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列車の旅は眠くなりますよね
第30話 客席 (アカシア)
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最初に魔術研究会の先輩方が乗り込み、その後に私たちも乗り込みます。ウォールが、全員が間違いなく乗車したのを確認して、最後に自分も乗車しました。
客室に入ると、魔道列車の客席は、中央の通路を挟んで左右に4人掛けのボックス席が並んでいました。
私たちが乗り込んだ時には、既に、魔術研究会の先輩方は、四人で一つのボックスに座っていました。
そうなると、私とウォールとエンジュとカリンさんの四人で隣のボックスに座ることになります。
さて、ここで問題になるのが、誰がウォールの隣に座るかです。
「ウォール、窓際の奥にどうぞ。私も、窓際がいいかしら! エンジュ様はウォールの隣でよろしいですか?」
「いえいえ、お兄様の隣はアカシアお姉様が座るべきですよ。婚約者なのですから!」
折角、私がエンジュにウォールの隣を譲ったのに! 素直に座れ! このブラコン!!
「いえ、妹である、エンジュ様が座るべきですわ!」
「いえいえ、お姉様が――」
「二人ともそんなに僕の隣が嫌なのか?」
いえ、ウォール、そうじゃないのよ! ここは、女同士の駆け引きなのですわ!
「それでしたら私が……」
ちょっとカリンさん、なんであんたがウォールの隣に座ろうとしているのよ!!
「カリンさんは、ここに座りましょうね!」
「そうね。それがいいと思いますわ!」
私とエンジュでカリンさんに、ウォールの斜向かいの席を勧めます。
「あ、いえ、私は別のボックスに行こうかと……」
そんなことしたら、ウォールの隣が空席になっちゃうじゃない。そんなの駄目ですわ!
「そんな気を使わなくていいのよ!」
「そうそう、親睦も目的なんだから、一人離れては駄目よ」
「はー。では、こちらに失礼します」
カリンさんは、仕方がないといった感じで、私たちが勧めた席に座りました。
「ではエンジュ様、ウォールの隣をどうぞ」
「いえいえ、お姉様こそどうぞ」
エンジュとお互い笑顔で席を譲り合います。
「そこまで、嫌がらなくてもいいじゃないか――。他のお客さんの迷惑になるから、ジャンケンで負けた方が隣に座れば?」
いや、別に、嫌がっているわけではないのですけどね。
お兄ちゃん大好き娘に、後で恨まれないように、遠慮しているだけですわ。
それにしても、相変わらず、ウォールは自己評価が低いですわね。
「お兄様がそういうなら仕方ないですね。では、ジャンケンをしましょう」
「ジャンケンですね。わかりましたわ!」
二人でジャンケンをし、結局、ジャンケンに負けた私がウォールの隣に座ることになりました。
よく考えると、私はエンジュにジャンケンで勝ったことがありません。
エンジュは、記憶術、社交術の素質がランク4です。もしかして、私が出す手は分析されているのでしょうか?
少し考え過ぎですかね?
もしかすると、ウォールも私がジャンケンで負けるのを知っていて、ジャンケンを提案したのでは?
だとすると、私に隣に座って欲しかったのかしら?
それこそ考えすぎですわね――。
座席も決まり、私達は発車の時刻を待ちます。
暫くすると、ベルが鳴り、魔導列車はゆっくりと動き出します。
さて、列車が走り出すと、この連休中にウォールと婚約破棄できるだけの何かを見つけるために参加した旅行ですが、そんなこと忘れてウキウキしてきますね。
ですが、気を引き締めて、ウォールとカリンさんの関係にも目を光らせないといけませんね。
車窓から外を見るふりをしながら、ウォールを見て、私は気合を入れ直すのでした。
客室に入ると、魔道列車の客席は、中央の通路を挟んで左右に4人掛けのボックス席が並んでいました。
私たちが乗り込んだ時には、既に、魔術研究会の先輩方は、四人で一つのボックスに座っていました。
そうなると、私とウォールとエンジュとカリンさんの四人で隣のボックスに座ることになります。
さて、ここで問題になるのが、誰がウォールの隣に座るかです。
「ウォール、窓際の奥にどうぞ。私も、窓際がいいかしら! エンジュ様はウォールの隣でよろしいですか?」
「いえいえ、お兄様の隣はアカシアお姉様が座るべきですよ。婚約者なのですから!」
折角、私がエンジュにウォールの隣を譲ったのに! 素直に座れ! このブラコン!!
「いえ、妹である、エンジュ様が座るべきですわ!」
「いえいえ、お姉様が――」
「二人ともそんなに僕の隣が嫌なのか?」
いえ、ウォール、そうじゃないのよ! ここは、女同士の駆け引きなのですわ!
「それでしたら私が……」
ちょっとカリンさん、なんであんたがウォールの隣に座ろうとしているのよ!!
「カリンさんは、ここに座りましょうね!」
「そうね。それがいいと思いますわ!」
私とエンジュでカリンさんに、ウォールの斜向かいの席を勧めます。
「あ、いえ、私は別のボックスに行こうかと……」
そんなことしたら、ウォールの隣が空席になっちゃうじゃない。そんなの駄目ですわ!
「そんな気を使わなくていいのよ!」
「そうそう、親睦も目的なんだから、一人離れては駄目よ」
「はー。では、こちらに失礼します」
カリンさんは、仕方がないといった感じで、私たちが勧めた席に座りました。
「ではエンジュ様、ウォールの隣をどうぞ」
「いえいえ、お姉様こそどうぞ」
エンジュとお互い笑顔で席を譲り合います。
「そこまで、嫌がらなくてもいいじゃないか――。他のお客さんの迷惑になるから、ジャンケンで負けた方が隣に座れば?」
いや、別に、嫌がっているわけではないのですけどね。
お兄ちゃん大好き娘に、後で恨まれないように、遠慮しているだけですわ。
それにしても、相変わらず、ウォールは自己評価が低いですわね。
「お兄様がそういうなら仕方ないですね。では、ジャンケンをしましょう」
「ジャンケンですね。わかりましたわ!」
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少し考え過ぎですかね?
もしかすると、ウォールも私がジャンケンで負けるのを知っていて、ジャンケンを提案したのでは?
だとすると、私に隣に座って欲しかったのかしら?
それこそ考えすぎですわね――。
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暫くすると、ベルが鳴り、魔導列車はゆっくりと動き出します。
さて、列車が走り出すと、この連休中にウォールと婚約破棄できるだけの何かを見つけるために参加した旅行ですが、そんなこと忘れてウキウキしてきますね。
ですが、気を引き締めて、ウォールとカリンさんの関係にも目を光らせないといけませんね。
車窓から外を見るふりをしながら、ウォールを見て、私は気合を入れ直すのでした。
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