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しおりを挟む全粥の上にふりかけを掛けて食べてから改めて嵯峨さんが持って来てくれたと思わしき紙袋の中身をチェックすると、入院中に使えそうな品が色々と入っていた。コンビニか薬局で買って来たと思われる小さな容器に入っていたシャンプーやリンスに石鹸、箱ティッシュにウエットティッシュ、歯ブラシに髪をとかすブラシ、爪切り等など。
無いと困る日用品ばかり。
心使いが有り難い。
紙に走り書きでもしたのか、若干よれた文字で嵯峨さんのメールアドレスと電話番号が記載されていて苦笑してしまう。
早速そのメールアドレスに「3日ぶりに起きました。色々とご心配をおかけしました。有難う御座います」と短い文章だけどと断りも書いて送る。
本当は電話の方が良いがこの個室以外にも他の入院患者が居るかも知れないし、朝なので嵯峨さんにも迷惑を掛けてしまうかも知れないのでメールにした。
速攻で来た返事には「お見舞いに行きます!!」と書かれているが、αなので中にまでは来られない筈。嵯峨さんが来たら病院の待合室で会えばいいか、等と思ったがヒート…。
今の俺の状態は落ち着いているが、若干肌がチリチリしているのでヒートの熱が引いていない、つまり終わっていないと思われる。
御免と思いつつ、メールの返事に「まだヒートが終わっていないようなので」と断っておく。
αである嵯峨さんに、ヒート中に会うわけにはいかない。
「って、そうだった仕事!」
慌てて常連さん達にメールで申し訳無いと連絡を入れる。
「そう言えば、さっき看護師さん何だか…」
「倒れた小林を連れて来た男性はαなので当病院には待合室までしか入れなかったのですが…その」と言いにくそうにしていたよな。
何かあったのだろうか?
そこでふと、視線を下げて自分の服装を見る。
少しずつ己の状態が…徐々に霧が晴れた様に意識が確りとしてくると、3日って長いよなって思う。
「風呂に入りたいぃぃ…!」
切に思う。
3日って思うと更に、
「今の俺、全身満遍なく脂ギッシュになっていないか!?」
脂ギッシュって何!?と言われてしまうとなんと言って良いのか言葉に詰まる。言葉のなんとやら?ニュアンス?とやらで、なんとか察して欲しい。髪の毛とか、皮膚とか、顔なんて洗っていないから!!
つまり非常に現在の俺、汚い!!!
ガバっとベッドから起きて、其処で腕に刺さっている点滴に気が付き機能停止。
今取れたら不味い。
点滴が外れ、再度点滴されてしまうのも気まずいし恥ずかしい。
「く、この部屋の廊下らしきドアはまだわかる、先程看護師さん達が入って来たから。だがしかし、もう一つあるドア、あれはトイレかそれとも風呂なのか。風呂なら入りたいィィィィ!」
個室に風呂があるイコール入院費が非常にキニナル。
きっと高い。
でも今の俺の気持ち的には風呂。
風呂に入りたいです、シャワーだけでもこの際良い。寧ろその方が有り難い。切実に、俺をお風呂に入らせて下さい。お願い致します。
それはさて置き。
心情的には置いておきたくは無いが、何となくだがこの部屋はΩがヒートの時にα達から避難出来る部屋の様な気がする。
その証拠にドア付近にシャッターみたいな物があるし、唯一ある部屋の窓も小さめ。更には外から侵入できない様に鉄格子。
「嫌に頑丈そうなんだけど…」
多分だけどこの鉄格子を破って入って来た奴が居るのでは無いだろうか。その証拠に窓には鉄格子以外にも窓自体にも割れないように、網入りガラス(ガラスの中に金網がガラスの中に入っていて、地震や火災などで窓ガラスが割れた時、破片が飛び散らない)。
更には内側にシャッター。
このシャッターちょ~と凹んでいる気がするのだけど…。
シャッターを凹ませたのは、どう考えてもαだよね?
αってΩやβよりも遥かに力があるって一般に言われているし。
そう考えると怖い。
「シャッターを破って入って来たαが居るのかね」
どれだけαにΩが執着されていたのだろう。
等とちょっと怖い方面に思考が飛んでいると、ベッドに置いたスマホが振動する。
『小林さん、これから着替えとか寝間着とか差し入れに行きたいのですけど、その。下着とかいりますか?あと、サイズ教えて下さい』
…ん?
サイズ?
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