商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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「小林さん、私達も店内を見てみましょうか」

「あ、ああ」


 あれ、嵯峨さんの一人称が「私」になっている。
 もしかして緊張している?
 嵯峨さんの顔をチラリと見てみるけど、普段と同じイケメン。ん?イケメンは何時も通りか。
 普段は気にしていないけれど。
 これは通常ってことだよな。

 …何か、繋いでいる手が熱いけど。

 熱いのは何で?
 んー…湿っている?
 じっと見ていたら、「あ~」とか「うー」とか変な声が嵯峨さんから出て来た。


「バレました?」

「何が」

「私の手、湿っているでしょう?緊張しているんですよ」


 そうかそうか、緊張していると『私』になるのか。
 覚えておこう。


「俺と手を繋いで居るから?」

「そうです。あと、小林さんとデートしているなぁって思ったらこう、嬉しいやら緊張するやら」

「何だ、そりゃ」


 何だかこそばゆい感じがして、コッチまで嬉しいやら楽しいやら妙な気分になる。
 思わず「ぶは」と吹き出して笑ったら、釣られたのか嵯峨さんまで笑い出している。

 何だか良いな。
 うん、こういうゆるい感じ、何だか良い。
 急ぐでもなく辛くなるわけでもなく、何気ないけど少しだけほんわかと楽しい。


「あ、これ最近のユーフォーキャッチャーかな」

「みたいですね、やってみます」


 嵯峨さんがスッと繋いで居た手を離して…ん?んんん?
 離れた時にすっと手の甲を撫でられたのですけどー!
 何これ、何、何なの?
 今時のイケメンさんはこんな高等技術を取得しているのか!?

 そして先程の女子高生達諸君、きゃーって黄色い声が上がってビクッとしちゃったけれど、何かあった?あ、もしかして嵯峨さんのこと見ていた?


「あら、あの人、えっちぃイケメン」


 げほ。
 えっちぃイケメンなのか嵯峨さん。
 エッチなのか。
 って、嵯峨さん?


「咳き込んじゃって居るけど大丈夫?」

「げほ、大丈夫です」


 喉に入ったって、あー女子高生の声バッチリ聞こえちゃったのね、成程。
 そりゃあ恥ずかしいよな。


「えっちぃって…」


 気にしたのか、成程なぁ。
 まぁ確かに普通ならこう、うん、あーええと。手の甲とか撫でないかな。


「まぁ気にするな」


 励ましとこうと思って言ったら、何だか余計撃沈している?


「気を取り直して…」


 そうしてユーフォーキャッチャーにコインを入れる。金額にして一回300円。
 安いのか高いのかわからないな。


「何と言うか予想通り」

「小林さん、それ言わないで下さい」


 見事ゲット。
 その代わり計3度程やって通常○ッキーより大きめなお菓子を落とした。


「金額にして900円か」

「スーパーでこの大きさのって売ってないから良い方だろ」


 このお菓子の正規の金額知らないけどさ。
 結構良い方なのでは無いだろうか?


「この屈辱は、別のユーフォーキャッチャーで挽回します」

「いや、其処まで求めてないから」


 意外と嵯峨さん負けず嫌いだよな~って再確認。
 何故再確認なのかだって?それはほら、ヒムカさんの件ですよ。
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