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体育祭
撮影会
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デモが終わり、グランドから抜けると涙が溢れた。
緊張感が切れて、トランペットを抱えて膝から崩れる。
「翠!翠!頑張ったよ。良かったよ。」
金管の先輩達が声をかけて肩を叩いてくれる。
「うっうっ、あ、ありがどう、ごじゃいますぅ。」
嗚咽でうまく喋れないのをみんなが笑うから、私は泣き笑いの変顔になる。
「ホラ、泣かない。遥が待ってるよ。」
タオルで目や頬を拭かれる。
えっ?と周りを見ると昨年卒業したトランペットの了先輩と赤ジャケを着た遥先輩がニコニコ顔で立っていた。
「翠!カッコよかったよ。頑張ってくれてありがとう。」
一番親身に指導してくれた遥先輩からの言葉が嬉しくてまた涙が溢れた。
「さっ、撮影会だ!」
同じパートで、同じ学年で、先輩と、後輩と、OBと写真を撮っていく。
マーチング衣装は今日しか着ないから、ちょっとした撮影会になる。
「あのー、山本先輩。一緒に写真撮って貰えますか?」
仲間との撮影が落ち着いた頃を未計ったのかスマホ片手に1年生の女の子が立っていた。
「えっ?私?…私でいいの?」
「是非、お願いします。」
ありがとう、と言いながら1年生の子と写真を撮る。
すると
「私もお願いします。」
と次々と写真を求められる。
体操服の子は吹部じゃない。制服の子は見学に来た中学生だ。
特に中学生との写真撮影は大切にするように顧問からも言われている。来年の後輩になるかもしれない子だから。
「来てくれてありがとうね。」
笑いかけた隣にいる子は一昨年の私だ。
「翠!」
声をかけて来たのは優と応援団の子達。
「私達とも撮ってよ。」
と言われてもちろんと応じる。
だけど和津くんはいない。
「和津くんは?」
「1500に行った。」
…そうか。
和津くんと撮りたかったな。
「翠!」
声を掛けたのは中野さん。
「顧問には上手く言っとくから。和津くんなら5分もあればゴールするっしょ?待ってれば?」
驚きで返事が出来ない。
それを待たずに中野さんは踵を返して走っていった。
「良いとこもあるんだ。」
優ちゃんが呟いた。
…ありがとう、中野さん。
優ちゃんちょっと酷いよね?
和津くんが席に置いていった応援団の法被を皇子くんが渡してくれた。
これを着ていたら最前列で応援出来るって。
もちろん喜んで。
法被を羽織ってみんなについて行った。
緊張感が切れて、トランペットを抱えて膝から崩れる。
「翠!翠!頑張ったよ。良かったよ。」
金管の先輩達が声をかけて肩を叩いてくれる。
「うっうっ、あ、ありがどう、ごじゃいますぅ。」
嗚咽でうまく喋れないのをみんなが笑うから、私は泣き笑いの変顔になる。
「ホラ、泣かない。遥が待ってるよ。」
タオルで目や頬を拭かれる。
えっ?と周りを見ると昨年卒業したトランペットの了先輩と赤ジャケを着た遥先輩がニコニコ顔で立っていた。
「翠!カッコよかったよ。頑張ってくれてありがとう。」
一番親身に指導してくれた遥先輩からの言葉が嬉しくてまた涙が溢れた。
「さっ、撮影会だ!」
同じパートで、同じ学年で、先輩と、後輩と、OBと写真を撮っていく。
マーチング衣装は今日しか着ないから、ちょっとした撮影会になる。
「あのー、山本先輩。一緒に写真撮って貰えますか?」
仲間との撮影が落ち着いた頃を未計ったのかスマホ片手に1年生の女の子が立っていた。
「えっ?私?…私でいいの?」
「是非、お願いします。」
ありがとう、と言いながら1年生の子と写真を撮る。
すると
「私もお願いします。」
と次々と写真を求められる。
体操服の子は吹部じゃない。制服の子は見学に来た中学生だ。
特に中学生との写真撮影は大切にするように顧問からも言われている。来年の後輩になるかもしれない子だから。
「来てくれてありがとうね。」
笑いかけた隣にいる子は一昨年の私だ。
「翠!」
声をかけて来たのは優と応援団の子達。
「私達とも撮ってよ。」
と言われてもちろんと応じる。
だけど和津くんはいない。
「和津くんは?」
「1500に行った。」
…そうか。
和津くんと撮りたかったな。
「翠!」
声を掛けたのは中野さん。
「顧問には上手く言っとくから。和津くんなら5分もあればゴールするっしょ?待ってれば?」
驚きで返事が出来ない。
それを待たずに中野さんは踵を返して走っていった。
「良いとこもあるんだ。」
優ちゃんが呟いた。
…ありがとう、中野さん。
優ちゃんちょっと酷いよね?
和津くんが席に置いていった応援団の法被を皇子くんが渡してくれた。
これを着ていたら最前列で応援出来るって。
もちろん喜んで。
法被を羽織ってみんなについて行った。
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