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happy birthday
ましろさんの面倒くささ
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「疾風、今日はサンキューな。」
ロッカールームで着替えていると真人が寄ってきた。
「何が?」
「お前のお陰で試合になった。」
「おう。」
通常運転に戻った真人からのパスはもちろん練習通りの慣れたもので、俺と北斗はたくさんコートを駆け抜けて、面白いくらいにシュートが決まった。
「お前でもキンチョーとかすんだな。」
「するさ。お前が異次元。」
「普通だろ?」
「…ああ、そうだな。」
「疾風!真人!反省会すっか?」
北斗の掛け声に
「する!!」
と2人で声を揃えて答えて。
…あっ、翠。
翠達は今日の午後にコンクールの本番を迎えてるはずだ。
さっき宿に着いて、すぐに音出し練習をして、ホールに向かっている頃かな?
携帯の電源を入れた。
その途端、続々とメッセージが届く。
…未読20件?誰だ?
たった3時間の間に。
ましろさんから…?
ざぁっと血の気がひく。
ましろさんからこんなに連絡があるなんて、翠に何かあったに違いない!!
「ごめん。」
みんなに断ってメッセージを開く。
「今翠は何をしてる?」
「翠の様子を教えてくれ!」
「なぜ連絡をしない!」
「本番までもう少ししかないぞ!」
…ましろさん、今広島にいないんだ。
そして翠に何かあったわけではなさそうだ。
「すみません、試合してました。
宿に着いて、リハーサルするから電源を切る、と11時に連絡がきたのが最後です。」
とメッセージを送った。
直ぐに着信。相手は当然ましろさんで、しかも通話。
「翠が!翠が連絡をくれない!!」
翠には良くある事。
電源を落として、忘れてそのまま。
本番が終わってしばらくすれば自然と電源が入る。
「集中したいんですよ、きっと。」
「…君にはメールしてる。」
「もう3時間も前にですよ。」
「俺には…ない。」
声だけでわかる。かなり焦っている感じがヒシヒシ伝わってくる。
…本当心配症なんだな。
「連絡が来たら教えますし、ましろさんの心配も伝えます。
すみません、俺まだ部活中なので…。」
「ああ、すまなかった。頼むよ。」
とましろさんは通話を切った。
…この時は。
みんなで「反省会」という名前でハンバーガーを食べて、ひとしきり喋って家に帰った。
…そろそろかな。
聞いていた予定では夕方最後の方の演奏。
そのままホールに残って結果を聞く。全員は残れず、顧問と部長と副部長、各パートリーダーくらいは残るかも…という話だった。
吹部はまだ3年が引退していないので、2年の翠は残らない。
宿に戻っているはずだ。
「試合勝ったよ。」
結果を催促するような事は…考えたくもないけれど、もしかしたら傷に塩を刷り込むことにもなりかねないから、こんなメッセージにした。
…既読は付かない。
まだか。
もう少し待ってみよう。
ロッカールームで着替えていると真人が寄ってきた。
「何が?」
「お前のお陰で試合になった。」
「おう。」
通常運転に戻った真人からのパスはもちろん練習通りの慣れたもので、俺と北斗はたくさんコートを駆け抜けて、面白いくらいにシュートが決まった。
「お前でもキンチョーとかすんだな。」
「するさ。お前が異次元。」
「普通だろ?」
「…ああ、そうだな。」
「疾風!真人!反省会すっか?」
北斗の掛け声に
「する!!」
と2人で声を揃えて答えて。
…あっ、翠。
翠達は今日の午後にコンクールの本番を迎えてるはずだ。
さっき宿に着いて、すぐに音出し練習をして、ホールに向かっている頃かな?
携帯の電源を入れた。
その途端、続々とメッセージが届く。
…未読20件?誰だ?
たった3時間の間に。
ましろさんから…?
ざぁっと血の気がひく。
ましろさんからこんなに連絡があるなんて、翠に何かあったに違いない!!
「ごめん。」
みんなに断ってメッセージを開く。
「今翠は何をしてる?」
「翠の様子を教えてくれ!」
「なぜ連絡をしない!」
「本番までもう少ししかないぞ!」
…ましろさん、今広島にいないんだ。
そして翠に何かあったわけではなさそうだ。
「すみません、試合してました。
宿に着いて、リハーサルするから電源を切る、と11時に連絡がきたのが最後です。」
とメッセージを送った。
直ぐに着信。相手は当然ましろさんで、しかも通話。
「翠が!翠が連絡をくれない!!」
翠には良くある事。
電源を落として、忘れてそのまま。
本番が終わってしばらくすれば自然と電源が入る。
「集中したいんですよ、きっと。」
「…君にはメールしてる。」
「もう3時間も前にですよ。」
「俺には…ない。」
声だけでわかる。かなり焦っている感じがヒシヒシ伝わってくる。
…本当心配症なんだな。
「連絡が来たら教えますし、ましろさんの心配も伝えます。
すみません、俺まだ部活中なので…。」
「ああ、すまなかった。頼むよ。」
とましろさんは通話を切った。
…この時は。
みんなで「反省会」という名前でハンバーガーを食べて、ひとしきり喋って家に帰った。
…そろそろかな。
聞いていた予定では夕方最後の方の演奏。
そのままホールに残って結果を聞く。全員は残れず、顧問と部長と副部長、各パートリーダーくらいは残るかも…という話だった。
吹部はまだ3年が引退していないので、2年の翠は残らない。
宿に戻っているはずだ。
「試合勝ったよ。」
結果を催促するような事は…考えたくもないけれど、もしかしたら傷に塩を刷り込むことにもなりかねないから、こんなメッセージにした。
…既読は付かない。
まだか。
もう少し待ってみよう。
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