婚約破棄キャンセル〜転生したら悪役令嬢を断罪してる攻略対象の王子だったので、なんとか軌道修正して悪役令嬢溺愛ルートに移ります〜

yui

文字の大きさ
3 / 5

3 お義父さまとの和解

しおりを挟む
「これは殿下。先程はなかなか素晴らしい立ち回りでしたな」

場所はクレアの実家、ルージュ公爵家の応接室。そこで開口一番に皮肉を言うのがクレアの父親のルージュ公爵だ。まあ、未遂とはいえ娘をあれだけ酷い目に合わせれば良心的な親なら当然の反応だろう。

「お久しぶりですルージュ公爵。どうしても秘密裏に行わないといけなかったのです。気が済まないようなら殴って頂いても構いません 」
「そんなことをしたら娘に嫌われるそうだから止めときますよ。ところで本日は謝罪に来られたのですか?」
「いいえ、娘さんを貰いに来ました」

俺の言葉に顔を赤くするクレア。うむ、可愛い。そして目を輝かせるクレアの母親のルージュ公爵夫人とは対称的にルージュ公爵は渋い顔で言った。

「殿下。お気持ちはありがたいですが、今後同じようなことがあるようなら私は娘を貴方に預けたくはありません」
「お、お父様·······」
「最もですね。ですからこれを預けておきます」

そうして俺はわざわざ持ってきた剣をルージュ公爵に渡すと微笑んで言った。

「次にもしクレアが悲しむようなことがあればそれで私を斬って貰って構いません。城の者にも陛下や王妃様にも説明しておきますので心置き無く私をこの世から旅立たせてください」
「そうですか········なら」

カチャッっと剣を鞘から抜くと俺の首元に当ててくるルージュ公爵。その行為にクレアが驚いて止めようとするのを微笑んで制してから俺はわざと刃に当たるように顔を近づけて言った。

「せめてクレアが退出するのは待っていただいたい。出来ないなら仕方ないので目を瞑って貰いましょう」
「·······怖くないのですか」
「ええ。本当に怖いのはクレアが悲しむことですから」

薄く刃が当たり首から血が滲む。それにルージュ公爵は怯んで剣を退くのに大して俺は剣を掴むと微笑んで言った。

「これが私の覚悟です。ですからもう一度言います。娘さんを私にください」
「·······どうしてそこまでするのですか?」
「これくらいしか出来ないからです。それに私の本気を見せるためです」
「·······承知しました。では娘のことをよろしくお願いします」
「はい。ありがとうございます」

そうして剣から手を離すとクレアは慌てて俺に近づいてきてハンカチで俺の傷口を抑えると言った。

「あ、アーサー様。大丈夫ですか?血が······」
「ありがとう、クレア。心配させてすまない」
「いえ·······でも、怖かったです」
「済まなかったね。怖いところをみせて」
「······違います。私は······アーサー様がいなくなるのが怖かったのです······」

震えながら俺に抱きつくクレア。クレアの前でやるには刺激が強かったと反省しながら優しく抱きしめて言った。

「大丈夫だよ。絶対にクレアを悲しませないし居なくならないから」
「·······約束ですよ?」
「ああ、約束だ。クレアと一緒にしわくちゃのお爺さんお婆さんになって一緒にお墓に入るよ。ずっと一緒だ」
「はい·······」

そうしてクレアを優しく抱きしめながらなんとか俺はルージュ公爵家の公認を得るのだった。これでクレアとの結婚に現実味が出てきた。あと他には········



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたのに、王太子殿下がバルコニーの下にいます

ちよこ
恋愛
「リリス・フォン・アイゼンシュタイン。君との婚約を破棄する」 王子による公開断罪。 悪役令嬢として破滅ルートを迎えたリリスは、ようやく自由を手に入れた……はずだった。 だが翌朝、屋敷のバルコニーの下に立っていたのは、断罪したはずの王太子。 花束を抱え、「おはよう」と微笑む彼は、毎朝訪れるようになり—— 「リリス、僕は君の全てが好きなんだ。」 そう語る彼は、狂愛をリリスに注ぎはじめる。 婚約破棄×悪役令嬢×ヤンデレ王子による、 テンプレから逸脱しまくるダークサイド・ラブコメディ!

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

執着王子の唯一最愛~私を蹴落とそうとするヒロインは王子の異常性を知らない~

犬の下僕
恋愛
公爵令嬢であり第1王子の婚約者でもあるヒロインのジャンヌは学園主催の夜会で突如、婚約者の弟である第二王子に糾弾される。「兄上との婚約を破棄してもらおう」と言われたジャンヌはどうするのか…

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

王子の逆鱗に触れ消された女の話~執着王子が見せた異常の片鱗~

犬の下僕
恋愛
美貌の王子様に一目惚れしたとある公爵令嬢が、王子の妃の座を夢見て破滅してしまうお話です。

モブ令嬢アレハンドリナの謀略

青杜六九
恋愛
転生モブ令嬢アレハンドリナは、王子セレドニオの婚約者ビビアナと、彼女をひそかに思う侯爵令息ルカのじれじれな恋を観察するのが日課だった。いつまで経っても決定打にかける二人に業を煮やし、セレドニオが男色家だと噂を流すべく、幼馴染の美少年イルデフォンソをけしかけたのだが……。 令嬢らしからぬ主人公が、乙女ゲームの傍観者を気取っていたところ、なぜか巻き込まれていくお話です。主人公の独白が主です。「悪役令嬢ビビアナの恋」と同じキャラクターが出てきますが、読んでいなくても全く問題はありません。あらすじはアレですが、BL要素はありません。 アレハンドリナ編のヤンデレの病み具合は弱めです。 イルデフォンソ編は腹黒です。病んでます。 2018.3.26 一旦完結しました。 2019.8.15 その後の話を執筆中ですが、別タイトルとするため、こちらは完結処理しました。

彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~

プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。 ※完結済。

処理中です...