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いよいよ大詰めです
第50話 撲滅 (ウォール)
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救護所で重傷者を治療していった結果、カリンさんは『聖女』と、俺は『大賢者』と呼ばれ、みんなに感謝された。
しかし、俺は浮かれてはいられなかった。
それを見ていたアカシアは、苦虫を噛み潰したような顔をして、より一層機嫌を悪くしていたのだ。
だいたい、この救護所に来る時、アカシアには感染のリスクがあるため、王都の屋敷に行くように促したのだが、聞き入れてもらえなかった。
まあ、俺と一緒にいるかぎり、感染してもすぐに治療できるので、安全ではあるのだが、不用意に周りをうろちょろされるのは、気が散るのでやめてもらいたいところだ。
アカシアのことは気になったが、俺たちは夕方まで治療を続け、とりあえず、その場にいた重症者の治療を終えた。
「ご苦労だったな」
「殿下! ここは感染の危険があります」
治療を終えたところで、ローレル殿下が、自ら救護所に出向いて、こちらに声をかけてきた。
「治療のための魔法があるなら大丈夫だ。そうだろう、ウォール」
「それは、そうですが……」
「それより、その魔法は、治療だけでなく、感染自体を抑えることもできるのだよな」
「感染を抑えるというか、感染源の病原菌を死滅させる魔法です」
「それなら、その魔法を王都全体にかけることはできないか?」
「広域魔法ですか。王都全体となると僕一人では無理ですが……」
「現状、感染者が毎日、倍々で増えている」
「つまり、明日は今日治療した数の倍近い重症者がここに運び込まれると」
「明後日には四倍だ。元を断たないことには、重傷者の治療が追いつかなくなるのは目に見えている」
「そうですね……」
「一人で無理なら、みんなでやればどうですか?」
「カリンさん!」
殿下との話を側で聞いていたカリンさんが、提案してきた。
本来なら、殿下との話に割り込むのは失礼なのだが……。
「そうですよ。僕たちでも少しは力になれると思います」
「ネズコ君も……」
カリンさんだけでなく、ネズコ君も許可なく話に混ざってきた。
本当は、まずいのだが、事態は切迫しているし、殿下も気にしている様子が無いから、仕方がないか。
「そうだな、魔術研究会のメンバー六人が力を合わせれば王都全体をカバーできるかもしれないな」
俺の発言を聞いて、カリンさんとネズコ君は嬉しそうに顔をほころばせた。
「それじゃあウォール、その方向で検討してくれ。できるだけ早い方がいい」
「わかりました。急いで検討します」
話し合いの結果、翌朝には、魔術研究会のメンバー六人で王都を囲み、大規模連携魔法により、王都全体の病原菌を死滅させることになった。
そして、翌朝、いろいろと準備不足で心配であったが、呆気ないほど簡単に魔法の発動に成功し、王都に蔓延する病原菌は撲滅されたのだった。
俺たちは、王都の危機を救った救世主として、もてはやされることになった。
特に、聖女のカリンさんと、大賢者の俺は、お似合いのカップルだと囃し立てられた。
強く否定して、その場の雰囲気を悪くしたくない俺は、苦笑いをするしかなかった。
もちろん、それにアカシアがいい顔をするはずがなかった。
余談であるが、その数日後、某伯爵邸で屋敷の者全員が亡くなっていたのが発見された。
原因は、王都で流行ったのと同じ病によるものだった。
しかし、俺は浮かれてはいられなかった。
それを見ていたアカシアは、苦虫を噛み潰したような顔をして、より一層機嫌を悪くしていたのだ。
だいたい、この救護所に来る時、アカシアには感染のリスクがあるため、王都の屋敷に行くように促したのだが、聞き入れてもらえなかった。
まあ、俺と一緒にいるかぎり、感染してもすぐに治療できるので、安全ではあるのだが、不用意に周りをうろちょろされるのは、気が散るのでやめてもらいたいところだ。
アカシアのことは気になったが、俺たちは夕方まで治療を続け、とりあえず、その場にいた重症者の治療を終えた。
「ご苦労だったな」
「殿下! ここは感染の危険があります」
治療を終えたところで、ローレル殿下が、自ら救護所に出向いて、こちらに声をかけてきた。
「治療のための魔法があるなら大丈夫だ。そうだろう、ウォール」
「それは、そうですが……」
「それより、その魔法は、治療だけでなく、感染自体を抑えることもできるのだよな」
「感染を抑えるというか、感染源の病原菌を死滅させる魔法です」
「それなら、その魔法を王都全体にかけることはできないか?」
「広域魔法ですか。王都全体となると僕一人では無理ですが……」
「現状、感染者が毎日、倍々で増えている」
「つまり、明日は今日治療した数の倍近い重症者がここに運び込まれると」
「明後日には四倍だ。元を断たないことには、重傷者の治療が追いつかなくなるのは目に見えている」
「そうですね……」
「一人で無理なら、みんなでやればどうですか?」
「カリンさん!」
殿下との話を側で聞いていたカリンさんが、提案してきた。
本来なら、殿下との話に割り込むのは失礼なのだが……。
「そうですよ。僕たちでも少しは力になれると思います」
「ネズコ君も……」
カリンさんだけでなく、ネズコ君も許可なく話に混ざってきた。
本当は、まずいのだが、事態は切迫しているし、殿下も気にしている様子が無いから、仕方がないか。
「そうだな、魔術研究会のメンバー六人が力を合わせれば王都全体をカバーできるかもしれないな」
俺の発言を聞いて、カリンさんとネズコ君は嬉しそうに顔をほころばせた。
「それじゃあウォール、その方向で検討してくれ。できるだけ早い方がいい」
「わかりました。急いで検討します」
話し合いの結果、翌朝には、魔術研究会のメンバー六人で王都を囲み、大規模連携魔法により、王都全体の病原菌を死滅させることになった。
そして、翌朝、いろいろと準備不足で心配であったが、呆気ないほど簡単に魔法の発動に成功し、王都に蔓延する病原菌は撲滅されたのだった。
俺たちは、王都の危機を救った救世主として、もてはやされることになった。
特に、聖女のカリンさんと、大賢者の俺は、お似合いのカップルだと囃し立てられた。
強く否定して、その場の雰囲気を悪くしたくない俺は、苦笑いをするしかなかった。
もちろん、それにアカシアがいい顔をするはずがなかった。
余談であるが、その数日後、某伯爵邸で屋敷の者全員が亡くなっていたのが発見された。
原因は、王都で流行ったのと同じ病によるものだった。
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