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3 お義父さまとの和解
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「これは殿下。先程はなかなか素晴らしい立ち回りでしたな」
場所はクレアの実家、ルージュ公爵家の応接室。そこで開口一番に皮肉を言うのがクレアの父親のルージュ公爵だ。まあ、未遂とはいえ娘をあれだけ酷い目に合わせれば良心的な親なら当然の反応だろう。
「お久しぶりですルージュ公爵。どうしても秘密裏に行わないといけなかったのです。気が済まないようなら殴って頂いても構いません 」
「そんなことをしたら娘に嫌われるそうだから止めときますよ。ところで本日は謝罪に来られたのですか?」
「いいえ、娘さんを貰いに来ました」
俺の言葉に顔を赤くするクレア。うむ、可愛い。そして目を輝かせるクレアの母親のルージュ公爵夫人とは対称的にルージュ公爵は渋い顔で言った。
「殿下。お気持ちはありがたいですが、今後同じようなことがあるようなら私は娘を貴方に預けたくはありません」
「お、お父様·······」
「最もですね。ですからこれを預けておきます」
そうして俺はわざわざ持ってきた剣をルージュ公爵に渡すと微笑んで言った。
「次にもしクレアが悲しむようなことがあればそれで私を斬って貰って構いません。城の者にも陛下や王妃様にも説明しておきますので心置き無く私をこの世から旅立たせてください」
「そうですか········なら」
カチャッっと剣を鞘から抜くと俺の首元に当ててくるルージュ公爵。その行為にクレアが驚いて止めようとするのを微笑んで制してから俺はわざと刃に当たるように顔を近づけて言った。
「せめてクレアが退出するのは待っていただいたい。出来ないなら仕方ないので目を瞑って貰いましょう」
「·······怖くないのですか」
「ええ。本当に怖いのはクレアが悲しむことですから」
薄く刃が当たり首から血が滲む。それにルージュ公爵は怯んで剣を退くのに大して俺は剣を掴むと微笑んで言った。
「これが私の覚悟です。ですからもう一度言います。娘さんを私にください」
「·······どうしてそこまでするのですか?」
「これくらいしか出来ないからです。それに私の本気を見せるためです」
「·······承知しました。では娘のことをよろしくお願いします」
「はい。ありがとうございます」
そうして剣から手を離すとクレアは慌てて俺に近づいてきてハンカチで俺の傷口を抑えると言った。
「あ、アーサー様。大丈夫ですか?血が······」
「ありがとう、クレア。心配させてすまない」
「いえ·······でも、怖かったです」
「済まなかったね。怖いところをみせて」
「······違います。私は······アーサー様がいなくなるのが怖かったのです······」
震えながら俺に抱きつくクレア。クレアの前でやるには刺激が強かったと反省しながら優しく抱きしめて言った。
「大丈夫だよ。絶対にクレアを悲しませないし居なくならないから」
「·······約束ですよ?」
「ああ、約束だ。クレアと一緒にしわくちゃのお爺さんお婆さんになって一緒にお墓に入るよ。ずっと一緒だ」
「はい·······」
そうしてクレアを優しく抱きしめながらなんとか俺はルージュ公爵家の公認を得るのだった。これでクレアとの結婚に現実味が出てきた。あと他には········
場所はクレアの実家、ルージュ公爵家の応接室。そこで開口一番に皮肉を言うのがクレアの父親のルージュ公爵だ。まあ、未遂とはいえ娘をあれだけ酷い目に合わせれば良心的な親なら当然の反応だろう。
「お久しぶりですルージュ公爵。どうしても秘密裏に行わないといけなかったのです。気が済まないようなら殴って頂いても構いません 」
「そんなことをしたら娘に嫌われるそうだから止めときますよ。ところで本日は謝罪に来られたのですか?」
「いいえ、娘さんを貰いに来ました」
俺の言葉に顔を赤くするクレア。うむ、可愛い。そして目を輝かせるクレアの母親のルージュ公爵夫人とは対称的にルージュ公爵は渋い顔で言った。
「殿下。お気持ちはありがたいですが、今後同じようなことがあるようなら私は娘を貴方に預けたくはありません」
「お、お父様·······」
「最もですね。ですからこれを預けておきます」
そうして俺はわざわざ持ってきた剣をルージュ公爵に渡すと微笑んで言った。
「次にもしクレアが悲しむようなことがあればそれで私を斬って貰って構いません。城の者にも陛下や王妃様にも説明しておきますので心置き無く私をこの世から旅立たせてください」
「そうですか········なら」
カチャッっと剣を鞘から抜くと俺の首元に当ててくるルージュ公爵。その行為にクレアが驚いて止めようとするのを微笑んで制してから俺はわざと刃に当たるように顔を近づけて言った。
「せめてクレアが退出するのは待っていただいたい。出来ないなら仕方ないので目を瞑って貰いましょう」
「·······怖くないのですか」
「ええ。本当に怖いのはクレアが悲しむことですから」
薄く刃が当たり首から血が滲む。それにルージュ公爵は怯んで剣を退くのに大して俺は剣を掴むと微笑んで言った。
「これが私の覚悟です。ですからもう一度言います。娘さんを私にください」
「·······どうしてそこまでするのですか?」
「これくらいしか出来ないからです。それに私の本気を見せるためです」
「·······承知しました。では娘のことをよろしくお願いします」
「はい。ありがとうございます」
そうして剣から手を離すとクレアは慌てて俺に近づいてきてハンカチで俺の傷口を抑えると言った。
「あ、アーサー様。大丈夫ですか?血が······」
「ありがとう、クレア。心配させてすまない」
「いえ·······でも、怖かったです」
「済まなかったね。怖いところをみせて」
「······違います。私は······アーサー様がいなくなるのが怖かったのです······」
震えながら俺に抱きつくクレア。クレアの前でやるには刺激が強かったと反省しながら優しく抱きしめて言った。
「大丈夫だよ。絶対にクレアを悲しませないし居なくならないから」
「·······約束ですよ?」
「ああ、約束だ。クレアと一緒にしわくちゃのお爺さんお婆さんになって一緒にお墓に入るよ。ずっと一緒だ」
「はい·······」
そうしてクレアを優しく抱きしめながらなんとか俺はルージュ公爵家の公認を得るのだった。これでクレアとの結婚に現実味が出てきた。あと他には········
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