17 / 78
伝説の鳥
しおりを挟む
東の離宮はなんと木造のウッドバーン建築だった。
「ああ、懐かしい。」
思わずこぼれた言葉に殿下が反応した。
「うん?リーンはウッドバーンに行ったことがあるのか?」
「はい。数年程留学しておりました。」
ニルスの建物は石や煉瓦を積み上げて作るが、ウッドバーンは火山が多く、ほとんどの石は火山礫で脆く、堅固な建築資材には出来ない。
なのでウッドバーンは木や粘土を使って建物を作る。
「この離宮は元々ウッドバーンやザイモックからの賓客のために作られた。
脆いはずの木なのに数百年も風雨に耐えているのはただ感服する。」
実は俺もまだ入ったことはないんだ。
とアリ殿下が言った。
ザイモックがエリールに移譲されてからは閉じられている離宮なのだそう。
為政者のエリール領主は臣下であり、賓客ではないとでも言いたかったのだろう。
キョロキョロと周りを見ながら離宮へと足を踏み入れた。
先触れのお陰か、宮殿管理官さんの1人がきちんと待っていてくれて、資料を片手に色々と説明をしてくれる。
私には懐かしいものも多かったけれど、殿下には初めて見る珍しいものばかりだった。
扉のひとつ、彫刻のひとつに感動していた。私でも解説出来るものは出来る限りしたけれど、私にも初めて見るものもたくさんあった。
とても美しい建築美に溢れた離宮だった。
「閉じているなんて勿体無いな。」
アリ殿下が漏らす。
「お探しのものはこちらの部屋にございます。」
と管理官さんがとびきり上等な扉を開けて、私たちを中へと導く。
見渡す限りにはどこにもなかったけれど、
「後ろにございます。」
と管理官さんの言葉で、くるりと振り向いて、見上げる。
ひいお祖母様のタペストリーは迎賓室の扉の上側の壁に恭しくかけられていた。
「綺麗…。」思わずため息が溢れる。
「これは素晴らしい、火の鳥かな。」
殿下が管理官さんに問うと、
「ウッドバーン神獣の火鳥です。雄と雌の番ですね。火鳥は天子の現れる処に生まれると言われており、ご結婚のお祝いには相応しいと意匠にお選びになられたようです。
前国王陛下はいたくこのタペストリーをお気に入りになられて、常に目に入るようにとこちら側の壁に取り付けた、と記録に残っております。」
と教えてくれた。
本当に素晴らしい織物だった。
大きく広げた翼や長く伸びた尾が様々な色で巧みに織り分けられている。
刺繍なら簡単に出来る色分けも織物となれば話は変わる。糸一本間違えることも許されない、頭の中に緻密な設計図を思い描き、高度な技術と根気が要求される。
艶かしくも澄んだ美しい瞳でお互いを見つめ合い、羽や尾が絡み合う雌雄の鳥は生き生きと動き出しそうで、本当に絵画にしか見えない。
ひいおばあ様は幾何学的な織柄しかなかったエリール織に絵画のように柄を織り込んで、その芸術価値を高めたのだと知った。
私は感動で涙を流した。ここに来てから泣いてばかりいる。
「…本当、美しい。」
「泣いてばかりだな。だけどこれは嬉しい涙だね。」
アリ殿下がそっと目元を拭ってくれる。
「いいものを見せて頂きました。」
いつか私も誰かの心を動かすような物を織り上げてみたい。
いつまでもいつまでも私はタペストリーの前を離れられなかった。
東離宮からの帰り道は殿下と手を繋いで歩いた。
王子宮の外にいる時は必ず婚約者らしく振る舞う事を求められたから。
「どこで誰が見ているか分からないから、牽制しないと。」
「必要ですか、それ。」
「うん、必要だよ。」
さっきフラン様に遭遇したように、何処かで誰に会うかわからないのは確かだけど、こうやって殿下と手を繋いでいるのは落ち着かない。
恥ずかしくなって下を向いて、何を話していいか分からずに黙ってただ歩いた。
会話の切っ掛けは殿下が与えてくれた。
ウッドバーンってどんなところ?と聞かれて留学中に見てきた事を話した。
火山のこと、木材建築の街並みの美しさ、食べ物の美味しさなど。
「海の魚がとにかく美味しいんです。」
「魚かあ、海の魚はニルスではあまり食べられないからね。」
食べてみたいなぁと殿下が言った。
「本当はそこに定住しても良かったんですけれど、やりたいことが出来てしまってエリールに帰ったんです。」
「やりたい事って?」
「燃えない布の開発です。」
「バーン織、だね。」
「結果的にそうですね。」
ウッドバーンのザイモックにいた時、火災が起きた。
「木材建築の街だったので、燃え広がるのはあっという間でした。」
あの時のことは忘れられない。
美しかった街並みがあっという間に炎に覆い尽くされた。
「私とレイン様と兄様と、懸命に逃げました。」
「モーリーもいたんだね。そうかモーリーは後々ザイモックの首長になるのか。」
その時私達を逃すために体を張ってくれたのが警ら隊と火消し隊の面々だった。
「彼らは自身の服にも火がつくのも厭わずにいました。逃げ惑う人々の中には着ていた服や荷が燃えてしまった人もいました。
火は全てを燃やし尽くしてしまいます。
彼らのために炎に負けない布が作れたら良いな、と。」
燃えやすい素材で出来た街で、燃えにくいバーンの毛皮を常備している家は多い。
大切なものを包んで保管しておいたり、小さい火のうちにバーンの毛皮を被せて火を消したり。
しかし頭数の少ないバーンの毛皮は希少で高価。しかも固いので加工が難しく服地には適さないとされてきた。
「羊のように刈り取った毛で燃えない布を作り、それで服を作れたら、より大勢が身を守れるんじゃないかと思ったんです。
ザイモックでは知識や技術にどうしても限界があり、私達はバーンをエリールに連れて帰り、研究を始めたんです。
毛皮ではなく毛だけを刈って使うことで、バーンを殺すことが無くなり頭数を増やすこともできるかも、そうすれば価格を下げられるかも、そうすれば広く使ってもらう事ができるかも、そんな思いから研究を始めました。」
「初めは軍用ではなかったんだね。」
「はい。今でもそう思っています。そもそも軍用には向きません。弱点はありますから。」
「弱点?」
「ええ、鋏で簡単に切れます。あと針も通します。でないと型紙に合わせて切れないし、針で縫うことも出来ません。」
「確かに…。しかし刀にも弓矢にも負けなかったよ。」
「それは返しがついた矢ではありませんか?」
「ああ、そうだか?」
「返しのない先の尖った棒状の矢なら簡単に貫通するはずです。
それからゆっくりと向かってくる力にも弱いです。だから鋏で切れるんです。
勢いよく振り下ろされた剣の横の力では切れなくても、刃を当ててからゆっくり押し込まれた縦の力でならおそらく簡単に刺せますよ。」
バーン織が刃物に強いのは副産物に過ぎない
。バーン糸の張力に負けないために細い金属糸を適度に縦糸に使ったからだ。
金属糸とバーン糸の組み合わせがたまたま切りつけられた力を跳ね返すだけの反発力を持ったまで。
それ目的に開発したわけでは無い。
だから国家機密にするほどのものではないんです。
どうかわかってください、という思いを込めてアリ殿下にそう伝えてみた。
思いが通じたのか、それからアリ殿下は何かに取り憑かれたように考え込み、何も喋らなくなってしまった。
「ああ、懐かしい。」
思わずこぼれた言葉に殿下が反応した。
「うん?リーンはウッドバーンに行ったことがあるのか?」
「はい。数年程留学しておりました。」
ニルスの建物は石や煉瓦を積み上げて作るが、ウッドバーンは火山が多く、ほとんどの石は火山礫で脆く、堅固な建築資材には出来ない。
なのでウッドバーンは木や粘土を使って建物を作る。
「この離宮は元々ウッドバーンやザイモックからの賓客のために作られた。
脆いはずの木なのに数百年も風雨に耐えているのはただ感服する。」
実は俺もまだ入ったことはないんだ。
とアリ殿下が言った。
ザイモックがエリールに移譲されてからは閉じられている離宮なのだそう。
為政者のエリール領主は臣下であり、賓客ではないとでも言いたかったのだろう。
キョロキョロと周りを見ながら離宮へと足を踏み入れた。
先触れのお陰か、宮殿管理官さんの1人がきちんと待っていてくれて、資料を片手に色々と説明をしてくれる。
私には懐かしいものも多かったけれど、殿下には初めて見る珍しいものばかりだった。
扉のひとつ、彫刻のひとつに感動していた。私でも解説出来るものは出来る限りしたけれど、私にも初めて見るものもたくさんあった。
とても美しい建築美に溢れた離宮だった。
「閉じているなんて勿体無いな。」
アリ殿下が漏らす。
「お探しのものはこちらの部屋にございます。」
と管理官さんがとびきり上等な扉を開けて、私たちを中へと導く。
見渡す限りにはどこにもなかったけれど、
「後ろにございます。」
と管理官さんの言葉で、くるりと振り向いて、見上げる。
ひいお祖母様のタペストリーは迎賓室の扉の上側の壁に恭しくかけられていた。
「綺麗…。」思わずため息が溢れる。
「これは素晴らしい、火の鳥かな。」
殿下が管理官さんに問うと、
「ウッドバーン神獣の火鳥です。雄と雌の番ですね。火鳥は天子の現れる処に生まれると言われており、ご結婚のお祝いには相応しいと意匠にお選びになられたようです。
前国王陛下はいたくこのタペストリーをお気に入りになられて、常に目に入るようにとこちら側の壁に取り付けた、と記録に残っております。」
と教えてくれた。
本当に素晴らしい織物だった。
大きく広げた翼や長く伸びた尾が様々な色で巧みに織り分けられている。
刺繍なら簡単に出来る色分けも織物となれば話は変わる。糸一本間違えることも許されない、頭の中に緻密な設計図を思い描き、高度な技術と根気が要求される。
艶かしくも澄んだ美しい瞳でお互いを見つめ合い、羽や尾が絡み合う雌雄の鳥は生き生きと動き出しそうで、本当に絵画にしか見えない。
ひいおばあ様は幾何学的な織柄しかなかったエリール織に絵画のように柄を織り込んで、その芸術価値を高めたのだと知った。
私は感動で涙を流した。ここに来てから泣いてばかりいる。
「…本当、美しい。」
「泣いてばかりだな。だけどこれは嬉しい涙だね。」
アリ殿下がそっと目元を拭ってくれる。
「いいものを見せて頂きました。」
いつか私も誰かの心を動かすような物を織り上げてみたい。
いつまでもいつまでも私はタペストリーの前を離れられなかった。
東離宮からの帰り道は殿下と手を繋いで歩いた。
王子宮の外にいる時は必ず婚約者らしく振る舞う事を求められたから。
「どこで誰が見ているか分からないから、牽制しないと。」
「必要ですか、それ。」
「うん、必要だよ。」
さっきフラン様に遭遇したように、何処かで誰に会うかわからないのは確かだけど、こうやって殿下と手を繋いでいるのは落ち着かない。
恥ずかしくなって下を向いて、何を話していいか分からずに黙ってただ歩いた。
会話の切っ掛けは殿下が与えてくれた。
ウッドバーンってどんなところ?と聞かれて留学中に見てきた事を話した。
火山のこと、木材建築の街並みの美しさ、食べ物の美味しさなど。
「海の魚がとにかく美味しいんです。」
「魚かあ、海の魚はニルスではあまり食べられないからね。」
食べてみたいなぁと殿下が言った。
「本当はそこに定住しても良かったんですけれど、やりたいことが出来てしまってエリールに帰ったんです。」
「やりたい事って?」
「燃えない布の開発です。」
「バーン織、だね。」
「結果的にそうですね。」
ウッドバーンのザイモックにいた時、火災が起きた。
「木材建築の街だったので、燃え広がるのはあっという間でした。」
あの時のことは忘れられない。
美しかった街並みがあっという間に炎に覆い尽くされた。
「私とレイン様と兄様と、懸命に逃げました。」
「モーリーもいたんだね。そうかモーリーは後々ザイモックの首長になるのか。」
その時私達を逃すために体を張ってくれたのが警ら隊と火消し隊の面々だった。
「彼らは自身の服にも火がつくのも厭わずにいました。逃げ惑う人々の中には着ていた服や荷が燃えてしまった人もいました。
火は全てを燃やし尽くしてしまいます。
彼らのために炎に負けない布が作れたら良いな、と。」
燃えやすい素材で出来た街で、燃えにくいバーンの毛皮を常備している家は多い。
大切なものを包んで保管しておいたり、小さい火のうちにバーンの毛皮を被せて火を消したり。
しかし頭数の少ないバーンの毛皮は希少で高価。しかも固いので加工が難しく服地には適さないとされてきた。
「羊のように刈り取った毛で燃えない布を作り、それで服を作れたら、より大勢が身を守れるんじゃないかと思ったんです。
ザイモックでは知識や技術にどうしても限界があり、私達はバーンをエリールに連れて帰り、研究を始めたんです。
毛皮ではなく毛だけを刈って使うことで、バーンを殺すことが無くなり頭数を増やすこともできるかも、そうすれば価格を下げられるかも、そうすれば広く使ってもらう事ができるかも、そんな思いから研究を始めました。」
「初めは軍用ではなかったんだね。」
「はい。今でもそう思っています。そもそも軍用には向きません。弱点はありますから。」
「弱点?」
「ええ、鋏で簡単に切れます。あと針も通します。でないと型紙に合わせて切れないし、針で縫うことも出来ません。」
「確かに…。しかし刀にも弓矢にも負けなかったよ。」
「それは返しがついた矢ではありませんか?」
「ああ、そうだか?」
「返しのない先の尖った棒状の矢なら簡単に貫通するはずです。
それからゆっくりと向かってくる力にも弱いです。だから鋏で切れるんです。
勢いよく振り下ろされた剣の横の力では切れなくても、刃を当ててからゆっくり押し込まれた縦の力でならおそらく簡単に刺せますよ。」
バーン織が刃物に強いのは副産物に過ぎない
。バーン糸の張力に負けないために細い金属糸を適度に縦糸に使ったからだ。
金属糸とバーン糸の組み合わせがたまたま切りつけられた力を跳ね返すだけの反発力を持ったまで。
それ目的に開発したわけでは無い。
だから国家機密にするほどのものではないんです。
どうかわかってください、という思いを込めてアリ殿下にそう伝えてみた。
思いが通じたのか、それからアリ殿下は何かに取り憑かれたように考え込み、何も喋らなくなってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる