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置き去りにしたもの
翠の気持ち
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どうしたら絵里ちゃんが治療してくれるか?だけを考えて選んだ言葉は絵里ちゃんを怒らせて傷付けた、そう思ってた。
あれからずっとどう言えば良かったのかを考えていた。
だけどひとつ足りなかった。
私は森くんも傷付けてしまっていた。
彼女のために選んだピアス、貶されたら悲しいだろう。
「大切なピアスなんだから、きちんと似合うように頑張ろう、ちゃんと直して、それから付けた方が、絵里ちゃんらしくてきっと素敵に見える。
そう言えば良かったのかな?」
「翠だけなんだ。」
違うと首を横に振ってからポツリ絵里ちゃんが呟いた。
「私だけ?」
「クラスの子でそこまで私の身体を心配してくれたのは翠だけだったんだ。
ねぇ、何も言わずに知らないフリをして、その場その時を楽しく過ごすっていう事は考えなかった?」
「それは…なかった。」
あの時も絵里ちゃんとギクシャクしていた2学期の間も、留学して会えなかった時期も、
「あんな事言わないで知らん顔しておけば良かったな。」
と思ったことは一度も無い。
「ふふ、でもそのいうノリのグループじゃなかったでしょ?私達。」
やっぱりね、とでも言いたげに絵里ちゃんは口角を引き上げた。
…笑ってくれてるの?
そう思うと手にキュッと力が入る。
「あの時の私は友達はただ一緒にいて楽しければ良かった。
面倒だと言えば、やらなくていいんじゃない?と言ってくれる子が好きで、楽な方に行きがちな私と一緒にサボってくれる子の方が心地が良かった。
「私がやっておくから絵里ちゃんは無理しなくて良いよ。」と言ってくれる翠は毛色が違って思えた。
サボるなんてダメだよ!なんて言う子とは友達にすらならなかったし。
痛そう。という子はいたけれど、
治そう。という子はいなかった。
それから、もうひとつ。
「もう翠に嫌がらせするのはやめてあげなよ。」
という子はいたけど、
「私じゃない。」
と言ってくれていたのは翠だけ、翠だけだったんだ。」
あれからずっとどう言えば良かったのかを考えていた。
だけどひとつ足りなかった。
私は森くんも傷付けてしまっていた。
彼女のために選んだピアス、貶されたら悲しいだろう。
「大切なピアスなんだから、きちんと似合うように頑張ろう、ちゃんと直して、それから付けた方が、絵里ちゃんらしくてきっと素敵に見える。
そう言えば良かったのかな?」
「翠だけなんだ。」
違うと首を横に振ってからポツリ絵里ちゃんが呟いた。
「私だけ?」
「クラスの子でそこまで私の身体を心配してくれたのは翠だけだったんだ。
ねぇ、何も言わずに知らないフリをして、その場その時を楽しく過ごすっていう事は考えなかった?」
「それは…なかった。」
あの時も絵里ちゃんとギクシャクしていた2学期の間も、留学して会えなかった時期も、
「あんな事言わないで知らん顔しておけば良かったな。」
と思ったことは一度も無い。
「ふふ、でもそのいうノリのグループじゃなかったでしょ?私達。」
やっぱりね、とでも言いたげに絵里ちゃんは口角を引き上げた。
…笑ってくれてるの?
そう思うと手にキュッと力が入る。
「あの時の私は友達はただ一緒にいて楽しければ良かった。
面倒だと言えば、やらなくていいんじゃない?と言ってくれる子が好きで、楽な方に行きがちな私と一緒にサボってくれる子の方が心地が良かった。
「私がやっておくから絵里ちゃんは無理しなくて良いよ。」と言ってくれる翠は毛色が違って思えた。
サボるなんてダメだよ!なんて言う子とは友達にすらならなかったし。
痛そう。という子はいたけれど、
治そう。という子はいなかった。
それから、もうひとつ。
「もう翠に嫌がらせするのはやめてあげなよ。」
という子はいたけど、
「私じゃない。」
と言ってくれていたのは翠だけ、翠だけだったんだ。」
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