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文化祭 準備
ホームルーム
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月曜、クラスで花音ちゃんが経過を説明する。
バイト、とは言えないので、知り合いの…と誤魔化してる。
「おい、葛西!なんで勝手に役所に言っちゃうんだよ!」
先生が既に引き返せねぇーじゃないか!とボヤいている。
「すみません、でもたまたまなんです。個人的に知り合いで、その場にいっしょにいたんです。」
うふふ。
さくら市広報課嶋田さんの仕事は早かった。
午前中のうちに、副校長先生に広報課から正式に取材の申し込みがあったそうだ。
寝耳に水の副校長先生は慌てて電話を切りあげて、原田先生を問い詰めたそう。
SHRでは足りなくて、授業を一コマ潰しての緊急ホームルームになってしまった。
「これか?」
先生は花音ちゃんが持ってきた見本を手に取って見ている。
キャンバスの袋が2種類、シーチングの袋が1種類、キャンバスのバンダナが1枚。
「…確かに…。これ良いな。」
と先生もシーチングに一票みたいな事を言い出す。
そんなに値段の高い物は出せない。まして寄付するとはいえ利益を乗せる。
だからって変な物は売れない。
「300円でも高いなぁって思っていたんだけど。」
ホームページに載ってるのは販売価格なので、花音ちゃんが見ていた発注用のカタログとは値段が違っている。
そんなに高くなくて、そこそこ質はある。
シーチングの袋なら200円でも利益が出せる。
「これで十分だと、俺は思うぞ。まあ、決めるのはお前たちだけど。」
というのが原田先生の意見だ。
「でも1000枚ですよ!」
「あっ、それな。多分イケるぞ。」
原田先生が言い出した。
「でも去年、最高350個って。」
「ああ、たこ焼きな。作るのに手間取って、随分待たせての個数だったから。
あれ、ガスの鉄板があったらもっと売れてた。」
去年の先輩が用意したのは電気式の、だった。
電気調理は家庭科室で、ガス調理は中庭と決められている。
「電圧の関係で台数に制限があって、パワーも無かった。需要と供給が噛み合ってなかったんだ。
ガスで大量調理が出来ていたら、もっと売れたと思う。」
「しかも、前日までに作るんだろ?当日はこれください、はいどうぞです、で終わる。」
広報課の取材があるなら、きっと売り場は良いところを貰える、文化祭で売れ残っても、後日売れる場所がいくつもある。
「広報課はな、さくら市の協賛にしても良いとまで言ってくれてるそうだ。」
…嶋田さんの仕事の素早さに驚くばかり。
「嶋田さん、月曜まで待ってって言ったのに…。」
後ろで皇子くんが呟いているのが聞こえて来る。
「じゃあ、シーチング袋1000枚、売り上げは磯山学園に寄付、で良いですか?」
と須藤くんがみんなに聞いた。
反対意見は出なかった。
「じゃあ、これで進めます。」
と菜々子ちゃんが言った。
バイト、とは言えないので、知り合いの…と誤魔化してる。
「おい、葛西!なんで勝手に役所に言っちゃうんだよ!」
先生が既に引き返せねぇーじゃないか!とボヤいている。
「すみません、でもたまたまなんです。個人的に知り合いで、その場にいっしょにいたんです。」
うふふ。
さくら市広報課嶋田さんの仕事は早かった。
午前中のうちに、副校長先生に広報課から正式に取材の申し込みがあったそうだ。
寝耳に水の副校長先生は慌てて電話を切りあげて、原田先生を問い詰めたそう。
SHRでは足りなくて、授業を一コマ潰しての緊急ホームルームになってしまった。
「これか?」
先生は花音ちゃんが持ってきた見本を手に取って見ている。
キャンバスの袋が2種類、シーチングの袋が1種類、キャンバスのバンダナが1枚。
「…確かに…。これ良いな。」
と先生もシーチングに一票みたいな事を言い出す。
そんなに値段の高い物は出せない。まして寄付するとはいえ利益を乗せる。
だからって変な物は売れない。
「300円でも高いなぁって思っていたんだけど。」
ホームページに載ってるのは販売価格なので、花音ちゃんが見ていた発注用のカタログとは値段が違っている。
そんなに高くなくて、そこそこ質はある。
シーチングの袋なら200円でも利益が出せる。
「これで十分だと、俺は思うぞ。まあ、決めるのはお前たちだけど。」
というのが原田先生の意見だ。
「でも1000枚ですよ!」
「あっ、それな。多分イケるぞ。」
原田先生が言い出した。
「でも去年、最高350個って。」
「ああ、たこ焼きな。作るのに手間取って、随分待たせての個数だったから。
あれ、ガスの鉄板があったらもっと売れてた。」
去年の先輩が用意したのは電気式の、だった。
電気調理は家庭科室で、ガス調理は中庭と決められている。
「電圧の関係で台数に制限があって、パワーも無かった。需要と供給が噛み合ってなかったんだ。
ガスで大量調理が出来ていたら、もっと売れたと思う。」
「しかも、前日までに作るんだろ?当日はこれください、はいどうぞです、で終わる。」
広報課の取材があるなら、きっと売り場は良いところを貰える、文化祭で売れ残っても、後日売れる場所がいくつもある。
「広報課はな、さくら市の協賛にしても良いとまで言ってくれてるそうだ。」
…嶋田さんの仕事の素早さに驚くばかり。
「嶋田さん、月曜まで待ってって言ったのに…。」
後ろで皇子くんが呟いているのが聞こえて来る。
「じゃあ、シーチング袋1000枚、売り上げは磯山学園に寄付、で良いですか?」
と須藤くんがみんなに聞いた。
反対意見は出なかった。
「じゃあ、これで進めます。」
と菜々子ちゃんが言った。
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