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4 留学生との縁と側近
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翌日、クレアの側にいたいのを我慢して、俺は学園に来ていた。どうしても会いたい人物がいたのだ。
「隣いいかな?」
学園の学食にて1人で食べてる目的の人物である彼にそう聞くと彼は微笑んで言った。
「これはこれは。卒業された殿下が私のような貧乏留学生に何の用でしょうか?」
「君のご主人様と仲良くしたくてな、ジャック・ウルスくん」
ジャック・ウルス。表向きは隣国のライオネス王国から来た貧乏留学生だが、その正体はライオネス王国の第3王子にして、王太子のジークフリート・ライオネスの最も信頼する腹心だ。
何故そんなことを知ってるかって?
だって、乙女ゲーム『トリック/スイート』の続編である『トリック/スイート2nd』に彼らが出てるんだもの。まあ、舞台は隣国のライオネス王国だし、登場キャラも前作と違うけど、隠しキャラでジャックがいるのだ。
これも朝から並んで姉にやれと強制されたのだが········まあ、それはいいとして。とりあえず続編の悪役令嬢もヒロインも俺としては好みじゃないので絡むつもりはあまりない。
というか、どうにも調べた感じそっちの続編の方はもうケリがついてるというか········悪役令嬢が転生者っぽくて既にざまぁ回避に成功してるっぽいのよね。
なので安心して俺は他国とのコネを作ることにしたのだ。
俺の言葉にジャックは少しだけ驚いたような表情を浮かべてから声を落として言った。
「·········殿下は何がお望みなので?」
「次代の王太子同士仲良くして損はないと思ってな」
「なるほど·······ですが、正直見破られてるとは思いませんでしたよ。それも演技だったんですか?」
口が裂けても、アドリブとは言えないなぁ········ぶっちゃけ、色々無理矢理過ぎて帳尻合わせにせっせと忙しいくらいだし。なので微笑んでおく。困った時こそ笑顔で通すと勝手に解釈してくれるからね。
「わかりました。主には話を通しておきます」
「助かる」
「まあ、自分の役割でもありますから。とはいえ、これまでの報告が全て間違いだったと告げるのはなかなか勇気がいりますがね」
そうしてジャックから話を通して貰う手筈は整った。後残るは········
「こ、これは殿下········!お久しぶりでございます!」
「久しぶりだな。そう固くならなくていいぞ、エル」
次に俺が会いに来たのはジャックと同学年で、この前俺が盛大に裏切った側近だった騎士団長の息子の弟のエル・ラインハルトだ。
兄がチャラいのに大して、弟のエルは童顔で女顔、おまけに背も低いので女装してもバレないどころかむしろそれが自然な天然なのだが、俺はそこだけでなく剣の腕でも彼が適任と思って言った。
「単刀直入に言おう。エルよ、私の懐刀になって欲しい」
その言葉にエルはかなり驚いたような表情を浮かべてからポツリと言った。
「·······ですが、僕は兄のように自信はないので········それに、あのようなことを仕出かした兄の弟である僕が殿下の側にいてはご迷惑になるかと········」
「私はな、純粋にお前の実力を認めているからこそ頼んでいるんだ」
「僕の·········」
「ああ、そうだ。そのコンプレックスの女顔も剣の腕も全てを私のために役立てて欲しい」
そう言うと、エルはしばらく迷ってからそっと頭を垂れると誓うように言った。
「この身が殿下のお役に立てるなら是非········」
「頼んだぞエル」
そうして、侍女にも変装出来る上に剣の腕もある強力な駒を入手できた。兄のことで恨まれてないか心配だったが······むしろ、申し訳なく思ってくれてたみたいだし、本当にいい子だ。
あ、でも俺にはそっちの趣味はないし、だいたい俺はクレア一筋なのでそこは気にしなくていいだろう。まあ、後に薄い本とか出たら怖いなぁ程度の認識だ。
「隣いいかな?」
学園の学食にて1人で食べてる目的の人物である彼にそう聞くと彼は微笑んで言った。
「これはこれは。卒業された殿下が私のような貧乏留学生に何の用でしょうか?」
「君のご主人様と仲良くしたくてな、ジャック・ウルスくん」
ジャック・ウルス。表向きは隣国のライオネス王国から来た貧乏留学生だが、その正体はライオネス王国の第3王子にして、王太子のジークフリート・ライオネスの最も信頼する腹心だ。
何故そんなことを知ってるかって?
だって、乙女ゲーム『トリック/スイート』の続編である『トリック/スイート2nd』に彼らが出てるんだもの。まあ、舞台は隣国のライオネス王国だし、登場キャラも前作と違うけど、隠しキャラでジャックがいるのだ。
これも朝から並んで姉にやれと強制されたのだが········まあ、それはいいとして。とりあえず続編の悪役令嬢もヒロインも俺としては好みじゃないので絡むつもりはあまりない。
というか、どうにも調べた感じそっちの続編の方はもうケリがついてるというか········悪役令嬢が転生者っぽくて既にざまぁ回避に成功してるっぽいのよね。
なので安心して俺は他国とのコネを作ることにしたのだ。
俺の言葉にジャックは少しだけ驚いたような表情を浮かべてから声を落として言った。
「·········殿下は何がお望みなので?」
「次代の王太子同士仲良くして損はないと思ってな」
「なるほど·······ですが、正直見破られてるとは思いませんでしたよ。それも演技だったんですか?」
口が裂けても、アドリブとは言えないなぁ········ぶっちゃけ、色々無理矢理過ぎて帳尻合わせにせっせと忙しいくらいだし。なので微笑んでおく。困った時こそ笑顔で通すと勝手に解釈してくれるからね。
「わかりました。主には話を通しておきます」
「助かる」
「まあ、自分の役割でもありますから。とはいえ、これまでの報告が全て間違いだったと告げるのはなかなか勇気がいりますがね」
そうしてジャックから話を通して貰う手筈は整った。後残るは········
「こ、これは殿下········!お久しぶりでございます!」
「久しぶりだな。そう固くならなくていいぞ、エル」
次に俺が会いに来たのはジャックと同学年で、この前俺が盛大に裏切った側近だった騎士団長の息子の弟のエル・ラインハルトだ。
兄がチャラいのに大して、弟のエルは童顔で女顔、おまけに背も低いので女装してもバレないどころかむしろそれが自然な天然なのだが、俺はそこだけでなく剣の腕でも彼が適任と思って言った。
「単刀直入に言おう。エルよ、私の懐刀になって欲しい」
その言葉にエルはかなり驚いたような表情を浮かべてからポツリと言った。
「·······ですが、僕は兄のように自信はないので········それに、あのようなことを仕出かした兄の弟である僕が殿下の側にいてはご迷惑になるかと········」
「私はな、純粋にお前の実力を認めているからこそ頼んでいるんだ」
「僕の·········」
「ああ、そうだ。そのコンプレックスの女顔も剣の腕も全てを私のために役立てて欲しい」
そう言うと、エルはしばらく迷ってからそっと頭を垂れると誓うように言った。
「この身が殿下のお役に立てるなら是非········」
「頼んだぞエル」
そうして、侍女にも変装出来る上に剣の腕もある強力な駒を入手できた。兄のことで恨まれてないか心配だったが······むしろ、申し訳なく思ってくれてたみたいだし、本当にいい子だ。
あ、でも俺にはそっちの趣味はないし、だいたい俺はクレア一筋なのでそこは気にしなくていいだろう。まあ、後に薄い本とか出たら怖いなぁ程度の認識だ。
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