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嶋田さんご夫妻との出会い
待ち受け
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「あれ?翠ちゃん、待ち受け変えたの?」
お弁当を食べている時、机の上に放置していたスマホにお知らせメールが届いて一瞬画面のライトが付いた時を花音ちゃんは見逃さなかった。
あっ!
遅かった。
すかさず優ちゃんに取り上げられたスマホ。
待ち受けはこの間嶋田さんにバラ園で撮ってもらった写真だった。
「うわっ、ツーショット、しかもなんか凄い!ウエディングフォトみたい!」
たくさん撮ってもらった写真の中で私が待ち受けに選んだのは、嶋田さんの奥様にリードを握られていた白い犬のソラちゃんを2人で見るようにと言われた時の写真だった。
さすがプロ。明るさも色合いも完璧で、背景のバラはバラだと分かる程度にボンヤリとボヤけていて、バストアップの和津くんと私は見つめあって優しく微笑んでいる。
この時ソラちゃんは芝生に仰向けでゴロゴロと転がっていてとっても可愛かった。
「可愛いね」と思わず和津くんに話しかけた瞬間の一枚だと思われる。
「昨日ね、桜広植物園でたまたま撮ってもらった写真なの。」
「たまたまって、この甘い雰囲気がたまたま出る訳ない!」
「…でもたまたまだもん。撮ってくれた人はプロカメラマンだったし。」
その時の様子を話して聞かせた。
「凄いんだよ。2人で全く違う方向見てるのに、出来上がりは見つめあってるように見えたし、腕を上げただけなのに抱きしめあってるように見えたし。」
…そこまで言って、はたと気付いた。
ヤバっ、口が滑った!この流れだと…。
「他にもあるの!見たい!見せて!」
…やっぱりそうなるよね…。
「…和津くんのスマホだったから…。」
と断ろうと思った時には遅かった。
優ちゃんがダッシュで和津くんのところに行っていた。
「和津ー!スマホ貸して!」
「…うん?そこにあるけど。」
やっぱり机に置きっぱなしになっていた和津くんのスマホ。
「和津くん!ダメ!」
慌てて声を上げた。
一足先に優ちゃんがスマホを手に取り画面にタッチすると待ち受けが現れる。
「うわ、凄い!」
優ちゃんの声に皇子くんと北斗くんがすかさず反応する。
和津くんが何かに気付いたのか、慌ててスマホを取り上げようとしたけれど、皇子くんに押さえつけられた。
「和津、ロックはずして!」
「疾風!指紋寄越せ!」
「止めろ!離せって!」
「疾風、諦めろ!」
抵抗虚しく和津くんの携帯ロックは外されて、写真フォルダは開かれてしまった。
「うわ、凄え。」
「すごい!」
嶋田さんが撮ってくれた写真を見ながらみんなが感嘆の声をあげていく。
「キラキラしてる。」
「…これ、エロっ!」
「…それが抱きしめているように見える写真。」
そうなのだ。コレは抱きしめあっているように見える写真であって、抱きしめあっている写真ではない。
見つめあっているように見える写真も見つめあっている写真ではない。
…待ち受けにしたあの写真を除いて。
「っていうか、場所が恥ずい…。」
北斗くん的にはこのバラをあしらった馬車そのものがダメみたいだった。
「…凄いな。写真のテクもだけど表情の出し方が上手い。」
皇子くんが物凄く感心してる。
「だって、疾風と翠じゃん。撮るよ!って感じだと緊張して真顔になるじゃん。
それが普通に笑ってる。」
そうなのだ。
おしゃべりしながら撮られていたので、物凄く自然に撮れている。
「恥ずかしいからじっくり見ないで。」
もう、皇子くん、じっくり見過ぎ!
「ああ、悪い。」
皇子くんがスマホからやっと視線をあげてくれる。
「あっ、そうだ。
嶋田さんに誘われてたんだ。」
カバンからあのチラシを取り出した。
「ホタルを愛でる夜?」
「お友達と良かったら来てね、って。」
「へえ、ホタルかぁ。いいね。」
「屋台出るんだ、いいね。」
ワイワイみんなで盛り上がって、いつの間にかみんなで行く事に決まっていた。
お弁当を食べている時、机の上に放置していたスマホにお知らせメールが届いて一瞬画面のライトが付いた時を花音ちゃんは見逃さなかった。
あっ!
遅かった。
すかさず優ちゃんに取り上げられたスマホ。
待ち受けはこの間嶋田さんにバラ園で撮ってもらった写真だった。
「うわっ、ツーショット、しかもなんか凄い!ウエディングフォトみたい!」
たくさん撮ってもらった写真の中で私が待ち受けに選んだのは、嶋田さんの奥様にリードを握られていた白い犬のソラちゃんを2人で見るようにと言われた時の写真だった。
さすがプロ。明るさも色合いも完璧で、背景のバラはバラだと分かる程度にボンヤリとボヤけていて、バストアップの和津くんと私は見つめあって優しく微笑んでいる。
この時ソラちゃんは芝生に仰向けでゴロゴロと転がっていてとっても可愛かった。
「可愛いね」と思わず和津くんに話しかけた瞬間の一枚だと思われる。
「昨日ね、桜広植物園でたまたま撮ってもらった写真なの。」
「たまたまって、この甘い雰囲気がたまたま出る訳ない!」
「…でもたまたまだもん。撮ってくれた人はプロカメラマンだったし。」
その時の様子を話して聞かせた。
「凄いんだよ。2人で全く違う方向見てるのに、出来上がりは見つめあってるように見えたし、腕を上げただけなのに抱きしめあってるように見えたし。」
…そこまで言って、はたと気付いた。
ヤバっ、口が滑った!この流れだと…。
「他にもあるの!見たい!見せて!」
…やっぱりそうなるよね…。
「…和津くんのスマホだったから…。」
と断ろうと思った時には遅かった。
優ちゃんがダッシュで和津くんのところに行っていた。
「和津ー!スマホ貸して!」
「…うん?そこにあるけど。」
やっぱり机に置きっぱなしになっていた和津くんのスマホ。
「和津くん!ダメ!」
慌てて声を上げた。
一足先に優ちゃんがスマホを手に取り画面にタッチすると待ち受けが現れる。
「うわ、凄い!」
優ちゃんの声に皇子くんと北斗くんがすかさず反応する。
和津くんが何かに気付いたのか、慌ててスマホを取り上げようとしたけれど、皇子くんに押さえつけられた。
「和津、ロックはずして!」
「疾風!指紋寄越せ!」
「止めろ!離せって!」
「疾風、諦めろ!」
抵抗虚しく和津くんの携帯ロックは外されて、写真フォルダは開かれてしまった。
「うわ、凄え。」
「すごい!」
嶋田さんが撮ってくれた写真を見ながらみんなが感嘆の声をあげていく。
「キラキラしてる。」
「…これ、エロっ!」
「…それが抱きしめているように見える写真。」
そうなのだ。コレは抱きしめあっているように見える写真であって、抱きしめあっている写真ではない。
見つめあっているように見える写真も見つめあっている写真ではない。
…待ち受けにしたあの写真を除いて。
「っていうか、場所が恥ずい…。」
北斗くん的にはこのバラをあしらった馬車そのものがダメみたいだった。
「…凄いな。写真のテクもだけど表情の出し方が上手い。」
皇子くんが物凄く感心してる。
「だって、疾風と翠じゃん。撮るよ!って感じだと緊張して真顔になるじゃん。
それが普通に笑ってる。」
そうなのだ。
おしゃべりしながら撮られていたので、物凄く自然に撮れている。
「恥ずかしいからじっくり見ないで。」
もう、皇子くん、じっくり見過ぎ!
「ああ、悪い。」
皇子くんがスマホからやっと視線をあげてくれる。
「あっ、そうだ。
嶋田さんに誘われてたんだ。」
カバンからあのチラシを取り出した。
「ホタルを愛でる夜?」
「お友達と良かったら来てね、って。」
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「屋台出るんだ、いいね。」
ワイワイみんなで盛り上がって、いつの間にかみんなで行く事に決まっていた。
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