元勇者はのんびりとしたもふもふライフを送りたい！〜魔王倒したら手の平返ししてきた方々？特に仕返しはしませんが助ける気もないですよ〜

第2章

出会って…

次の日、朝起きるとクルトが朝ごはんを作っていてくれた。

「ロンさん、おはようございます」
「おはよう。わざわざ朝ごはんを作ってくれてありがとな」
「どういたしまして」

クルトが作ってくれた朝ごはんをもぐもぐと食べる。
うん…おいしい。すごくおいしい。
クルトが作ってくれたものはサンドイッチで中にはシャキシャキのレタスが入っている。
どうしてこんなに美味しく出来上がるのかは分からないが、ありがたく食べさせてもらっている。
明日には、クルトたちとはお別れになる予定になっているから今日は最後の思い出作りみたいな事をしたいなとは思う。
食べ終わった後の皿を台所に持っていって魔法で綺麗にした僕はクルトに何をしたいか聞いてみる事にした。

「なぁクルト、今日は何をしたい？」

そう聞くと、クルトは困ったように考えニコッと笑った。

「僕はのんびりこの山小屋で過ごしたいです」
「え…⁈のんびり…？本当にそれで良いのか？」
「えぇ、リリィがどういうかは分かりませんが僕はこの山小屋でのんびり過ごしたいです」
「そうか」

その言葉に遠慮しているような様子はなく本心のようだった。
クルトの意見を聞いた僕はリリィの話も聞きに行く。
リリィはシープの背中の上に乗って遊んでいるようだ。
きっとシープの背中は心地がいいだろう…いいなぁ～。

「なぁリリィ。今日は何をしたい？」
「ここにいたい！」
「そうか」

なんとリリィもクルトと同じようにここにいたいといってきた。
どうせなら遊びに連れて行ってあげる事もしたいのだが…2人が望むのなら今日はのんびりとするとしようか。
外出しない事になったため、ゆっくりとソファに腰を下ろす。
ソファの柔らかさは心がとても落ち着く。
僕は膝の上で手を組みながらクルトとリリィにあってからの事を思い出していた。
初めてあったのは2日前で、かなり生意気だったクルト…。
お父さんの教えとやらで平民をしたにみるようになっていたみたいだが、根はとても優しい子でそんな考え方を改めてくれた。
それには勇者だと言うことも混じっているのかもしれないけれど僕のことを庇ってくれた。
妹思いで料理もできてなんでもできちゃうクルトには少々驚かされた。

初めは僕たちのことを怖がってあまり話してくれなかったリリィ…。
だけど一緒にいる事で少しずつ話せるようになってきた。
シープには良く懐いていて、寝る時はいつもだいたい一緒だった。

きっとクルトたちと過ごした時間は僕の人生の中で2番目に濃い時間だっただろう。
そんな事を思いながら僕はソファによかかりながら寝た。