72 / 78
オマケ
ペルー4
しおりを挟む
城に帰って直ぐに父に呼び出され、先日の答えを求められた。
あの言葉を信じても良いのだろう…か?
ペルーは迷いながらもこう答えた。
「私の代わりを務められる者は誰でしょう?安心して引退するためには後任が誰かを知りたいです。」
しばらく黙り込んだ父は…。
「気付いたか…。」
とため息を漏らした。
「後任候補はいない。というかアイリーン様が聞く耳を持たない。ペルーの代わりはいない、と。
一番不安だった時に寄り添ってくれたお前を手放したくはない、と。
それでも探しているが、どんな候補者もアイリーン様が退けてしまう。
お前が辞めるというまではお前がいい、と。
だからお前から辞めると言わせたかった。」
「私が、辞めるまで?」
ああ、と父は不満気に答えた。
「ただ、約束して欲しい。
身体はもっと大切にしろ。
アイリーン様に身体や心持ちの心配をされてしまうようでは本末転倒だ。
それに延ばせてもアイリーン様のご懐妊までだ。流石にあのアイリーン様でもご懐妊されたら少しは大人しくして城にいて下さるだろう。
護衛官の前にお前は公爵令嬢だ。
女性としての幸せや役割を忘れては欲しくはない。
お前には、家のためにも、国のためにも、セオドアス陛下やアリストリア殿下のお子を守る為の子を産んでもらわないとならないのだから。」
「…善処します。」
曖昧な返事を返しながら此の先の事を考える。
身体の丈夫さには自信がある。心持ちもきっとこれからは大丈夫。
それに、ご懐妊されてもきっとアイリーン様は変わらないだろう。
なんならエリールで出産するとか言い出しかねない。
うん、大丈夫。まだまだ続けられるに違いない。
父はアイリーン様をわかってない。
「ただでさえ俺はアイリーン様に毛嫌いされている。お前まで取り上げたら嫌悪や怨みに変わってしまうかもしれない。
アイリーン様に恨まれるのはアリストリア殿下に恨まれるのと同意、そんなのはごめんだ。
ただ気を抜くな。3度目の失敗は許されない。
…もう良い、下がれ。」
諦めたように出ていけと手を振る父に
「ありがとうございます。」
とニッコリと微笑み、騎士の礼を向けてやった。
あの言葉を信じても良いのだろう…か?
ペルーは迷いながらもこう答えた。
「私の代わりを務められる者は誰でしょう?安心して引退するためには後任が誰かを知りたいです。」
しばらく黙り込んだ父は…。
「気付いたか…。」
とため息を漏らした。
「後任候補はいない。というかアイリーン様が聞く耳を持たない。ペルーの代わりはいない、と。
一番不安だった時に寄り添ってくれたお前を手放したくはない、と。
それでも探しているが、どんな候補者もアイリーン様が退けてしまう。
お前が辞めるというまではお前がいい、と。
だからお前から辞めると言わせたかった。」
「私が、辞めるまで?」
ああ、と父は不満気に答えた。
「ただ、約束して欲しい。
身体はもっと大切にしろ。
アイリーン様に身体や心持ちの心配をされてしまうようでは本末転倒だ。
それに延ばせてもアイリーン様のご懐妊までだ。流石にあのアイリーン様でもご懐妊されたら少しは大人しくして城にいて下さるだろう。
護衛官の前にお前は公爵令嬢だ。
女性としての幸せや役割を忘れては欲しくはない。
お前には、家のためにも、国のためにも、セオドアス陛下やアリストリア殿下のお子を守る為の子を産んでもらわないとならないのだから。」
「…善処します。」
曖昧な返事を返しながら此の先の事を考える。
身体の丈夫さには自信がある。心持ちもきっとこれからは大丈夫。
それに、ご懐妊されてもきっとアイリーン様は変わらないだろう。
なんならエリールで出産するとか言い出しかねない。
うん、大丈夫。まだまだ続けられるに違いない。
父はアイリーン様をわかってない。
「ただでさえ俺はアイリーン様に毛嫌いされている。お前まで取り上げたら嫌悪や怨みに変わってしまうかもしれない。
アイリーン様に恨まれるのはアリストリア殿下に恨まれるのと同意、そんなのはごめんだ。
ただ気を抜くな。3度目の失敗は許されない。
…もう良い、下がれ。」
諦めたように出ていけと手を振る父に
「ありがとうございます。」
とニッコリと微笑み、騎士の礼を向けてやった。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
二年間の花嫁
柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。
公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。
二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。
それでも構わなかった。
たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。
けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。
この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。
彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。
やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。
期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。
――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる