商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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68 トマトとブロッコリー

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「おっし、んじゃ!今日からモーニングのトーストにはトマトと茹でたブロッコリーを付けること」

「えええ!増えた!」


 モーニングのメニュー、珈琲とトーストに茹で卵からトマトとブロッコリーが増えた!
 これで多少は嵯峨さんの食事改善が出来る!

 ああいや、他の常連客さんの健康管理もね、うんうん。
 ついつい嵯峨さんの親戚から託されたからって頭に過る訳ですが。なんて、嘘です。
 好きだから嵯峨さんの体調管理が気になるだけです。
 本来なら俺が店を開ければ良いのだけど、今朝は朝食を出すのは無理だ。店を開けても少数しか出せないから限定なんて言う状態になってしまう。
 大したメニューなんて無いのに限定とかはちょっと。
 無制限に出せるとしたらお握りと味噌汁か、それとだし巻き卵は大丈夫だっけ。野菜が足りないのが気になるけど。


「女性客の常連から付けた方が良いって言われているからさ。それでなくても男性客って野菜食わない人が多いじゃん」

「確かにね~」


 女性でも野菜食べない人は食べないけどね。
 小林茶坊の朝食でも結構残す人が多くて日々悩む。最近は偶に出すツミレ汁にフードプロセッサーで細かくした野菜をツミレに入れたり、かやくご飯に入れてみたりして様子を見ている。
 人参とピーマンは天敵って言う人が多いから逆に燃える。
 そう言えば最近は、俺の店である小林茶坊に来てから苦手を克服しましたって言う男性客がチラホラ増えて来ている。中々嬉しい報告、努力が報われる気分になる。


「ピーマンや人参だと確実に残す奴が多いけど、トマトとかブロッコリーならまぁ何とか食うだろ。駄目な奴は残すだろうけど」


 某アニメみたいにお残しは駄目!とやれたら良いけど、人によっては好き嫌い意外にもアレルギーなんてものもある。俺だってアレルギーがある物があるし、知り合いにはとある果物を食すと粘膜や喉が腫れ、呼吸困難になる人が居る。
 こればかりは仕方が無いことだ。


「うう~ん…でもなぁ」


 中々うんと頷かない不破さん。
 単価か、メニューの単価が気になるのか。


「おっし、それじゃーベーコントーストセット、今日からモーニングに作ってそれにトマトとブロッコリー付けようぜ」

「メニュー増えた!」

「その分料金は上げるって言うので良いんじゃね?」

「う、うむむ…」


 此処でふと、手間が増えるって言う文句は言わないんだなと不思議に思い、不破さんの方に視線を向けると彼の広角が上がっている。もしかして楽しんでいる?この会話。
 番相手である末明さんとの会話を楽しんで、店のメニューを増やしちゃおうって思っている?


「何なら今日だけでも良いぜ?どうせ腹を空かせた小林茶坊の常連さんが朝食を食いにこっちに雪崩れて来るだろうし、普段から常連さん達の健康を気にしている小林さんも安心できるだろ?」


 其処でパチンと末明さんからウインクを1つ貰いましたー!
 多分そのウインクは、メニューの事と元気に長座布団の上から転がり出た雪羽ちゃんを元の場所に戻したからかな。元気があるのは良いのだけど、長座布団から出たら床が冷たかったのか、みるみるうちに顔が涙目になって来ていたからね。
 今は長座布団の上で転がっているけど今度は余程嫌だったのか、長座布団の上から出ようとはしていないようで、端っこに来るとピタッと止まっている。
 学習能力高いなぁ。
 そうして双子の片割れである晃明君は半分目が閉じている。どうやら彼は眠いらしい。今もふわわぁ~と欠伸をし、モゴモゴ口を動かしている。
 可愛いなぁ。


「ああ、成程」

「それにトマトやブロッコリーの値段が高い時は別の野菜を付けると良いし。ほうれん草とかなんならどっかの定食屋みたいにキャベツの千切りとか、漬物でも良いしね」


 コレでどうやらお店のメニューは従来のメニューにトマトとブロッコリーを追加し、更にベーコントーストセットが一品追加されたのだった。
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