若松2D協奏曲

枝豆

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体育祭

反省会

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体育祭の後の反省会は非公式行事で、普通は打ち上げとも言う。
打ち上げ禁止!の通達が学校から出てるから、電車移動してから、デパートのトイレで着替える。
これ打ち上げじゃなくて反省会だから、って中学生の言い訳みたいなことをみんなでする。

和津くんの1500メートル優勝と、リレー1位が貢献してD組は総合優勝し、最優秀応援団賞も貰った。
吹部デモも上手くいって、文句なし最高の体育祭になったと思う。

ファミレスにみんなで入った。応援団と実行委員に私が混じらせてもらった形。

さっきからずっとみんなのスマホが光っている。
あまりにも着信数が多くて、みんなが通知音をオフにしてる。

ほとんどが写真のデータ。

自分たちの写真は撮れないので、みんな後輩や先輩、家族に撮影をしてもらって回し合っている。
それがグループのアルバムにドンドン上がって来てる。

「やっぱり翠の写真多いねぇ。」
「和津くんのも多いよ。」
「うわ、これ私白目だぁ。」
「団長、カッコいいよね。あっ、これ頂戴。」

女の子達で画面を見せ合ってワイワイ騒いでいる。

男子も似たような事をしてるっぽい。

「凄い!この瞬間撮ってた奴がいる!」
そう言って北斗くんから見せられたのは、私と和津くんがハグをした、応援団デモの写真。

「誰?これ撮ったの!」
「んー、あっ、バスケ部の後輩だな。」
「いい仕事するじゃん、後輩クン。」
「待ち受けに決まりだ!」

あの瞬間、勢いでしちゃったハグ。
落ち着いた今は恥ずかしいだけ。

「やめてよ…恥ずかしいから。」
そういうけど誰も聞いてくれなかった。

「はい!じゃあゴチ対決すっから!」
と北斗くんが切り出した。

「さっき疾風は待ち受け画面を変えてました。
さあ、どの写真でしょう?
当てた奴の分は疾風が払いまーす!」
「北斗!ばらすな!
俺払わねーからな!」
「えっ!それ賭けになんないよ。
紺ジャケ&金メダルのツーショット!の一択!」
「ぎゃははは。アタリ!疾風わかりやす過ぎ!」

「もう…やめてよ…。」
あまりに恥ずかし過ぎてテーブルに顔を埋めた。

「はいはいそこまで!翠ちゃんが消えちゃう前にやめたげて!」
「うう、ありがとう。花音ちゃん…。」
応援団をきっかけにお昼のグループが優との2人から応援団の5人に変わった。

食べてすぐ音楽室に行かなきゃだったから、優をひとりにしなくて済んで本当に助かったし、私もみんなといろんな話をしていると楽しい。

花音ちゃんはイジられやすい私をいつも庇ってくれる。

やっと話題は応援団デモの反響へと変わっていった。











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