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文化祭 準備
学習ボランティア 皇視点
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ボランティアなんて柄じゃないんだけど。
そうは思ったけれど、疾風は行くらしい。
仕方ない、付き合ってやるか、と参加する事にした。
ついでに買ってもらったばかりのカメラを持って、子供達の写真を撮って、文化祭のディスプレイに組み込もう、そうポジティブに考える事にした。
…あの子。
廊下でこっちを覗き込むように見ている男の子が気になったのは、少し壮を彷彿とさせたからかもしれない。
壮は人見知りが激しくて、こういう時に部屋に入れなくなる事が度々ある。
だけど本心は入りたい。だけど勇気が出ない。
…それで後から悔やんで落ち込む。
「悪い、ここ頼む。」
疾風にひと声かけて、部屋から出た。
男の子はパッと隠れてしまう。
…だけど遠くまでは行かない。
壁にピッタリと張り付いて俯いていた。
…やっぱり壮と同じだ。
あえて声を掛けた。
「ねえ、トイレどこ?案内してよ。」
男の子は俺を見て、黙って歩き出した。
そのままその子の後を着いていく。
チラリ、こちらを振り返って、それでも何も言わずに歩いていく。
不意に立ち止まると、
「ここ。」
と一言だけ。
「帰り道迷うかもしんないから、待ってて。」
とトイレに入った。
…消えちゃうかもな。ただ廊下を真っ直ぐ進んだだけだからな。
そう思ったけど、出て行った時、その子は待っていてくれた。
「お前、名前は。」
「ゆうと」
「へえ、俺、コウ。」
「ゆうと、ちょっと手伝ってよ。」
「…なにを?」
「たいした事じゃないよ。」
「…別にいいよ。」
「助かる、ありがとう。」
そのままゆうとと部屋に戻った。
察したのか、学園の先生がみんなから少し離れた場所を用意してるくれる。
「手伝うんじゃなかったの?」
いつの間にか始めていたマンツーマンでの勉強会にゆうとが気付いたのは30分も過ぎた頃。
「…良いじゃん、別に。嫌だった?」
「…別に。」
「じゃ、続けよ。」
ゆうたは算数はよく出来るみたい。
「じゃあこれは?」
ひとつ上の学年の問題を出してみると、やっぱり解けたから、もう少し難易度をあげる。
結局はゆうとは俺達が帰るまで、ずっと俺の側にいた。
帰り道、原田が教えてくれた。
「あの子、なかなか誰にも懐かない子らしいぞ。先生方も驚いていた。」
「…ちょっと弟みたいだったので。」
と言うと、
「ふーん、お前弟いたんだ。」
と言われた。
「イケメン先生取られちゃった、って女の子達がボヤいてたよ。」
と絵里が言い出す。
「女の子苦手。ゆうとのほうが楽。」
というと原田は大声で笑う。
最後の別れ際、
「またな。」
と言って別れたから、また来なくちゃならない。
ゆうとはきっとこれっきりになれば自分を責める。
僕が何かしちゃったから、もう来てくれなくなったんだ、って。
「ねえ、富田。次剣道教えに行くとき、俺も連れて行ってくれよ。」
と頼むと、富田はビックリした顔をして、それでも
「ああ、構わないよ。」
と言ってくれた。
そうは思ったけれど、疾風は行くらしい。
仕方ない、付き合ってやるか、と参加する事にした。
ついでに買ってもらったばかりのカメラを持って、子供達の写真を撮って、文化祭のディスプレイに組み込もう、そうポジティブに考える事にした。
…あの子。
廊下でこっちを覗き込むように見ている男の子が気になったのは、少し壮を彷彿とさせたからかもしれない。
壮は人見知りが激しくて、こういう時に部屋に入れなくなる事が度々ある。
だけど本心は入りたい。だけど勇気が出ない。
…それで後から悔やんで落ち込む。
「悪い、ここ頼む。」
疾風にひと声かけて、部屋から出た。
男の子はパッと隠れてしまう。
…だけど遠くまでは行かない。
壁にピッタリと張り付いて俯いていた。
…やっぱり壮と同じだ。
あえて声を掛けた。
「ねえ、トイレどこ?案内してよ。」
男の子は俺を見て、黙って歩き出した。
そのままその子の後を着いていく。
チラリ、こちらを振り返って、それでも何も言わずに歩いていく。
不意に立ち止まると、
「ここ。」
と一言だけ。
「帰り道迷うかもしんないから、待ってて。」
とトイレに入った。
…消えちゃうかもな。ただ廊下を真っ直ぐ進んだだけだからな。
そう思ったけど、出て行った時、その子は待っていてくれた。
「お前、名前は。」
「ゆうと」
「へえ、俺、コウ。」
「ゆうと、ちょっと手伝ってよ。」
「…なにを?」
「たいした事じゃないよ。」
「…別にいいよ。」
「助かる、ありがとう。」
そのままゆうとと部屋に戻った。
察したのか、学園の先生がみんなから少し離れた場所を用意してるくれる。
「手伝うんじゃなかったの?」
いつの間にか始めていたマンツーマンでの勉強会にゆうとが気付いたのは30分も過ぎた頃。
「…良いじゃん、別に。嫌だった?」
「…別に。」
「じゃ、続けよ。」
ゆうたは算数はよく出来るみたい。
「じゃあこれは?」
ひとつ上の学年の問題を出してみると、やっぱり解けたから、もう少し難易度をあげる。
結局はゆうとは俺達が帰るまで、ずっと俺の側にいた。
帰り道、原田が教えてくれた。
「あの子、なかなか誰にも懐かない子らしいぞ。先生方も驚いていた。」
「…ちょっと弟みたいだったので。」
と言うと、
「ふーん、お前弟いたんだ。」
と言われた。
「イケメン先生取られちゃった、って女の子達がボヤいてたよ。」
と絵里が言い出す。
「女の子苦手。ゆうとのほうが楽。」
というと原田は大声で笑う。
最後の別れ際、
「またな。」
と言って別れたから、また来なくちゃならない。
ゆうとはきっとこれっきりになれば自分を責める。
僕が何かしちゃったから、もう来てくれなくなったんだ、って。
「ねえ、富田。次剣道教えに行くとき、俺も連れて行ってくれよ。」
と頼むと、富田はビックリした顔をして、それでも
「ああ、構わないよ。」
と言ってくれた。
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