元勇者はのんびりとしたもふもふライフを送りたい！〜魔王倒したら手の平返ししてきた方々？特に仕返しはしませんが助ける気もないですよ〜

第2章

キレるロン

ディンガー公爵は身分を気にしない対等に接せる貴族として有名だった。
だが、今この人は僕に向かって平民風情と言った。　
なにが身分を気にしないだ。なにが対等に接するだ。
貴族は平民風情が平民のくせにってうるせえんだよ。
僕はディンガー公爵の言葉に何も返さずただ黙っている。

「あはははっあはっあははは！平民風情が！どうした？黙りこくって？」
「ちっ父上！」
「うるさい！だいたいお前らの教育費の事を考えなければ！サーティスは生きていられたはずだ！お前らなんていなけりゃ良かったんだ！」

ディンガー公爵は人が変わったようにロンを見下し、クルトとリリィをいなければよかったと言った。
果たして、これはショックによる変化なのか、それとも今まで猫をかぶっていたものが爆発したのか。
それは僕には分からない。
でも、どんな事情があろうと僕は容赦なんてしない。
僕は立ち上がるとディンガー公爵の元へ一瞬で移動し、ディンガー公爵の腕を軽く握った。

「なっ！私に触れるな！汚らわしい！」

ディンガー公爵は僕の手を必死に振り払おうとする。
でも僕の手は一切動かない。

「公爵、僕、結構やることはやる人なんですよ。それだけは言っておきますが…あまり舐めたことを言っているとこの腕へし折りますよ？」

一応こういう宣言はしとく事にしておくか。
後から、ちゃんと言っておきましたよというためには必要な事だ。
まぁちゃんと宣言したところでこういう人たちは全く聞こうとしない。

「なっ！おるだと？この無礼者！」
「無礼なのはどっちだよ」

僕はディンガー公爵の腕を折った。
ちゃんと栄養をとってなかったのだろうか？骨は簡単に折れてしまった。

「ギィいいい！ギャァ！ア…！！！！」

声にもならないならない叫びをあげるディンガー公爵。
そんな公爵に僕は回復魔法をかける。
すると、公爵の腕は元通りになった。

「アｧｧｧｧ…え？」

公爵は腕の痛みがいきなりなくなったことに驚いている。

「公爵、今のは僕のことを平民風情といった分です。次はクルトたちがいなければと言った分。2人いるから2本折りますね」
「え？」

公爵の両腕を握り少しの時間差で折った。
すると、また公爵は叫び出す。
いやぁ...僕やってることなかなか怖いなぁ。
そんな事を思いながらその姿を傍観する。
周りの人達はかおを真っ青に染めている。
公爵は、両腕の痛みを堪えると僕に向かって叫んだ。

「この！平民風情が！さっさと戻せ！くっ...」

また平民風情と呼ばれた。
全く学ばないものだ。
僕は公爵の首を握る。

「公爵、僕は今あなたを倒そうと思えば倒せるんです。これがどういう事か、分かります？」
「なっ！きさm「公爵！何も言わない方が良いですよ！その人は本当にやる人です！」

扉がいきなり開けられる。
そこには、いつの日かの令嬢が立っていた。