修道院に行きたいんです

枝豆

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ステファン2

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エルンストと言い争いをしていると、騒ぎに気付いたクラリーチェ様が部屋に入ってきてしまった。
…もう無かったことにはできない事に漸く気がついた。

俺は侍従達に腕を取られて、寝室から執務室へと移された。

「座りなさい,ステファン。」
エルンストの部屋なのに、ここがまるで自分の部屋のように振る舞うクラリーチェ様が俺を見る目はどこか悲しげにも見える。

「今の状況がわかる?」
…今の状況?
最愛のレーチェの、艶かしい白い肩、甘えるようにエルを見上げた瞳と掠れた声…。
俺の、俺のレーチェが…。
あのエルンストと。
従兄弟だけど兄弟のように育ったエルンスト、
…嫌だ,認めたくない。

「ステファン?」
「俺の…俺のレーチェが…。」

クラリーチェ様が大きく息を吐いた。
「部屋に戻りなさい,ステファン。少し頭を冷やした方がいい。」

…そうだ。ここにいても仕方がない。ここにはいたくない。
俺は立ち上がった。
「そうさせていただく、俺はレイチェルを連れて帰る。」
そうだ、汚されたレイチェルを連れて帰らないと。
優しく労って、心の傷を癒やしてやらないと…。

フラフラとレイチェルが眠る寝室に戻ろうとした。
それをクラリーチェ様が
「ステファン、彼女は渡せないわ、…今は。まず話を聞かないと。」
と引き留める。

「話?
話せることなんかないだろう?
エルンストに無理やり…だ。」

それしか考えられないのに、
「…それはわからないわ。」
とクラリーチェ様は言う。

「見たでしょう?あれが無理やりの後だなんて誰も思わないわ。」
「そんな訳はない!!レーチェが他の男に進んで身を任せるなんてあるはずがない!」

嫌だ、信じられない。ああ俺のレイチェル!

しかしクラリーチェ様はどこまでも冷静だった。そしてあり得ない事を口にし始める。

「でも…あなた手出ししてなかったのね。」
「違う!!」

そこではたと気づいた。

「違わない。言ったでしょう?今の状況がわかってる?って。」

背筋が凍りついた。

王太子に囲われておきながら、エルンストに抱かれた…レイチェルはどうなる?
王太子の物に手を出したエルンストはどうなる?

「ステファン、レイチェルが純潔だった、エルンストがそれを奪った。
そうしないとレイチェルは死罪になるかもしれなくてよ。
エルンストが継承権を剥奪されたら、あなたはブリトーニャと子供を作らなければ次代が潰えるわ。
…残念だけど、あなた詰んだのよ。」

…詰んだ?俺が…詰んだ?

「これからの事は口出し無用よ、王妃殿下と私で決めるわ。
…申し訳ないわね、ステファン。あなたには王太子としての義務があることを忘れないで。
ゼットン、ステファンを部屋に戻して頂戴。」

エルンストの侍従のゼットンは
「失礼致します。」
と俺の腕をがっしりと掴む。
俺はそのまま自分の部屋に戻されることになってしまった。
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