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焔ノ章
私には無かった
「…私には無かった」
ガックリしているカリナタの横でケンネルのふかふか毛皮が気に入ったのか、風の先程まで名前が無かった筈の精霊がべったりとくっつき、ウットリとした夢見心地の顔付で「もこもこ」と喜んでいる精霊、名を…
「サスケで構わんか?」
「うん!僕サスケ!」
即答でどこぞの異国知識から名を引っ張って来たケンネル。名を貰った事によってわーいっ!と元気よく飛び上がって空中をくるくると喜びで舞って居る風の精霊。
そして…
「俺が名付けでいいの?」
アレフが聞くと顔に張り付いたままでコクコクと頷く精霊。
「それにはまず、顔からどいて貰わないと」
流石にちょっとと言われたので慌てて顔面から離れ、それでもやけに至近距離にいる精霊をアレフはじっと見つめ、
「男の子?」
うんうんと勢いよく上下に首が振られ、キラキラと期待に満ちた眼差しで見詰められ、その様を見てアレフは悩む。
「風、かぜかぁ…うーん」
うんうん悩み、
「アフラッ●」
何故にっ!
アレフ言葉にハクの突っ込みが入る。
「却下」
「アフロ」
…御主人、突っ込むべきですか?等と聞こえたきがしたが、アレフはスルーをする。
「却下」
「アイアン」
「微妙に却下」
「何その微妙にって」
「似合わないだろう?」
「確かに…見た目可愛いな」
「女の子ではないからな?」
確認したく為るほどに可愛い見た目です。とは言ってはいけない雰囲気にアレフは悩み、周囲を見渡して目に入ったハクに助言を求める。
「ハク、何かない?」
「モチの名前から想像できるだろ、俺にセンスがない事は…」
ぴきゅ?と小首を傾げて居るモチをみて納得をしたのか、アレフは黙って考え込む。モチはモチで「何ですか?呼びました?」とキョトンとしているし、『可愛い名前じゃぞ』と呟いたのはミトラ。
恐らくこの三名(モチは兎も角)はネーミングセンスは殲滅していると思われる。
飛行島に出発する者達は各自薬草やら何やらと物資を詰め込み、食事も取ってから30分後に出発となった。その為アレフは手で作業をしつつ考える。
「うーんうーん…」
悩むアレフの横、ハクが別の者の荷物の詰め込みを手伝いつつ「可愛いからピクとか」とか、「精霊だからセイちゃん」とかと更に壊滅的なセンスを披露しているが、当のご本人から「全面的に却下」と全否定されて居る。
どうせならミトラの時みたいにマシなセンスを出せば良いのに、ハクは崩壊気味のセンスを更に悪化させ、
「せっちゃん」
「それさっきのセイちゃんに似てる」
「ぴーちゃん」
「何でちゃん付き」
「んじゃクーちゃん」
「それもしかしてさっきのピクとかから持って来てない?」
もう救い様がない位に悪化させて居た。
等々モチにまで、
「ご主人なんか遊んでません?」
と言われてしまった始末である。
* * *
『おや、フローの奴少しマシになって来た様じゃの』
熱気により傍に寄れないと様子を伺っていた一向へ、他の火の精霊がミトラの傍に現れて耳元へ寄って告げると即座に消え失せた。
「よぉっし!幸運と言う意味でフェリックス!」
キアヌは長い事云々唸っていたがこれだ!と大声を上げる。
「採用!」
「え、いいの?」
「カッコイイ」
「…そう言う理由か」
「何か言った?」
「いいや、これから宜しくな」
「ああ、友よ頼む」
ハイタッチをする(一人は小さいのでアレフが手を翳した所にフェリックスがパン!と手を叩いた)と、アレフは視線を感じて周囲を見ると…
既に皆食事やら支度やらを終えて隊列を作っている所だった。
「ああ!もう時間じゃねーかぁ!」
大慌てで口に用意されていた食事を突っ込み、隊列へと走って行った。
『大丈夫かのアレ』
「さぁ」
ミトラとハクは不安そうに見詰め、モチはふんふんと鼻を上機嫌に鳴らして居た。
* * *
「ミトラ様~私達は島の上空から偵察します」
内部へと第一陣が侵入してからアレイスタとゼロの2名が上空へと舞上がり、早速と偵察へと向かう。もしファンダムの街へ魔物が来る場合は知らせてくれるそうだ。
「あの、ミトラ様。僕古城の方が…」
ミトラの精霊の一人、ウィルが遥か彼方に微かに見える方角を気にしながら話す。
『ふむ、愚弟の竜王が居るが心配かの?』
「竜王様が居るとはいえ、邪神の猛威が降りて来ないとも言えませんし」
『ふむ、ウィルは相変わらず優しいの』
真っ赤になって照れ出したウィルにミトラは可愛いのじゃ、と思いながらも告げる。
『あの古城にはマルティン達吸血鬼一族が居る。普通の人よりも強く、また死なぬ。だがウィルの心配も分かるのじゃ。どれ、他の精霊達に頼んどくからの、心配せずとも良いのじゃ』
そう言うとミトラの周囲に小さな光が集まり、その姿が徐々に精霊達へと変化していく。どうやら一斉に集まって来て居る様だ。
「大丈夫でしょうか」
『平気じゃろ。むしろ愚弟の竜王がウサちゃんに愚かな事をしそうで怖いのじゃ』
実際この前後の日に竜王が古城でモチの姉ウサギに愚かな事をしでかしそうになって居たのだが、その事を知らないミトラは大丈夫じゃとウィルに諭す。
何だか何処からか「全く大丈夫で無い」と言う突っ込みが聞こえて来そうだが、それは此方側の物語には影響がないので兎も角として、
『アレイスタとゼロは上空、ガレとエレマンノにルーナ、それにサスケとフェリックスが内部かの。とすると後はそうじゃの』
ミトラはその場で一呼吸し、未だ奮闘している弟であるフローの方を向く。
『妾だけではキツイかの。属性的なモノもあるのじゃし、ふーむ…一応呼び掛けてみるかの』
それっきり、ミトラは空中で目を閉じて一切言葉を発さなくなった。
ガックリしているカリナタの横でケンネルのふかふか毛皮が気に入ったのか、風の先程まで名前が無かった筈の精霊がべったりとくっつき、ウットリとした夢見心地の顔付で「もこもこ」と喜んでいる精霊、名を…
「サスケで構わんか?」
「うん!僕サスケ!」
即答でどこぞの異国知識から名を引っ張って来たケンネル。名を貰った事によってわーいっ!と元気よく飛び上がって空中をくるくると喜びで舞って居る風の精霊。
そして…
「俺が名付けでいいの?」
アレフが聞くと顔に張り付いたままでコクコクと頷く精霊。
「それにはまず、顔からどいて貰わないと」
流石にちょっとと言われたので慌てて顔面から離れ、それでもやけに至近距離にいる精霊をアレフはじっと見つめ、
「男の子?」
うんうんと勢いよく上下に首が振られ、キラキラと期待に満ちた眼差しで見詰められ、その様を見てアレフは悩む。
「風、かぜかぁ…うーん」
うんうん悩み、
「アフラッ●」
何故にっ!
アレフ言葉にハクの突っ込みが入る。
「却下」
「アフロ」
…御主人、突っ込むべきですか?等と聞こえたきがしたが、アレフはスルーをする。
「却下」
「アイアン」
「微妙に却下」
「何その微妙にって」
「似合わないだろう?」
「確かに…見た目可愛いな」
「女の子ではないからな?」
確認したく為るほどに可愛い見た目です。とは言ってはいけない雰囲気にアレフは悩み、周囲を見渡して目に入ったハクに助言を求める。
「ハク、何かない?」
「モチの名前から想像できるだろ、俺にセンスがない事は…」
ぴきゅ?と小首を傾げて居るモチをみて納得をしたのか、アレフは黙って考え込む。モチはモチで「何ですか?呼びました?」とキョトンとしているし、『可愛い名前じゃぞ』と呟いたのはミトラ。
恐らくこの三名(モチは兎も角)はネーミングセンスは殲滅していると思われる。
飛行島に出発する者達は各自薬草やら何やらと物資を詰め込み、食事も取ってから30分後に出発となった。その為アレフは手で作業をしつつ考える。
「うーんうーん…」
悩むアレフの横、ハクが別の者の荷物の詰め込みを手伝いつつ「可愛いからピクとか」とか、「精霊だからセイちゃん」とかと更に壊滅的なセンスを披露しているが、当のご本人から「全面的に却下」と全否定されて居る。
どうせならミトラの時みたいにマシなセンスを出せば良いのに、ハクは崩壊気味のセンスを更に悪化させ、
「せっちゃん」
「それさっきのセイちゃんに似てる」
「ぴーちゃん」
「何でちゃん付き」
「んじゃクーちゃん」
「それもしかしてさっきのピクとかから持って来てない?」
もう救い様がない位に悪化させて居た。
等々モチにまで、
「ご主人なんか遊んでません?」
と言われてしまった始末である。
* * *
『おや、フローの奴少しマシになって来た様じゃの』
熱気により傍に寄れないと様子を伺っていた一向へ、他の火の精霊がミトラの傍に現れて耳元へ寄って告げると即座に消え失せた。
「よぉっし!幸運と言う意味でフェリックス!」
キアヌは長い事云々唸っていたがこれだ!と大声を上げる。
「採用!」
「え、いいの?」
「カッコイイ」
「…そう言う理由か」
「何か言った?」
「いいや、これから宜しくな」
「ああ、友よ頼む」
ハイタッチをする(一人は小さいのでアレフが手を翳した所にフェリックスがパン!と手を叩いた)と、アレフは視線を感じて周囲を見ると…
既に皆食事やら支度やらを終えて隊列を作っている所だった。
「ああ!もう時間じゃねーかぁ!」
大慌てで口に用意されていた食事を突っ込み、隊列へと走って行った。
『大丈夫かのアレ』
「さぁ」
ミトラとハクは不安そうに見詰め、モチはふんふんと鼻を上機嫌に鳴らして居た。
* * *
「ミトラ様~私達は島の上空から偵察します」
内部へと第一陣が侵入してからアレイスタとゼロの2名が上空へと舞上がり、早速と偵察へと向かう。もしファンダムの街へ魔物が来る場合は知らせてくれるそうだ。
「あの、ミトラ様。僕古城の方が…」
ミトラの精霊の一人、ウィルが遥か彼方に微かに見える方角を気にしながら話す。
『ふむ、愚弟の竜王が居るが心配かの?』
「竜王様が居るとはいえ、邪神の猛威が降りて来ないとも言えませんし」
『ふむ、ウィルは相変わらず優しいの』
真っ赤になって照れ出したウィルにミトラは可愛いのじゃ、と思いながらも告げる。
『あの古城にはマルティン達吸血鬼一族が居る。普通の人よりも強く、また死なぬ。だがウィルの心配も分かるのじゃ。どれ、他の精霊達に頼んどくからの、心配せずとも良いのじゃ』
そう言うとミトラの周囲に小さな光が集まり、その姿が徐々に精霊達へと変化していく。どうやら一斉に集まって来て居る様だ。
「大丈夫でしょうか」
『平気じゃろ。むしろ愚弟の竜王がウサちゃんに愚かな事をしそうで怖いのじゃ』
実際この前後の日に竜王が古城でモチの姉ウサギに愚かな事をしでかしそうになって居たのだが、その事を知らないミトラは大丈夫じゃとウィルに諭す。
何だか何処からか「全く大丈夫で無い」と言う突っ込みが聞こえて来そうだが、それは此方側の物語には影響がないので兎も角として、
『アレイスタとゼロは上空、ガレとエレマンノにルーナ、それにサスケとフェリックスが内部かの。とすると後はそうじゃの』
ミトラはその場で一呼吸し、未だ奮闘している弟であるフローの方を向く。
『妾だけではキツイかの。属性的なモノもあるのじゃし、ふーむ…一応呼び掛けてみるかの』
それっきり、ミトラは空中で目を閉じて一切言葉を発さなくなった。
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