若松2D協奏曲

枝豆

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球技大会

実行委員

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吹奏楽部はほとんどの行事を「吹奏楽部員」として拘束される。

殆どの、全てじゃない。
ただのクラスの一員として参加できる行事のひとつが「球技大会」

だから私は早々に球技大会の実行委員に立候補を決めた。

「狡い…。俺だってやりたい。」
と疾風くんが拗ねている。

いつもとは逆。
バレーボール部、バスケットボール部は種目の審判をしなければならないので、係と実行委員は「免除」される。

「免除しないで良いのに…。バスケには出られないし、最悪。」
だそうだ。

去年、疾風くんはバレーボールに皇子くんと出て、1年生なのに優勝した。しばらくはバレーボール部からの勧誘もあったと聞く。

「今年は?またバレーボール?」
とニヤニヤしながら聞いてあげる。
「バレーも出るけど、今年はハンドボールも。」
と嬉しそうだ。

体育館で行われるバレーボールとバスケットボールは天候に左右されない為、実施すると決まっている。
「外競技」を1種目、実行委員が選定する。
去年はサッカーで、入学前の種目はソフトボールだったと聞いている。
雨天時は武道場で出来る卓球と決められている。

北斗くんやクミちゃん達バスケ部が必死で実行委員に「ハンドボール」を訴えてきていた。
同じく実行委員になった悠太くんは、
「俺達が決めるんじゃない!多数決!」
と一旦は退けたんだけど。

若松のクラス編成は少人数でひとクラス36人を基本にしている。
男女の比率は半々、バスケットで5人、バレーボールで6人、去年はサッカーで11人。
人数オーバーする為に掛け持ちになる子が数名。更に審判や係…。割と忙しくしてる子が多い。

試合時間が重なって、審判が途中で変わったり、予定のない種目に出る羽目になったり、色々大変だったそうだ。

「サッカーの11人は無謀だった、よって今年はサッカーは辞めておけ。」
体育の津山先生からのアドバイスで、実行委員が種目をバレーボール、バスケットボール、ハンドボールに決めた。

ソフトボールや晴れでも卓球という案も出たし、ドッヂボールやキックベースといった懐かしい競技も出たんだけど。

なんやかんやでハンドボールになったのは、どのクラスの実行委員の子もバスケ部からの根回しがあったみたい。

バスケ部から見ると、似たような種目らしく、バスケ部はバスケットには出られないシバリが覆らないのならば…という事らしい。

「やりたいならやらせてあげれば?」
なんて悠太くんの後押しもあって、実行委員会が決めた。






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