若松2D協奏曲

枝豆

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文化祭 準備

新メンバー

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夏休みが終わって、新学期。
クラスメイトが1人増えた。
「絵里ちゃん!」
「翠!やったよ!」

帰国して補習を終えた絵里ちゃんは、非公式ながらクラスの希望を聞かれたんだって。
人数が少ないCかDか。
そして絵里ちゃんはDを選んでくれた。

それから席替えをして、私の隣は富田くんという男の子になった。
前に花音ちゃん、後ろは絵里ちゃん。富田くんの後ろに皇子くん。
疾風くんとの席は随分と離れちゃったのが少し、ううん、かなり残念。


2学期に入ってすぐ、文化祭の話し合いが始まった。
実行委員は須藤仁志くんと橋場菜々子ちゃん。菜々子ちゃんは応援団仲間のひとりで、花音ちゃんとも仲が良い。

文化祭の企画は、飲食、物販、イベントとほぼ等分される。ここでちゃんとした企画にしておかないと、生徒会による調整で弾かれて、違うことをやらなくてはいけなくなる。
去年のクラスは飲食を希望していたけれど、よくわからずざっくりとした企画を出してしまって、調整で弾かれてしまった。
それでやりたかった事が出来なくなって、みんなのテンションが一気に下がっちゃった。

不慣れな1年生のクラスは大体が希望が通らなかった聞いている。しかも似通った時は上級生優先というルールがある。
つまりこの段階でしっかりとした企画にしておかないと、上級生達には敵わないということ。
だからかもしれない。
今年のクラスのみんなはちょっと顔つきが違う。

「まず、方向決めます。」
と菜々子ちゃんが多数決を取った。
飲食、物販、イベント、みんなの希望は物販だった。

「じゃあ、何を売りましょうか?」
菜々子ちゃんの言葉は重い。
昨年度、物販を希望した団体は悉くここで躓いた。

内容と値段を考えて、文化祭に相応しいもの。
去年人気があったのは「お菓子」で、結局お菓子を売る事が出来たのは3年生の団体だけだった。

「あ、あの…。」
手を挙げたのは花音ちゃんだった。
「こういうの、知ってますか?」
と花音ちゃんが見せたのは印刷されたネットショップの「布インク」という商品だった。


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