商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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84 あいだがすき

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「食べちゃいましょうか」


 部屋にある三人掛けソファーに座り、テーブルの上に先程持って来た賄いを乗せたトレイを置く。
 そうして、当然だけど俺の横に嵯峨さんが座る。

 …気不味い状態再び。

 三人掛けソファーだけど、男二人が座ったので二人掛け位になるかな~と思って居たがならなかった。つまり何が言いたいかと言うと、嵯峨さんと俺、二人の間が結構開いた。
 くそぅ…もっと体格良ければよかった。そうしたら少なくともこの嵯峨さんとの間はもうちょっとだけ近かった筈。それに嵯峨さんだって前に一度栄養失調で倒れただけはあって、意外と細身。
 もしかして脱いだら細マッチョで筋肉質かも知れないけれど、まさかこの場で脱いで!とは言えません。見たいけど、言ったら変態だと思われる。流石にコレは注意深く、うっかり言わないようにしていたので口から出てはいないようで安心。

 でも細マッチョなら是非、見てみたいし、拝んでみたい。
 嵯峨さんなら滅茶苦茶見たい。
 よし、嵯峨さん限定で俺、変態かもしれん。
 いやむしろエッチ?うーん…今までこういう具体的なこととか考えもしなかったから、良くわからないなぁ。学生時代女性の裸が載っているエロ本とか見て騒いでいる同級生達の会話には当然Ωの俺は入れなかったし、男のΩだからって変に下に見られていて、男同士なら出来やしないだろう。だからやらせろと言うバカも居た。

 あまりにも俺のことを軽視した発言ばかりするアホの子だったから、ブチギレして「子供が出来たら一生責任取れる訳だよな!?今から稼げるのか!貯金だって必要だ。出産費用だって掛かるし、その後の育児だって金銭が発生するぞ!」と詰め寄ったら、「え」と呆けていたので一気に「ヒート中にしたら子供が100%産まれるぞ。そうしたら誰が責任取る。まさかヤルだけやって責任取らないなんて馬鹿なこと言わないよな?こんな田舎でそんな無責任な事をやったらあっという間に村八分だぞ」と畳み掛ける様に言ったら、そいつその日から接触して来なくなってスッキリしたけど。

 そう言えば後日、地元に住んでいる親戚の子が「昔眞宮に迫っていた子、中学から皆に疎遠と言うか、距離を取られて居たけど、高校受験の時期に気が付いたら県外に行っていたな。それから地元に帰ってきてね―わ」と。

 …もしかして俺、不味いことしちゃった?
 ま、まぁアイツ普段から言動に問題があって、女子達に煙たがれていたし…。

 いやいやいや、それより嵯峨さんのことだよ。

 もっと肉を食わせていたら良かった!!
 そうしたらこの間はもう少しだけ近かった筈!肉付き大事!


「どうしました小林さん?俺との間に何かあるのですか?」


 嵯峨さんとの間を思いっきり睨んでしまったら、驚いた様な声が嵯峨産から聞こえてきた。
「もう少し間空けます?」なんて変な気を使わせてしまった声がー!
 違うのです、違うのです!前にも言ったけれど、大事なことなので二度言います!
 嵯峨さんとの間を空けたいのではなくて、もっと側に居たかっただけで!好きなんだよ!この空いた空間を狭めたいぐらいもっと側に居たい。


「す、き…」


 ぶは。
 本日何度目かの無意識に喋ってしまったー!
 いやむしろこの場合はグッジョブ?


「小林さん、あいだが好き?」

「それどんな好きですか。と言うか、そうでは無くて!」

「間を開けるのが好きならばもうちょっとだけなら端っこに行けますが」

「だからそうじゃなくって~!」


 ええい、もう!俺も男だ、Ωだけれど第一次性徴は男性。男はなんとやら、腹を括れ!
 某お父さんを連想させるけど、気合だー!


「嵯峨さんが好きなんです!」

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