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釣り
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蜜月という名目でここにやってきた私達の主な目的はふたつ。
ひとつは遠く離れてステファン殿下の心の平穏を取り戻すため。
もうひとつは私の身体に居座り続けている毒素の排出にあった。
自然の中で、気負いのない暮らしをしながら、身体に良い食べ物を食べて、適度に運動をして汗をかく、御殿医が薦めた暮らし方だった。
それも随分と日が経ち、もういつでも終わりにして帰城していいと御殿医からのお墨付きが出た。
…帰城。という単語に引っ掛かる気持ちがないわけじゃない。
ただ、ライナス公爵領での暮らしももうすぐ終わりになる。
私を受け入れてくれる修道院は未だに見つからない。ズルズルと私は別荘に篭ったままでいる。
エルンスト殿下に至っては先に帰城命令が出ているにも関わらず、ここから出て行く気配がない。
「まだまだ帰りたくないなぁ。」
湖にボートで繰り出して、キラキラ光る湖面を眺めながら、2人で釣り糸を垂らしていた。
「そうですね。ここは穏やかですものね。」
朝陽で目を覚まし、風に吹かれて1日を過ごして、星を見ながら眠りにつく。
公務も最小限だし。
火祭りの夜、沢山の人に会った私は、ここで沢山の友を得た。城で孤独で震えていた私には考えられない。その殆どが街に下りれば会える人ばかり。
修道院を探す事をやめたのは、ある友の一言だった。
「なんで捨てられる方が探すんです?捨てる方が探すのがスジってヤツです。殿下に任せたら良いんですよ。
もし捨てられたら店にいらっしゃい。売り子として雇って差し上げます。
まあ、そんな必要はないと思いますけど!」
そうか。平民になって自由に生きる道もあるのか…。
そう思ったら、楽になった。
このまま流れに身を任せて…。
それもまた良いかもしれない、そう思ってしまった。
エルンスト殿下は私の行き先を探している様子はなかった。
何度も何度もいつもいつも未来の話をし続けていた。
王都に帰ったら…子が出来たら…。結婚式の話、公爵夫人となった時の暮らし…。
まるでそれが当たり前のように、2人で寄り添って生きていく未来の話をし続けて。
だけど肝心な言葉は決して言っては下さらないから。
「あーあ、ここの暮らしは最高なのに、ねぇ?そう思うだろう?」
エルンスト殿下はそう愚痴を溢す。
城に帰ればステファン殿下とブリトーニャ様が待っているから余計にそう感じてしまうのだそうだ。
だけど、エルンスト殿下は王族である。ライナス公爵として自由気ままに暮らし続ける訳にはいかない。王都に戻ってステファン殿下を支えなきゃならない。
「私はもう大丈夫ですから、お城に帰っても構わないんですよ。」
何度もそう伝えているのにエルンスト殿下はなかなかうんと言わなかった。
ステファン殿下に捨てられた私は、超強行措置でエルンスト殿下の婚約者にされた。
誰もが私に同情し、後始末を押し付けられたエルンスト殿下に同情している。
悪役はなぜか心移りをした事になっているステファン殿下になっているそうだ。
きっと被害者はステファン殿下で、後始末を押し付けられたのもステファン殿下なのに。
さっさと私達は城から逃げ出してしまったのに、ステファン殿下がひとりで悪評と嘘の噂と戦っていらっしゃる。
「そろそろさ、ステファンを助けに行きたいんだけど…。」
「行けば良いじゃないですか。」
「レーチェを残してはいけない。一緒に帰ろうよ、ねえ、そうしない?」
…狡いなぁ、そう私に聞いちゃうんだ。
「城から出してあげるって言ってくれたじゃないですか。」
「…出したじゃん。とりあえずだけど。永遠になんて誓った覚えはないんだけど。」
…確かに。
「最悪の事はもうないって言ったよね?」
「はいはい、そう言いましたね。」
「一緒に堕ちようって決めたじゃないか。」
「はいはい、そうでしたね。」
このところこんなやりとりばっかりだ。
エルンスト殿下はどこまで本気でどこまで冗談でどこまで演技なのか、今だにわからないんだもの。
あと少し、信じられる何かがあれば…と思ってしまう。
キッテンで最も重い剣の誓いさえ信じてはいけなかったというのに、何を信じたらいいんだろう。
「私を抱いて下さい、って言ったのは覚えてる?」
「はいはい、ええ、そんな事を言った日もありましたね。」
結局抱かれてないし、あれからそんな雰囲気になったのは火祭りの夜だけだし。
婚約したって言ったって、それらしい事は全くなかったし。
…いつやっぱりやめた、婚約破棄だ!って言われるかわからないし。
「じゃあ、今夜ね。」
「はいはい。…って、えっ?」
思いがけない言葉にエルンスト殿下の顔を見た。
エルンスト殿下は嬉しそうに満面の笑みで私を見ている。
エルンスト殿下はこのところの暮らしぶりのせいで少し日に焼け、甘さが薄れてる少し精悍な顔つきになった。
「今、はいって言ったよね。」
「そんな不意打ちは狡いですよ!」
「言ったよね。」
「言いましたけど、それは…っぐ。」
突然、エルンスト殿下は唇で私の抗議の声を塞ぐから、驚いて固まってしまったじゃないか。
「毒素が抜け切るまで我慢してたんだ。もう医師のお墨付きも出たし、今夜、ね。」
「…本気なんですか?」
俺はいつだって本気だよ、いい加減に信じてよ、ってエルンスト殿下は真っ直ぐに言うから。
今夜だよ、いい?って聞かれて…なんと答えようか…。
頬が熱い。
「あっ!引いてる!」
「えっ?」
私の釣竿が、ビクンっビクンっと大きく引かれている。慌てて竿を掴み直した。
「いや、無理無理、これ大きいです。重たくて引き上げられません!」
竿は大きくしなってもう今にも折れそうだ。
エルンスト殿下の腕が背後から私を包み込んで、釣竿を持つ私の手に添えられた。
「釣り上げていいんだよね?」
「はい、早く釣り上げて下さい。」
仕方ないなぁ、とエルンスト殿下は釣竿を引き上げてくれる。
ビシャっ!と銀色の魚が舟の床で跳ね回っている。
「…これは?」
「マスだね、結構大きいな。今夜のご馳走だな。」
「食べるんですか?」
「食べるよ。」
せっかく釣れたんだからね、とエルンスト殿下は私を後ろから抱き抱えたまま、耳元で囁く。
「…釣り上げてって言ったよね?今夜のご馳走さん。」
???
ギュッと巻き付けられた腕に力が篭った。
「…私、釣られてしまったんですか?」
「うん。俺、釣っちゃったのかな?」
「…そう…なの…かも。」
「そう、やっと釣られてくれたんだね。」
首だけを回して、後ろのエルンスト殿下を振り向いた。
状況はとっくに頭の中では理解している。ただ気持ちがついて行っていない。私が拘っているのは…。
「ちゃんと…言葉にしてくれませんか?」
そう言うと、エルンストがフッと笑う。
「愛してる、俺だけのレーチェ。一緒に城に帰ろうよ。」
「ありがとうございます。とても嬉しいです。…だからどこまでも御一緒しますよ。」
短剣でも捧げようか?って言われるけれど、それが何の意味もなさない事を私は知ってるから。
「要りません。ただエルンスト殿下の言葉を信じるだけ…。」
と答えた。
ひとつは遠く離れてステファン殿下の心の平穏を取り戻すため。
もうひとつは私の身体に居座り続けている毒素の排出にあった。
自然の中で、気負いのない暮らしをしながら、身体に良い食べ物を食べて、適度に運動をして汗をかく、御殿医が薦めた暮らし方だった。
それも随分と日が経ち、もういつでも終わりにして帰城していいと御殿医からのお墨付きが出た。
…帰城。という単語に引っ掛かる気持ちがないわけじゃない。
ただ、ライナス公爵領での暮らしももうすぐ終わりになる。
私を受け入れてくれる修道院は未だに見つからない。ズルズルと私は別荘に篭ったままでいる。
エルンスト殿下に至っては先に帰城命令が出ているにも関わらず、ここから出て行く気配がない。
「まだまだ帰りたくないなぁ。」
湖にボートで繰り出して、キラキラ光る湖面を眺めながら、2人で釣り糸を垂らしていた。
「そうですね。ここは穏やかですものね。」
朝陽で目を覚まし、風に吹かれて1日を過ごして、星を見ながら眠りにつく。
公務も最小限だし。
火祭りの夜、沢山の人に会った私は、ここで沢山の友を得た。城で孤独で震えていた私には考えられない。その殆どが街に下りれば会える人ばかり。
修道院を探す事をやめたのは、ある友の一言だった。
「なんで捨てられる方が探すんです?捨てる方が探すのがスジってヤツです。殿下に任せたら良いんですよ。
もし捨てられたら店にいらっしゃい。売り子として雇って差し上げます。
まあ、そんな必要はないと思いますけど!」
そうか。平民になって自由に生きる道もあるのか…。
そう思ったら、楽になった。
このまま流れに身を任せて…。
それもまた良いかもしれない、そう思ってしまった。
エルンスト殿下は私の行き先を探している様子はなかった。
何度も何度もいつもいつも未来の話をし続けていた。
王都に帰ったら…子が出来たら…。結婚式の話、公爵夫人となった時の暮らし…。
まるでそれが当たり前のように、2人で寄り添って生きていく未来の話をし続けて。
だけど肝心な言葉は決して言っては下さらないから。
「あーあ、ここの暮らしは最高なのに、ねぇ?そう思うだろう?」
エルンスト殿下はそう愚痴を溢す。
城に帰ればステファン殿下とブリトーニャ様が待っているから余計にそう感じてしまうのだそうだ。
だけど、エルンスト殿下は王族である。ライナス公爵として自由気ままに暮らし続ける訳にはいかない。王都に戻ってステファン殿下を支えなきゃならない。
「私はもう大丈夫ですから、お城に帰っても構わないんですよ。」
何度もそう伝えているのにエルンスト殿下はなかなかうんと言わなかった。
ステファン殿下に捨てられた私は、超強行措置でエルンスト殿下の婚約者にされた。
誰もが私に同情し、後始末を押し付けられたエルンスト殿下に同情している。
悪役はなぜか心移りをした事になっているステファン殿下になっているそうだ。
きっと被害者はステファン殿下で、後始末を押し付けられたのもステファン殿下なのに。
さっさと私達は城から逃げ出してしまったのに、ステファン殿下がひとりで悪評と嘘の噂と戦っていらっしゃる。
「そろそろさ、ステファンを助けに行きたいんだけど…。」
「行けば良いじゃないですか。」
「レーチェを残してはいけない。一緒に帰ろうよ、ねえ、そうしない?」
…狡いなぁ、そう私に聞いちゃうんだ。
「城から出してあげるって言ってくれたじゃないですか。」
「…出したじゃん。とりあえずだけど。永遠になんて誓った覚えはないんだけど。」
…確かに。
「最悪の事はもうないって言ったよね?」
「はいはい、そう言いましたね。」
「一緒に堕ちようって決めたじゃないか。」
「はいはい、そうでしたね。」
このところこんなやりとりばっかりだ。
エルンスト殿下はどこまで本気でどこまで冗談でどこまで演技なのか、今だにわからないんだもの。
あと少し、信じられる何かがあれば…と思ってしまう。
キッテンで最も重い剣の誓いさえ信じてはいけなかったというのに、何を信じたらいいんだろう。
「私を抱いて下さい、って言ったのは覚えてる?」
「はいはい、ええ、そんな事を言った日もありましたね。」
結局抱かれてないし、あれからそんな雰囲気になったのは火祭りの夜だけだし。
婚約したって言ったって、それらしい事は全くなかったし。
…いつやっぱりやめた、婚約破棄だ!って言われるかわからないし。
「じゃあ、今夜ね。」
「はいはい。…って、えっ?」
思いがけない言葉にエルンスト殿下の顔を見た。
エルンスト殿下は嬉しそうに満面の笑みで私を見ている。
エルンスト殿下はこのところの暮らしぶりのせいで少し日に焼け、甘さが薄れてる少し精悍な顔つきになった。
「今、はいって言ったよね。」
「そんな不意打ちは狡いですよ!」
「言ったよね。」
「言いましたけど、それは…っぐ。」
突然、エルンスト殿下は唇で私の抗議の声を塞ぐから、驚いて固まってしまったじゃないか。
「毒素が抜け切るまで我慢してたんだ。もう医師のお墨付きも出たし、今夜、ね。」
「…本気なんですか?」
俺はいつだって本気だよ、いい加減に信じてよ、ってエルンスト殿下は真っ直ぐに言うから。
今夜だよ、いい?って聞かれて…なんと答えようか…。
頬が熱い。
「あっ!引いてる!」
「えっ?」
私の釣竿が、ビクンっビクンっと大きく引かれている。慌てて竿を掴み直した。
「いや、無理無理、これ大きいです。重たくて引き上げられません!」
竿は大きくしなってもう今にも折れそうだ。
エルンスト殿下の腕が背後から私を包み込んで、釣竿を持つ私の手に添えられた。
「釣り上げていいんだよね?」
「はい、早く釣り上げて下さい。」
仕方ないなぁ、とエルンスト殿下は釣竿を引き上げてくれる。
ビシャっ!と銀色の魚が舟の床で跳ね回っている。
「…これは?」
「マスだね、結構大きいな。今夜のご馳走だな。」
「食べるんですか?」
「食べるよ。」
せっかく釣れたんだからね、とエルンスト殿下は私を後ろから抱き抱えたまま、耳元で囁く。
「…釣り上げてって言ったよね?今夜のご馳走さん。」
???
ギュッと巻き付けられた腕に力が篭った。
「…私、釣られてしまったんですか?」
「うん。俺、釣っちゃったのかな?」
「…そう…なの…かも。」
「そう、やっと釣られてくれたんだね。」
首だけを回して、後ろのエルンスト殿下を振り向いた。
状況はとっくに頭の中では理解している。ただ気持ちがついて行っていない。私が拘っているのは…。
「ちゃんと…言葉にしてくれませんか?」
そう言うと、エルンストがフッと笑う。
「愛してる、俺だけのレーチェ。一緒に城に帰ろうよ。」
「ありがとうございます。とても嬉しいです。…だからどこまでも御一緒しますよ。」
短剣でも捧げようか?って言われるけれど、それが何の意味もなさない事を私は知ってるから。
「要りません。ただエルンスト殿下の言葉を信じるだけ…。」
と答えた。
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