若松2D協奏曲

枝豆

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バスレク

女の子の日

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ううー、お腹痛い。
バスレクに行く日の朝、生理になった。

とほほ。ツイてない。

生理初日は大抵おなかが痛くなる。薬を飲んでしばらくすれば後は大丈夫になるんだけど。下着を替えて痛み止めを飲んでおく。

優ちゃんには事情を話して行きのバスだけ少し眠らせてもらおう、と身支度を整えて学校に向かった。

優ちゃんは、翠ツイてないねぇ、と笑ってくれて、良いよ良いよ、行きは寝てなよ、って言ってくれた。

「いっぱい喋ってお菓子も食べようね、って言っていたのに、ホントごめんね。」
と謝って、バスの席で靴を脱いで窓にもたれ掛かる。

「あれ?翠どうしたの?」
バスに乗り込んできた皇子くんと和津くんは心配そうに声を掛けてきた。
けれど少しボーっとしつつ、生理痛とは言えないなぁ、と思っていたら。
「なんか寝不足みたいで、行きは寝るって。」と優ちゃんが誤魔化してくれた。

ふーん、と言いながら
「優、それじゃつまんないから補助席出してこっちおいで。」
と皇子くんが声を掛けた。
渋る優ちゃんには
「ひとりの方が楽だから、行って。」と行って貰った。

賑やかにお喋りや流行りの曲が掛かる喧騒の中、段々と薬が効いてきたのか眠りに落ちそう…なのに。

…寒っ。
4月とはいえ暑いくらいの日だからか、エアコンが強く効き始めどんどん身体が冷えてきた。
…何か掛けられる物持ってくれば良かった…。
少しでも、の思いで足を座席に乗せて体を丸めた。

その時。
パサリっ、大きな指定ジャージが身体に掛けられた。
「使っていいよ。俺暑いし。」
いつの間にか隣に和津くんが座っていた。
…気引き締めなきゃ。
「大丈夫、要らないよ。」
掛けてくれたジャージを返そうとすると、優しく掛け直された。
「まだ顔色良くないよ。どうせ今は着ないし。」
「ごめん。,ありがとう。」
「いいよ、寝とけって。」
「うん…。」

大きなジャージは身体をすっぽりと覆ってくれて、とっても暖かで。
スーッと意識が暗くなって行くのがわかった。
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