだろうもふもふしてやろうじゃないか！
僕はシープに抱きつき、もふもふしたんだけど…。

「なんか焼肉の匂いが染み付いてるよ」
「なっ⁈」
「それに油で毛がベタベタしてるし…」
「洗えば大丈夫メェ！ちょっと待ってるメェ！」

そういうとシープは山小屋を出て外に行き近くの小川の元へ…？
おい待ておい待て？川を汚染するな！
全力でシープを追いかける。

「シープ！待て！川に入るな！」

シープが川に入るギリギリのところでシープを魔法で拘束する。

「毛を綺麗にする方法がないメェ！」
「はぁわかったよシープ。体をきれいにしたいんだろ？」
「そうメェ！そうメェ！」
「たしかに素材にするためにも毛は綺麗にしとかないといけないもんなぁ」
「ヒッ！ご飯を食べる量を減らすメェ！従魔にしてほしいメェ！」

シープが泣きそうにながら訴えてくる。
可愛い…。
癒しとしては申し分がないんだよなぁ。

「よし！クンタに聞いてみようかな」
「あのワン公に聞くメェか？」
「そうだ」
「わかったメェ！」
「とりあえず山小屋に帰るか」

シープの拘束をとく。
シープは拘束がとられた瞬間、すぐに立ち上がりクンタの元へ走っていった。
全く忙しい羊だなぁ。
走っていくシープを眺めたあとゆっくりと山小屋へ帰る。
山小屋の中に入るとシープが大喜びで僕のところに飛んできた。

「クンタに許可をもらったメェ！これで従魔になれるメェ！」
「おぉクンタはシープが従魔になってもいいのか？」
「いいのだ！問題ないのだ！」
「しょうがないなぁ。じゃあシープ、従魔契約準備をしろよ！」
「ガッテンメェ！」

クンタが許可を出しちゃったもんだから仕方なく、本当に仕方なく！シープを従魔にすることにした。
契約する方法は簡単…？
いや面倒だが、地面に半径1mの魔法陣をかき、魔法陣の上に従魔と契約者の血を2、3滴落として両者の確認がとれればできる。

そして…魔法陣を書きおわり…。

「よしシープ。魔法陣の上にのれ！」
「了解メェ！」
「痛っ」

地味に血を落とす作業が痛いんだよなぁ。
すぐさま指に回復魔法をかける。
そして次は両者の確認だ。
承認者はクンタにやってもらうことになった。

「シープさん。あなたは今ロンさんを従魔師とし神の導きによって従魔になります。汝いかなるときも、病めるときも、喜びの時も悲しみの時も富める時も貧しい時もこれを愛し、敬い、慰め、共に助け合い、その命ある限り　真心を尽くす事をを誓うのだ？」

おい待て？なんだこの結婚式みたいなの？おかしくね？

「誓うメェ」
「ロンさん。あなたは今シープさんを従魔とし神の導きによって従魔師になります(略」
「誓います」

両者の確認ができた後、シープが光った。
シープの首元には首輪がついていてペットという感じになっていた。

「これで素材にされないメェ！」
「良かったのだ！」
「なぁクンタ。結婚式の牧師さんみたいなのはどこで習ったんだ？」
「魔王様がこれは覚えておくようにっておしえてくれたのだ！」

おい何やってんだ魔王。

「まぁ無事終わったしみんなでお風呂にでも入るか！」
「了解なのだ！」
「わかったメェ！」