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happy birthday
拒絶は甘え
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風呂上がりに髪の毛を乾かしていると、
「疾風、ずっと携帯鳴ってるわよ。」
と母さんが俺を呼びに来た。
うん、直ぐ行く、と髪を乾かすのをそこそこでやめて、携帯をチェックする。
「あっ、ましろさん。」
えッ?
結果だけ教えてくれ。
…翠、連絡してないんだ。
「金で、優秀校、だそうです…っと。」
口に出しながらメールを打って…
「送信!よしっ。」
飛行機のアイコンが飛んで消えるのを確認して、携帯を置いた。
「だれ?」
「翠のお父さん、結果教えてって。」
「…何の結果?」
母さんは怪訝そうに俺に尋ねる。
「翠の…。何で翠連絡しないんだろう?」
頑なにましろさんに連絡をしない翠はなんだか翠らしくない。
「あんた…ちゃんとやれてるの?」
「何を?」
「ぁあん?」
あれ?何で母さんの機嫌が悪くなるんだ?
「何を、じゃないでしょう?ちゃんと親御さんを心配させないようなお付き合い出来てるのか?ってこと!」
「…出来てると思うけど…。」
「思う、じゃダメ!」
そんなこと言われても…。
「ねえ母さん、何であんなに翠は親と連絡を取りたがらないんだと思う?」
思い切って聞いてみる。
親の事は親に聞けばいい。
母さんは…昔教員だったし、今の仕事は保育ママ。
たくさんの親子を見ているから、何かわかるかなぁ、っと。
無意識でスマホの電源を切ったままというのは、翠らしいからあんまり気にはならない。
だけど…。
その後ましろさんに翠から連絡入れた形跡はない。
「それだけ大切にされてるって事じゃない。」
事じゃない?ではなくて、じゃない。
親にとっては当たり前の感覚って事?
「親子の数だけ関係がある。本当色々よ。
子が親を疎ましく思うのは…束縛かな。過保護か無関心、両極端の事が多いわね。」
無関心じゃない、ましろさんは過干渉で過保護?
でも無関心で束縛?
「言っとくけど、子が疎ましく思うからそうだって事でも無いからね。」
「…よくわかんない。」
「例えば、歯を磨かない子に、「歯を磨け!」っていうのは過干渉じゃないでしょう?必要な声掛け。」
うん、それはわかる。
「でも、磨きたくない!面倒くさい!と思っている子は過干渉だと受け止める、あー、親って五月蝿いな、面倒だなって。」
…そう…かな?うん、そうな気がして来た。
「でね、親に「面倒だ、放っておいて!」って言えるのは、愛されてる事を自覚してる証拠。どんなに親を避けても押し退けても愛してくれると思ってる、要は甘え、ね。」
甘え…か。
「でもね、翠はそう人を拒絶するような子じゃない、と思うんだけど。」
「そうかな?」
いや、そうだろ。
翠は人の事は本当に悪くは言わないし、今だってたくさんの仲間が翠を大切に思っている。
「嫌いだから拒絶じゃなくて、踏み込まれたくないから拒絶っていうのもあると思うわ。
心当たりある?」
「…ある。」
ましろさんは言っていた。
貴行による嫌がらせ、吹部でのこと。
翠は、人間関係が上手く出来ていないと親に知られたくはなかった…のかも。
「翠ちゃんのお父さんは完璧主義?」
「…うーん、そんな感じは…しない、かな。」
「じゃあ、大丈夫よ。そのうちきっとわだかまりは消えるわ。」
ほら、ちゃんと髪乾かさないと風邪引くわよ、って、途中で呼んだのは母ちゃんじゃないか。
「疾風、ずっと携帯鳴ってるわよ。」
と母さんが俺を呼びに来た。
うん、直ぐ行く、と髪を乾かすのをそこそこでやめて、携帯をチェックする。
「あっ、ましろさん。」
えッ?
結果だけ教えてくれ。
…翠、連絡してないんだ。
「金で、優秀校、だそうです…っと。」
口に出しながらメールを打って…
「送信!よしっ。」
飛行機のアイコンが飛んで消えるのを確認して、携帯を置いた。
「だれ?」
「翠のお父さん、結果教えてって。」
「…何の結果?」
母さんは怪訝そうに俺に尋ねる。
「翠の…。何で翠連絡しないんだろう?」
頑なにましろさんに連絡をしない翠はなんだか翠らしくない。
「あんた…ちゃんとやれてるの?」
「何を?」
「ぁあん?」
あれ?何で母さんの機嫌が悪くなるんだ?
「何を、じゃないでしょう?ちゃんと親御さんを心配させないようなお付き合い出来てるのか?ってこと!」
「…出来てると思うけど…。」
「思う、じゃダメ!」
そんなこと言われても…。
「ねえ母さん、何であんなに翠は親と連絡を取りたがらないんだと思う?」
思い切って聞いてみる。
親の事は親に聞けばいい。
母さんは…昔教員だったし、今の仕事は保育ママ。
たくさんの親子を見ているから、何かわかるかなぁ、っと。
無意識でスマホの電源を切ったままというのは、翠らしいからあんまり気にはならない。
だけど…。
その後ましろさんに翠から連絡入れた形跡はない。
「それだけ大切にされてるって事じゃない。」
事じゃない?ではなくて、じゃない。
親にとっては当たり前の感覚って事?
「親子の数だけ関係がある。本当色々よ。
子が親を疎ましく思うのは…束縛かな。過保護か無関心、両極端の事が多いわね。」
無関心じゃない、ましろさんは過干渉で過保護?
でも無関心で束縛?
「言っとくけど、子が疎ましく思うからそうだって事でも無いからね。」
「…よくわかんない。」
「例えば、歯を磨かない子に、「歯を磨け!」っていうのは過干渉じゃないでしょう?必要な声掛け。」
うん、それはわかる。
「でも、磨きたくない!面倒くさい!と思っている子は過干渉だと受け止める、あー、親って五月蝿いな、面倒だなって。」
…そう…かな?うん、そうな気がして来た。
「でね、親に「面倒だ、放っておいて!」って言えるのは、愛されてる事を自覚してる証拠。どんなに親を避けても押し退けても愛してくれると思ってる、要は甘え、ね。」
甘え…か。
「でもね、翠はそう人を拒絶するような子じゃない、と思うんだけど。」
「そうかな?」
いや、そうだろ。
翠は人の事は本当に悪くは言わないし、今だってたくさんの仲間が翠を大切に思っている。
「嫌いだから拒絶じゃなくて、踏み込まれたくないから拒絶っていうのもあると思うわ。
心当たりある?」
「…ある。」
ましろさんは言っていた。
貴行による嫌がらせ、吹部でのこと。
翠は、人間関係が上手く出来ていないと親に知られたくはなかった…のかも。
「翠ちゃんのお父さんは完璧主義?」
「…うーん、そんな感じは…しない、かな。」
「じゃあ、大丈夫よ。そのうちきっとわだかまりは消えるわ。」
ほら、ちゃんと髪乾かさないと風邪引くわよ、って、途中で呼んだのは母ちゃんじゃないか。
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