修道院に行きたいんです

枝豆

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オマケ

石がないんです2

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わからない時は聞くに限る。
そこで以前お世話になった財務官のダーランド補佐官を呼び出した。今、エルとステファンのダリアン島の件で補佐してくれている人だ。

「殿下達には内密にお話ししたい事があるのでお時間頂けませんか。」
そうお手紙を書いて、たまたまその場にいた侍女のリンダに託した。

ダーランド補佐官からのお返事は、
「近々農場の様子を見に来て頂けませんか?」
だった。

…農場の視察なら朝の散歩の後…かなぁ。

エルとする毎朝の散歩、忙しいエルと過ごせる時間の中で私たちにとっては大切な時間のひとつ。
朝食を食べて、庭を散策して、エルのルーティーンはそのままステファン殿下のところに。
私はそのままトーニャのところへ行くけれど、トーニャは毎朝カトリーナ様との会談もするから、私の方が時間にゆとりがある…。

早速次の日の朝、散歩の途中で分かれる事にした。

「…なんかね、農場を見にいかなきゃならないみたいなの。」
「…農場?何かあった…?俺は聞いてないけど。
もしなんなら一緒に行こうか?」

ドキっとした。エルには何もするなって言われてるのに。
エルに付いて来てもらう訳にはいかない!

「あ、あのね、大丈夫だから。ちょっとだけ見てみたいだけだし。
…エルはステファン殿下が待ってるんでしょ?…そうよ、早く行ってあげないと。待たせたら申し訳ないし!

私は…ほら、そう!今日ねトーニャ、カトリーナ様と少し混み合った話をするって。
ちょうど良いから、サクッと行ってくる。
…手に負えそうもなかったら報告するから。」

これ以上追及されたくなくて、たくさん言い訳を並べた。
返事を聞くよりも前にすり足で離れた。

「レーチェ?」
何か言いたげなエルだったけど、敢えて見ない事にした。
「じゃあ、後でね。」

くるりと踵を返す。
さっさと行って、執務室に行かないと!!
そう思って、農場への道を小走りで駆け抜けた。

ダーランド補佐官は既に農場にいてくれた。
「お、おはようございます。お呼び立てしてすみません。」

畑の脇で何やら書きつけていたダーランド補佐官は、視線を上げると、
「これはこれはレイチェル妃殿下。おはようございます、朝のお散歩ですか?」
と言う。

あれ?話通ってない…?
一瞬不安がよぎったけれど、ダーランド補佐官の視線は不自然なくらい泳いでた。

「あ、あのダーランド補佐官、折り入ってご相談が…。」
「ええ、なんでしょうか。」
「ゴッツウォールの件なんですけれど…。
何か私にもできる事がないかしら?」

そう尋ねると、ダーランド補佐官の表情が曇った?困ったなぁ?とでも言いたげに…ああ、面倒な事になったなぁ、と言いたげに見えた。

「ゴッツウォール…ですか?確かに今は高値で品薄ですが…。放っておけば宜しいですよ。
そのうち…なんとかなりますから。」

嘘でしょう?なんとかならないから、エルやステファン殿下があんなに困っていそうなのに。

「…本当に?本当にないの?」
「ありません!」

即答だった。…らしくない。以前お城の食糧費の件でご相談した時はもう少し親身に私の話を聞いてくれた人なのに…?

私は考えていた事があった。
「あのねダーランド補佐官、ラブレフ夫人に…」
「なりません!!」

ブゥー。まだ全部話してないのに!!
私はラブレフ侯爵夫人と面会して、つまりはゴッツウォールを扱う商会の奥様とあって、何かと融通して貰う事を考えていた。
世の夫は大抵の場合妻の言う事には耳を傾ける。

「良いですか、レイチェル様、王族としてそれだけはしてはなりません。例えそれがどんなに近道であっても、それは貴方様の足場を削るようなもの。決してなりません!!」

…そんなに言わなくても。
弱みを掴ませるって事の危うさをコンコンと諭された。
今回は良くても次に何かあればエルンスト殿下の足かせになりかねないのだ、と。
あぁ、なるほど。私浅はかだったなぁと空を見上げた。自身の不甲斐なさに涙が出そうだ。

「ちょ、ちょっと、レイチェル様。す、すみません、言葉がキツすぎましたか?」
急に慌ててダーランド補佐官は私をフォローし始める。

「本当にこの件については何もされなくて良いんです、いやむしろ何もしないで頂きたい。お願いしますから。」

はい、かなり反省します。
しばらく余計な事はしません。大人しく何もしないでおきます…。


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