詰んだ悪役令嬢は断罪後、滅ぼされた推し種族にこの身を捧げます。

宇治ノ宮レルフィ

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episode.01 悪役令嬢ですって?!

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「お嬢様!ルヴィローズお嬢様!!」



「…え?…っ痛!!!」



ズキズキと痛む指先に目を向けると、小さな人差し指から真っ赤な血がつーっと流れ落ちた。



どうやら庭に咲く薔薇の棘で怪我をしたらしい。





「お嬢様大丈夫ですか?!」

侍女のナナが心配そうな顔で、私に目線を合わせようと前かがみになりこちらを覗き込んでいる。


「ナナ、大袈裟よっもう痛くないわ。」

「いえ、お怪我も心配ですのでもちろんすぐ治療させて頂きますが、お嬢様ったら、薔薇に触れたあとしばらく話しかけてもお返事して下さらないから心配になったもので…」



そう、棘のせいなのか…多少ではあるが前世の記憶が蘇ったのだ。


前世の私は日本人で、名前は思い出せないけれど女で高校生。

誰かと揉み合いになって階段から落ちたことが原因で死んでこの世界に転生したようだ。



突然のことで今すぐ発狂したいくらいではあったけれど、そこは今世の淑女教育の賜物か、私は冷静に笑顔を作り、

「大丈夫よ、ほら!怪我に少し驚いただけよ!」

と、元気そうにスカートをひるがえしクルッと回ってみせた。



それを見てナナも安心した様子でスッと綺麗な姿勢に戻り、私用の日傘を差し直す。



ナナは男爵位を持つれっきとした令嬢だけれど、訳あって私の家、トワイライト公爵家にメイドとして仕えてくれている。

まだ16歳なのに公爵家長女の侍女であるのは凄いことだ。
きっと並々ならぬ努力でここまできたのだろう。

先程うっすら蘇った記憶で、前世はわがまま放題だった自分を思い浮かべ羞恥に駆られた。






前世との記憶を照らし合わせながら改めて庭やお屋敷を見渡してみる。


恐らくこの世界は中世ヨーロッパに近い設定らしく、トイレやお風呂などは近代的なのに貴族階級が根強く残る、魔法も使えちゃう流石は乙女ゲームの何でもアリな世界観で…


って、えっ乙女ゲーム???






『でさぁっ今やってるゲームがね、まあ王道なんだけど一味違ってーーーー』


ふと聞き覚えのある声が頭の中で響き、鮮明に記憶の断片が蘇る。




.........



「あーもう、結局押し付けられてゲーム持って帰ってきちゃったし。でもやらないと、あいつしつこいからなー。」


文句を垂れながら前世の私は早速言われたゲームをやろうとテレビの画面を付けた。


OP映像が流れる…



~ロマンスガーデンで貴女に送る1輪の花~


「何だこのだっっさいタイトル。」


タイトルで既に萎えてしまったけど、ぶつくさ言う親友の姿が思い浮かび、渋々ストーリーを進めた。


んー、、やっぱりキャラクターはイケメン王子様とか短髪ムキムキ騎士とか在り来りなキャラ設定ばっかりだ。

でも異世界ファンタジーっぽいし、推しの獣耳がいる可能性にかけてみるしかないかな…


何何?

主人公は…シエルローズ・フォン・トワイライト…ん?名前変えれないんだ!

恋敵…あー、悪役令嬢ね。

は、ルヴィローズ・フォン・トワイライトか…




.........




「あーーーーっ!!!!!」





「おっお嬢様?!!!」


ナナが驚きと不信そうな顔でこちらを見ている。



「しかもわたくし悪役令嬢じゃないの…!」
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