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幸せにならなくては
皇子様に相応しいのは私よ
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それから暫く経ち2週間後。
シャルロとエルファが結婚して1ヶ月を過ぎようとしていた。
相変わらずの距離のまま過ごしているシャルロとエルファ。
そろそろ、公務にも一緒に来てほしいとシャルロが声をかけるが、エルファは遠慮しますと言って一緒には来てくれない。
無理に進めてもいけないと、シャルロは強引に連れて行く事はしなかった。
あれからフィーネから連絡はない。
だが、いつフィーネから連絡がありお金を要求されるか判らないとエルファは内心びくびくしていた。
そんな日の中だった。
「国王様、失礼します」
ビシッと黒スーツに身を包んた執事が、ジュニアールの下にやって来た。
現在の執事は、ブッドルからリュディーと言う男性に変わった。
さすがにブッドルも70代後半になると、体の老いを感じ新しい執事をと思い若い執事を雇った。
当時30代だったリュディーだったが、貴族の館で執事をやっていた経験も覚える事も早く、ブッドルについて5年もするとベテランレベルになってくれた。
安心して引退したブッドルは、現在80歳を超えてお城から用意された一軒家でのんびり過ごしている。
リューディーは、ブッドルとはまた違いとても優しく物腰が低い勘の鋭い執事である。
「国王様。エルファ様の妹様と名乗られる方がいらっしゃっております」
「エルファの妹? 」
「はい。長い間、病院に閉じ込められていて毛婚式には出席させてもらえなかったと仰られております」
ん?…何となく変な感じがする…。
そう思ったジュニアール。
「とりあえず、サロンに通して下さい。お話を伺います」
「畏まりました」
1階にある大きなサロン。
ここはお客様を招いて食事会をしたり、お茶会をしたり、ちょっとしたパーティなどを行う場所で、広い空間が広がり、ホテルの宴会籍の様にいくつもテーブル席と椅子が置いてある。
日頃は食事をする時に使われている。
入り口近くのテーブル席に座っているフィーネがいる。
派手な赤いワンピースに黒いレースのカーティガンに、赤いハイヒール姿で、まるでホステスのような化粧をしている姿はお城に入るには相応しくない姿である。
ジュニアールがやって来ると、フィーネはニヤっと笑って立ち上がった。
「国王様、初めまして。私、エルファの妹フィーネと申します」
気味が悪い笑みを浮かべて挨拶をするフィーネ。
「初めまして、ジュニアールです。エルファさんに、妹様がいらっしゃったとは初めてお聞きしました」
向かい合わせに座ると、フィーネはワザとらしい寂しそうな目を浮かべた。
「私、姉のエルファには酷い仕打ちを受けておりました。国王様、皇子様と結婚するのは本当は私だったのです」
「え? 」
「私、皇子様と結婚が決まってとっても嬉しかったのです。姉のエルファが、嫉妬して酷い事を仕掛けて来ないようにと父が皇子様との結婚を申し込んでくれました。でも…姉のエルファは、結婚式直前になり。私の事を無理やり、病院へ入れたのです。どこも悪くないのに、頭がおかしと言って…。もう、怖くて…やっとの思いで、抜け出してきました…」
泣きそうな目をしてフィーネはジュニアールを見つめた。
目と目が合ったジュニアールは、ゾクっとしてして視線を反らした。
泣きそうな目をしながら、その奥の瞳は凍り付くような冷たい瞳をしている。
まるで全てを恨んで呪っているような恐ろしさを感じた。
「国王様。本来皇子様と結婚するのは私なのです。だから、今すぐ姉のエルファを追い出して下さい。あの人が次の王妃になったら、この国は大変ですよ」
ジュニアールは一息ついて、フィーネを見た。
「申し訳ありません。エルファさんの事は、父君であられるペリロッドさんから頼まれておりますので。貴女のいう事を、鵜呑みにしてしまうことはできません。なので、一度ペリロッドさんに確認をしてからどうするのかを決めます。それまで、お時間を頂きたいと思います」
泣きそうな目をしていたフィーネの目が、ギロっと恐ろしく吊り上がった。
「では国王様は、私にまた無理やり病院に戻れと仰るのですか? 」
「いいえ、そうは言っておりません。こうして、病院を抜け出されていらっしゃるという事は。どこかに、身を寄せていらっしゃると思いますので。暫く、そちらでお待ち頂きたいのです」
気に入らない…そう言わないばかりの目をしているフィーネだが…。
「判りました。それでは、国王様の言う通りに致しますので姉のエルファに会わせて頂けますか? 」
「エルファさんに? 何故です? 」
「滞在するにも、生活費が必要です。私、姉のエルファには生活費をもらう義務があるのです。ですから、それを受け取らないと滞在する事も出来ませんから」
ん? 話が矛盾している…。
そう思ったジュニアールだが…。
「判りました。…しばらくお待ちください」
席を立ち、ジュニアールはリューディーの傍に歩み寄って行った。
リューディーの耳元で何かを話しているジュニアールを、フィーネは見下した目で見ていた。
あんな女より、皇子様に相応しいのは私よ。
勝手に結婚なんて決めて…この王室も、国の財産の全て私が奪ってあげるわ。
私は…幸せにならなくてはならないのだから…
その為にはお金が必要なの!
フィーネがそう思っていると、ジュニアールが戻って来た。
「暫くお待ち下さい。エルファさんに連絡をしておりますので」
「そう…」
不服そうな顔をしてフィーネは、鞄から煙草を取り出してライターで火をつけて吸い始めた。
お城のサロンで断りもなく勝手にタバコを吸いだすとは呆れたものだ。
席を外して外に出て吸うならまだしも、断りもしないで吸い始めるとは…
ジュニアールは呆れて言葉を失っていた。
待つ事1時間弱。
フィーネはヘビースモーカーの様に、ずっとタバコを吸い続けていた。
ジュニアールは窓際に避難して、たばこの匂いから逃げていた。
リューディが戻ってきて、ジュニアールに報告された事は…。
「お待たせしました」
ジュニアールが戻って来ると、フィーネは見下した目で見上げた。
「貴女の発言を元に、事実を確認致しました」
ふ~ん…と、バカにしたような目をしているフィーネに、ジュニアールはちょっと厳し目を向けた。
「先ず父君であられるペリロッドさんより、結婚相手は貴女ではなくエルファさんを初めから申しでられていたそうです」
ピクッと、フィーネの片目が動いた。
「それから、貴女を病院へ入院させたのはペリロッドさんでありエルファさんではないと。病院側からの証言も、得られました」
「そうですか…」
一瞬、しおらしい表情を浮かべたフィーネだが…。
鞄の中に手を忍ばせて、口元でニヤッと笑いを浮かべた。
「…私は、何も悪くない…どこも悪くない…。皇子様に相応しいのは、この私よ! 」
キラッと光るものが取り出された。
シュッと光るものが振り降ろされた瞬間!
ガツン! と、フィーネの手首に衝撃を与えたリューディ。
カラン…。
床にメスのような物が落ちてきた。
「邪魔するな! 」
豹変して、恐ろしい表情になったふぃーねは、今度は鞄からナイフを取り出してリューディに突き付けた。
サッと、リューディはジュニアールの前に立ちふさがった。
「国王様、お逃げ下さい。ここは私に、お任せ下さい」
「判りました」
ジュニアールは急ぎ足でサロンを出て行った。
「待ちなさい! 」
ナイフを持って追いかけようとしたフィーネを、リューディが捕まえた。
ギロっとリューディを睨みつけたフィーネは、持っていたナイフでリューディの太ももを刺した!
「うっ…」
苦痛な声を漏らしたリューディだったが、フィーネを捕まえている力は緩めなかった。
「邪魔するな! 皇子様に相応しいのは、この私。あんな女じゃない! 」
叫んでもがくフィーネをリューディは床に押さえつけた。
「離せ! 離せ! 」
押さえつけられたフィーネが暴れだすと、数名の兵士が駆けつけてきた。
兵士はそのままフィーネに駆け寄り、押さえつけた。
「離せ! 皇子様に相応しいのは、この私! 邪魔するなら、みんな殺す! 」
兵士に捉えられたフィーネは、両手を縛られ動けなくなると詩をバタバタさせて蹴りをいれようとしたが全て交わされてしまった。
「大人しくしろ! 」
暴れるフィーネの両足も縛り付け、兵士たちはフィーネを連れて行った。
リューディはホッと胸をなでおろした。
間もなくして。
病院からフィーネを連れ戻すために、お城に数名の医師と看護師がやって来た。
傷害も加わっているため、このまま警察病へとフィーネは運ばれることになった。
エルファはこの日は、強制的にシャルロが公務に連れ出していた為お城にはいなかった。
フィーネが連れていかれ、ジュニアールはリューディを病院へ連れて行き怪我の処置をしてもらった。
幸い傷は浅く、数週間程度で完治できそうだと診断された。
しかし無理はしてはいけないと、数日は執事の仕事を休むようにジュニアールは言ったが、それほど無理ではないと言ってリューディは休む事を拒否していた。
エルファが帰って来たのは夜になった頃だった。
フィーネの一件を聞いて、エルファは酷くショックを受けリューディにひたすら謝っていた。
「エルファ様、どうかお気になさらないで下さい。エルファ様がご無事で、何よりです」
リューディは優しい言葉をかけてくれた。
フィーネがいお城まで押しかけて来たとは…。
お金は要求のまま渡したのに…
あの時、病院に通報しておけばこんな騒動は起こらなかったかもしれない。
エルファは自分を責めずにはいられなかった。
「今日は、一緒に公務に出かけていた正解でしたね」
シャルロはそう言ってくれるが、妹であるフィーネがとんでもない迷惑をかけた事は代わりない。
そう思ったエルファ… …。
シャルロとエルファが結婚して1ヶ月を過ぎようとしていた。
相変わらずの距離のまま過ごしているシャルロとエルファ。
そろそろ、公務にも一緒に来てほしいとシャルロが声をかけるが、エルファは遠慮しますと言って一緒には来てくれない。
無理に進めてもいけないと、シャルロは強引に連れて行く事はしなかった。
あれからフィーネから連絡はない。
だが、いつフィーネから連絡がありお金を要求されるか判らないとエルファは内心びくびくしていた。
そんな日の中だった。
「国王様、失礼します」
ビシッと黒スーツに身を包んた執事が、ジュニアールの下にやって来た。
現在の執事は、ブッドルからリュディーと言う男性に変わった。
さすがにブッドルも70代後半になると、体の老いを感じ新しい執事をと思い若い執事を雇った。
当時30代だったリュディーだったが、貴族の館で執事をやっていた経験も覚える事も早く、ブッドルについて5年もするとベテランレベルになってくれた。
安心して引退したブッドルは、現在80歳を超えてお城から用意された一軒家でのんびり過ごしている。
リューディーは、ブッドルとはまた違いとても優しく物腰が低い勘の鋭い執事である。
「国王様。エルファ様の妹様と名乗られる方がいらっしゃっております」
「エルファの妹? 」
「はい。長い間、病院に閉じ込められていて毛婚式には出席させてもらえなかったと仰られております」
ん?…何となく変な感じがする…。
そう思ったジュニアール。
「とりあえず、サロンに通して下さい。お話を伺います」
「畏まりました」
1階にある大きなサロン。
ここはお客様を招いて食事会をしたり、お茶会をしたり、ちょっとしたパーティなどを行う場所で、広い空間が広がり、ホテルの宴会籍の様にいくつもテーブル席と椅子が置いてある。
日頃は食事をする時に使われている。
入り口近くのテーブル席に座っているフィーネがいる。
派手な赤いワンピースに黒いレースのカーティガンに、赤いハイヒール姿で、まるでホステスのような化粧をしている姿はお城に入るには相応しくない姿である。
ジュニアールがやって来ると、フィーネはニヤっと笑って立ち上がった。
「国王様、初めまして。私、エルファの妹フィーネと申します」
気味が悪い笑みを浮かべて挨拶をするフィーネ。
「初めまして、ジュニアールです。エルファさんに、妹様がいらっしゃったとは初めてお聞きしました」
向かい合わせに座ると、フィーネはワザとらしい寂しそうな目を浮かべた。
「私、姉のエルファには酷い仕打ちを受けておりました。国王様、皇子様と結婚するのは本当は私だったのです」
「え? 」
「私、皇子様と結婚が決まってとっても嬉しかったのです。姉のエルファが、嫉妬して酷い事を仕掛けて来ないようにと父が皇子様との結婚を申し込んでくれました。でも…姉のエルファは、結婚式直前になり。私の事を無理やり、病院へ入れたのです。どこも悪くないのに、頭がおかしと言って…。もう、怖くて…やっとの思いで、抜け出してきました…」
泣きそうな目をしてフィーネはジュニアールを見つめた。
目と目が合ったジュニアールは、ゾクっとしてして視線を反らした。
泣きそうな目をしながら、その奥の瞳は凍り付くような冷たい瞳をしている。
まるで全てを恨んで呪っているような恐ろしさを感じた。
「国王様。本来皇子様と結婚するのは私なのです。だから、今すぐ姉のエルファを追い出して下さい。あの人が次の王妃になったら、この国は大変ですよ」
ジュニアールは一息ついて、フィーネを見た。
「申し訳ありません。エルファさんの事は、父君であられるペリロッドさんから頼まれておりますので。貴女のいう事を、鵜呑みにしてしまうことはできません。なので、一度ペリロッドさんに確認をしてからどうするのかを決めます。それまで、お時間を頂きたいと思います」
泣きそうな目をしていたフィーネの目が、ギロっと恐ろしく吊り上がった。
「では国王様は、私にまた無理やり病院に戻れと仰るのですか? 」
「いいえ、そうは言っておりません。こうして、病院を抜け出されていらっしゃるという事は。どこかに、身を寄せていらっしゃると思いますので。暫く、そちらでお待ち頂きたいのです」
気に入らない…そう言わないばかりの目をしているフィーネだが…。
「判りました。それでは、国王様の言う通りに致しますので姉のエルファに会わせて頂けますか? 」
「エルファさんに? 何故です? 」
「滞在するにも、生活費が必要です。私、姉のエルファには生活費をもらう義務があるのです。ですから、それを受け取らないと滞在する事も出来ませんから」
ん? 話が矛盾している…。
そう思ったジュニアールだが…。
「判りました。…しばらくお待ちください」
席を立ち、ジュニアールはリューディーの傍に歩み寄って行った。
リューディーの耳元で何かを話しているジュニアールを、フィーネは見下した目で見ていた。
あんな女より、皇子様に相応しいのは私よ。
勝手に結婚なんて決めて…この王室も、国の財産の全て私が奪ってあげるわ。
私は…幸せにならなくてはならないのだから…
その為にはお金が必要なの!
フィーネがそう思っていると、ジュニアールが戻って来た。
「暫くお待ち下さい。エルファさんに連絡をしておりますので」
「そう…」
不服そうな顔をしてフィーネは、鞄から煙草を取り出してライターで火をつけて吸い始めた。
お城のサロンで断りもなく勝手にタバコを吸いだすとは呆れたものだ。
席を外して外に出て吸うならまだしも、断りもしないで吸い始めるとは…
ジュニアールは呆れて言葉を失っていた。
待つ事1時間弱。
フィーネはヘビースモーカーの様に、ずっとタバコを吸い続けていた。
ジュニアールは窓際に避難して、たばこの匂いから逃げていた。
リューディが戻ってきて、ジュニアールに報告された事は…。
「お待たせしました」
ジュニアールが戻って来ると、フィーネは見下した目で見上げた。
「貴女の発言を元に、事実を確認致しました」
ふ~ん…と、バカにしたような目をしているフィーネに、ジュニアールはちょっと厳し目を向けた。
「先ず父君であられるペリロッドさんより、結婚相手は貴女ではなくエルファさんを初めから申しでられていたそうです」
ピクッと、フィーネの片目が動いた。
「それから、貴女を病院へ入院させたのはペリロッドさんでありエルファさんではないと。病院側からの証言も、得られました」
「そうですか…」
一瞬、しおらしい表情を浮かべたフィーネだが…。
鞄の中に手を忍ばせて、口元でニヤッと笑いを浮かべた。
「…私は、何も悪くない…どこも悪くない…。皇子様に相応しいのは、この私よ! 」
キラッと光るものが取り出された。
シュッと光るものが振り降ろされた瞬間!
ガツン! と、フィーネの手首に衝撃を与えたリューディ。
カラン…。
床にメスのような物が落ちてきた。
「邪魔するな! 」
豹変して、恐ろしい表情になったふぃーねは、今度は鞄からナイフを取り出してリューディに突き付けた。
サッと、リューディはジュニアールの前に立ちふさがった。
「国王様、お逃げ下さい。ここは私に、お任せ下さい」
「判りました」
ジュニアールは急ぎ足でサロンを出て行った。
「待ちなさい! 」
ナイフを持って追いかけようとしたフィーネを、リューディが捕まえた。
ギロっとリューディを睨みつけたフィーネは、持っていたナイフでリューディの太ももを刺した!
「うっ…」
苦痛な声を漏らしたリューディだったが、フィーネを捕まえている力は緩めなかった。
「邪魔するな! 皇子様に相応しいのは、この私。あんな女じゃない! 」
叫んでもがくフィーネをリューディは床に押さえつけた。
「離せ! 離せ! 」
押さえつけられたフィーネが暴れだすと、数名の兵士が駆けつけてきた。
兵士はそのままフィーネに駆け寄り、押さえつけた。
「離せ! 皇子様に相応しいのは、この私! 邪魔するなら、みんな殺す! 」
兵士に捉えられたフィーネは、両手を縛られ動けなくなると詩をバタバタさせて蹴りをいれようとしたが全て交わされてしまった。
「大人しくしろ! 」
暴れるフィーネの両足も縛り付け、兵士たちはフィーネを連れて行った。
リューディはホッと胸をなでおろした。
間もなくして。
病院からフィーネを連れ戻すために、お城に数名の医師と看護師がやって来た。
傷害も加わっているため、このまま警察病へとフィーネは運ばれることになった。
エルファはこの日は、強制的にシャルロが公務に連れ出していた為お城にはいなかった。
フィーネが連れていかれ、ジュニアールはリューディを病院へ連れて行き怪我の処置をしてもらった。
幸い傷は浅く、数週間程度で完治できそうだと診断された。
しかし無理はしてはいけないと、数日は執事の仕事を休むようにジュニアールは言ったが、それほど無理ではないと言ってリューディは休む事を拒否していた。
エルファが帰って来たのは夜になった頃だった。
フィーネの一件を聞いて、エルファは酷くショックを受けリューディにひたすら謝っていた。
「エルファ様、どうかお気になさらないで下さい。エルファ様がご無事で、何よりです」
リューディは優しい言葉をかけてくれた。
フィーネがいお城まで押しかけて来たとは…。
お金は要求のまま渡したのに…
あの時、病院に通報しておけばこんな騒動は起こらなかったかもしれない。
エルファは自分を責めずにはいられなかった。
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