38 / 53
第2章
泣いている…
しおりを挟む
気づけば外は暗くなっていて夜になっていた。
いや…寝すぎだろう…。
一体どうしてこんなに寝てしまったのか…僕はただ落ち込んでしまった。
明日でクルトとリリィとはお別れなのに、何もしてあげられなかった事に後悔が押し寄せてくる。
ハァ…とため息をつきながら伏せていると…
「ロンさん、こちらに来て頂けますか?」
「あっクルト!ごめんな、ずっと寝てて」
「大丈夫です!さぁさ!こちらへこちらへ!」
クルトは僕の手を取ると食堂の方へ手を引っ張って行く。
クルトに引っ張られるがままついて行くと、
「おぉぉ!スッゲェ!」
そこには綺麗に飾り付けされた食堂があった。
中心には、『ロンさんありがとう』という文字がある。
机には昨日よりもさらにすごい料理がならんでいる。
クルトとリリィは前に来ると手紙を差し出してきた。
それを受け取る。
「これ…開けていいのか?」
「もちろん」
「あけてあけて!」
手紙を開けるとそこには…
『短い間でしたが今までありがとうございました。はなればなれになっちゃうのはかなしいけどこれからもがんばっていきます。ロンさん。本当に、ありがとうございました!』
と書いてあった。
思わず泣き出してしまいそうになったがなんとか堪えクルトたちに微笑んだ。
「ありがどな」
涙を堪えても声が震えてしまう。
「「どういたしまして」」
でも、2人はそんな事を気にしないようにして笑っていてくれた。
そのあと、僕たちはお別れパーティーをした後、明日に向けて寝る事にした。
夜…僕は目が覚めた。
当たり前だろう。朝っぱらからずっと寝ていたんだから。
気温も高くなっていて暑かったので近くの川に向かう事にした。
山小屋の扉を開けて川で軽く顔を洗い周りを見ると、一本杉の木のもとに人影があった。
その人影の正体は…クルトだった。
「お~い…クルト?」
「ぁ…あれ…ロンさん…?」
クルトは泣いていた…。
どんな時も悲しい顔をするだけで一切泣かなかったクルトが泣いていた…。
「大丈夫か…?」
「あっ…大丈夫です…すいません」
ちっとも大丈夫そうではない…。
でも…僕が相談に乗ろうとなんてしていいのだろうか…。
クルトにとって迷惑にならないだろうか…。
でも、クルトを見ているとほぉって置く事はできなかった。
「何かあるなら教えてくれないか…?」
「でも…」
「お願いだ。教えてくれ…」
もしこれで断られたらそれでいい。
ただ…もし助けを求めているならほおっておく事はできない…。
さぁ…クルトはどう答える…?
「分かりました…」
いや…寝すぎだろう…。
一体どうしてこんなに寝てしまったのか…僕はただ落ち込んでしまった。
明日でクルトとリリィとはお別れなのに、何もしてあげられなかった事に後悔が押し寄せてくる。
ハァ…とため息をつきながら伏せていると…
「ロンさん、こちらに来て頂けますか?」
「あっクルト!ごめんな、ずっと寝てて」
「大丈夫です!さぁさ!こちらへこちらへ!」
クルトは僕の手を取ると食堂の方へ手を引っ張って行く。
クルトに引っ張られるがままついて行くと、
「おぉぉ!スッゲェ!」
そこには綺麗に飾り付けされた食堂があった。
中心には、『ロンさんありがとう』という文字がある。
机には昨日よりもさらにすごい料理がならんでいる。
クルトとリリィは前に来ると手紙を差し出してきた。
それを受け取る。
「これ…開けていいのか?」
「もちろん」
「あけてあけて!」
手紙を開けるとそこには…
『短い間でしたが今までありがとうございました。はなればなれになっちゃうのはかなしいけどこれからもがんばっていきます。ロンさん。本当に、ありがとうございました!』
と書いてあった。
思わず泣き出してしまいそうになったがなんとか堪えクルトたちに微笑んだ。
「ありがどな」
涙を堪えても声が震えてしまう。
「「どういたしまして」」
でも、2人はそんな事を気にしないようにして笑っていてくれた。
そのあと、僕たちはお別れパーティーをした後、明日に向けて寝る事にした。
夜…僕は目が覚めた。
当たり前だろう。朝っぱらからずっと寝ていたんだから。
気温も高くなっていて暑かったので近くの川に向かう事にした。
山小屋の扉を開けて川で軽く顔を洗い周りを見ると、一本杉の木のもとに人影があった。
その人影の正体は…クルトだった。
「お~い…クルト?」
「ぁ…あれ…ロンさん…?」
クルトは泣いていた…。
どんな時も悲しい顔をするだけで一切泣かなかったクルトが泣いていた…。
「大丈夫か…?」
「あっ…大丈夫です…すいません」
ちっとも大丈夫そうではない…。
でも…僕が相談に乗ろうとなんてしていいのだろうか…。
クルトにとって迷惑にならないだろうか…。
でも、クルトを見ているとほぉって置く事はできなかった。
「何かあるなら教えてくれないか…?」
「でも…」
「お願いだ。教えてくれ…」
もしこれで断られたらそれでいい。
ただ…もし助けを求めているならほおっておく事はできない…。
さぁ…クルトはどう答える…?
「分かりました…」
0
あなたにおすすめの小説
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
神々の寵愛者って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる