31 / 53
第2章
貴族
しおりを挟む
今僕はペンダントの中に入ったクンタと一緒にパン屋に来ている。
別にペンダントの中に入らなくても払えるお金を持ってるから大丈夫なんだが…落ち着くという事でクンタはペンダントの中に入っている事になった。
しかし、我ながら人混みが嫌いという理由で9歳と6歳の子どもを羊と一緒に別行動させたというのは…なかなか、やばいと思う…。
パンを買い終わったらすぐクルトたちのところに向かうか…。
「すいません、この食パンを2斤とこの硬いパンを5個。このねじれてるのを10個下さい」
「はいよ!えぇっと…5400モルだよ!」
「はい」
「はい!丁度!毎度あり!」
店主から商品を受け取った僕は、すぐさまクルトたちを探す事にした。
しばらく歩いていると屋台のところに人だかりが出来ているのが見えた。
少し近づいてみると、中心部にいたのは…クルト達だった。
周りにいるのは商人や貴族ばかりで、やっぱり見なかった事にしようかと思ったが…振り返った嫌そうなクルトと目があってしまった為、クルト達の元へ向かうしかなくなってしまった…。
深呼吸をして…しばらく息を整えると…人混みの中に突っ込んだ。
「お~い、お待たせ!あれ?どうしたのこの人混み?よく分からないけどちょっと場所移動しようぜ!」
「あっそうですね!」
「しょうです!しょうです!」
「メェ~」
クルトとリリィの手を握ってその人混みを抜けていく。
後ろからはシープが守っていてくれる状態だ。
だけど…まぁ商人や貴族ってめんどくさいのが多いわけでして…。
「コホンッ。あなた一体何者かしら?この方達は私達のお相手をしてくださっていたの。邪魔しないでくださる?」
目の前の1人の令嬢が立ち塞がり、令嬢の後ろには護衛と商人がいた。
誰もが不機嫌そうだ。
「お言葉ですが、クルト達は嫌そうな顔をしていましたが?それに相手もされていなかったようですけど?」
そういうと、令嬢達は顔を真っ赤にしながら怒鳴りつけて来た。
「なんなのよ!あんたみたいな平民風情に口出しされていい人間じゃないのよ?私たち。ちょっとクルト様とお知り合いになったくらいで調子に乗らないでくださる?」
「そうだそうだ!」
「平民風情が!」
「無礼者!」
あっ…今…僕の中でのNGワード言ったな?
平民風情…って、言ったな?
NGワードを言われ反発しようとした時、それは遮るように大きな声で反発した人がいた。
「うるさいぞ!貴様ら!無礼者はそっちだろうに!この方は我々を魔王から救っていただいた英雄。ロン様なのだぞ!」
それは———クルトだった。
今まで話しかけても相手をしてもらえなかった貴族や商人たちはポカーンとしていた。
だが令嬢はすぐ立ち直るとまた僕に罵声を浴びせた。
「勇者…?ふぅんそれがどうしたのかしら?もう用済みの平民である事に変わりはないでしょう?シッシッ。何を吹き込まれてしまったのか私にはわかりませんがそんな人間と一緒にいると獣の病が移りますわよ。クルト様」
令嬢は言い終わるとクルトの僕とは繋いでない方の手を掴んだ。
だが、それをすぐクルトは払った。
そして、また言い返そうとしてくれた…だがそれを僕が手で静止した。
「なっ勇者様?」
「ここから先は僕にさせてくれ。自分の事を悪く言われてるのに反発しないなんておかしいだろ?」
そうやってクルトに微笑むと僕は令嬢に向き合った。
別にペンダントの中に入らなくても払えるお金を持ってるから大丈夫なんだが…落ち着くという事でクンタはペンダントの中に入っている事になった。
しかし、我ながら人混みが嫌いという理由で9歳と6歳の子どもを羊と一緒に別行動させたというのは…なかなか、やばいと思う…。
パンを買い終わったらすぐクルトたちのところに向かうか…。
「すいません、この食パンを2斤とこの硬いパンを5個。このねじれてるのを10個下さい」
「はいよ!えぇっと…5400モルだよ!」
「はい」
「はい!丁度!毎度あり!」
店主から商品を受け取った僕は、すぐさまクルトたちを探す事にした。
しばらく歩いていると屋台のところに人だかりが出来ているのが見えた。
少し近づいてみると、中心部にいたのは…クルト達だった。
周りにいるのは商人や貴族ばかりで、やっぱり見なかった事にしようかと思ったが…振り返った嫌そうなクルトと目があってしまった為、クルト達の元へ向かうしかなくなってしまった…。
深呼吸をして…しばらく息を整えると…人混みの中に突っ込んだ。
「お~い、お待たせ!あれ?どうしたのこの人混み?よく分からないけどちょっと場所移動しようぜ!」
「あっそうですね!」
「しょうです!しょうです!」
「メェ~」
クルトとリリィの手を握ってその人混みを抜けていく。
後ろからはシープが守っていてくれる状態だ。
だけど…まぁ商人や貴族ってめんどくさいのが多いわけでして…。
「コホンッ。あなた一体何者かしら?この方達は私達のお相手をしてくださっていたの。邪魔しないでくださる?」
目の前の1人の令嬢が立ち塞がり、令嬢の後ろには護衛と商人がいた。
誰もが不機嫌そうだ。
「お言葉ですが、クルト達は嫌そうな顔をしていましたが?それに相手もされていなかったようですけど?」
そういうと、令嬢達は顔を真っ赤にしながら怒鳴りつけて来た。
「なんなのよ!あんたみたいな平民風情に口出しされていい人間じゃないのよ?私たち。ちょっとクルト様とお知り合いになったくらいで調子に乗らないでくださる?」
「そうだそうだ!」
「平民風情が!」
「無礼者!」
あっ…今…僕の中でのNGワード言ったな?
平民風情…って、言ったな?
NGワードを言われ反発しようとした時、それは遮るように大きな声で反発した人がいた。
「うるさいぞ!貴様ら!無礼者はそっちだろうに!この方は我々を魔王から救っていただいた英雄。ロン様なのだぞ!」
それは———クルトだった。
今まで話しかけても相手をしてもらえなかった貴族や商人たちはポカーンとしていた。
だが令嬢はすぐ立ち直るとまた僕に罵声を浴びせた。
「勇者…?ふぅんそれがどうしたのかしら?もう用済みの平民である事に変わりはないでしょう?シッシッ。何を吹き込まれてしまったのか私にはわかりませんがそんな人間と一緒にいると獣の病が移りますわよ。クルト様」
令嬢は言い終わるとクルトの僕とは繋いでない方の手を掴んだ。
だが、それをすぐクルトは払った。
そして、また言い返そうとしてくれた…だがそれを僕が手で静止した。
「なっ勇者様?」
「ここから先は僕にさせてくれ。自分の事を悪く言われてるのに反発しないなんておかしいだろ?」
そうやってクルトに微笑むと僕は令嬢に向き合った。
0
あなたにおすすめの小説
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
神々の寵愛者って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる