元勇者はのんびりとしたもふもふライフを送りたい！〜魔王倒したら手の平返ししてきた方々？特に仕返しはしませんが助ける気もないですよ〜

第2章

vs令嬢①

「悪いな、どうやらこのクルト様達はあなたよりこんなゴミを選んで下さったそうだ」
「なっ！」

手をはらわれてショックを受けていた令嬢が反応する。
そして、しばらくすると言われた事を理解したのか顔を真っ赤にしてまた怒り出した。

「なっ！何様のつもりよ！ゴミのくせに！しかもタメ口なんて聞いてきて！敬語を使いなさいよ！貴族であるわたしを敬いなさい！」
「はぁ…そろそろ人様をゴミ呼ばわりするのはやめないか？僕だってゴミ呼ばわりしてくる人を敬いたいだなんて思えないからさ」
「キィィィィィ！」

令嬢は怒りのあまり奇声を発し始めた。
そして何を血迷ったのか変な事を言い出した。

「もう許さないわ！護衛！このゴミを処分しなさい！」
「は？」
「お嬢様…それはさすがに…」
「何よ！私の言うことが聞けないって言うの？あんた達、仕事なくなってもいいんだ」
「いえ！それは…分かりました」

どうやら、僕を処分しようとしているようだ。
しかも、貴族としての権力を使って護衛をむりやり動かすとは…。　

護衛達は命令通り僕を処分しようと剣を握り切りかかって来た。
このまま何もしないで殺されたとして…後処理はどうする気なのだろうか。
店の真ん前で殺人が起こされそうになっている店主は止めようと頑張っているが他の商人に邪魔をされていて困っていて焦ってるようだ。
それは当たり前だろう。
誰だって殺人が起きた場所に行きたいとは思わないはずだ。
ハァ…本当に平民の事はなんも考えてないってこった。
僕は護衛の攻撃を全て躱し、剣をはらった。
剣はそのまま宙に浮き回転しながら人のいない所に落ちた。
武器を取られてしまった護衛はそのまま殴りかかって来た。
もうがむしゃらだ。
今の仕事をなくしてしまわないように必死に僕というゴミを処分しにやってくる。

「悪いな」

護衛が悪い訳ではないとは知っていても僕だって殺されたくはない。
僕は護衛の溝うちを殴った。
護衛は殴りかかろうとしていた勢いもあった為その場に倒れた。
しかし、護衛はまだ諦めず僕の足を掴んでいる。

「なっ！この役立たず！もうあんたもクビよクビ！」

なっ！護衛は倒れてもなお、頑張っているのにそれはないだろうよ。
さすがにイラっとした僕は護衛の手から足をとると自身に認識疎外をかけ、令嬢の背後に立った。
そして首元にタガーをあてた。

「さすがに護衛さんにその言い方はないだろうに。いいか？この条件を守ればあんたの命はとらないでおこう。だが、守らなければ…あんたの首は———まぁ言わなくたって分かるよな？」

この令嬢を殺す気はないが、多少脅したって問題ないだろう。
だって最初にこの令嬢が殺そうとして来たんだから。
そして僕は条件を言った。