34 / 141
32 関係の改善
しおりを挟む
「おとうさま!」
母上との話を終えてローリエと父上がいる部屋へと戻ると、真っ先にローリエが俺に駆け寄ってきた。嬉しそうにニコニコしているローリエの頭を撫でて俺は言った。
「お祖父様とはゆっくり話をできたかい?」
「はい!」
「そうか・・・ならよかったよ」
見ている方まで幸せにするような愛娘の笑みに顔が緩くなりそうになるが、なんとか我慢する。なんだかここ最近になって、表情のコントロールが凄い上達した気がするよ。まあ、ローリエとサーシャ・・・愛しい二人に少しでも格好いいカリスさんを見せてあげたいという些細な見栄からそんなことばかり上達するんだけどね。
「父上。お待たせしました」
「あ、ああ。うむ」
ローリエを愛でてから父上に視線を向けるとやはりどこか慣れないのか戸惑ったような表情を浮かべる父上。まあ、カリスさんがこんなに真っ直ぐに視線を両親に向けること自体これまででは考えられないことだから仕方ないが・・・いい加減慣れて欲しいものだ。
その証拠に先ほどまで話していた母上はすでに順応したのか俺の様子を不振がることはせずに孫を可愛がっていた。
うん、まあ、母上はちょっと順応が早すぎる気がしなくもないが・・・やはり、こういう精神面では男よりも女の方がタフに出来ているのだろう。
その後でゆっくりと4人でお茶をしようと思ったが・・・生憎と俺は仕事が少しあったので、ローリエを二人に任せて一人寂しく仕事に戻っていた。
うぅ・・・今頃孫とゆっくりお茶を楽しんでいるであろう父上と母上を羨ましく思うが、まあ早く終わらせて合流すればいいだろうと気合いをいれて仕事に取り組んでいると不意にドアをノックする音と共に知っている声が聞こえてきた。
「カリス。今大丈夫か?」
「父上?どうぞ」
了承を得て入ってきたのは父上だった。今頃ローリエとお茶をしていると思っていたが・・・
「どうかなさいましたか?」
「あ、ああ・・・いやな・・・少しあの場にいずらくてな」
「あの場・・・ローリエと母上とのお茶ですか?」
「ああ。リシャーナがローリエを可愛がり過ぎて少しな・・・」
どうやら父上は母上が孫を溺愛する様子を見てなんとなくいずらくなったようだ。まあ、確かに客観的に溺愛する人を第三者視点から見ればなんとなく居心地が悪くなる気持ちはわからなくもない。
え?普段二人を溺愛している俺が言っても説得力ないって?
まあそれはほら・・・二人が可愛いから仕方ないでしょ。嫁と娘を可愛いがるのは夫と父親として当然だしね!
そんなことは口には出さずに俺は父上に苦笑気味に言った。
「まあ、母上がローリエをあそこまで可愛がるのは私としても想定外でした」
「リシャーナは子供が好きだからな」
「私にはあまり記憶にないのですが・・・父上にも二人きりのときはあれぐらいの愛情表現をするのですか?」
そう聞くと父上は少し気まずそうに言った。
「・・・あれでもまだ序の口だろう」
「なるほど・・・お二人の仲がよろしくて息子として嬉しい限りです」
なんとなく母上が父上と二人きりになると甘えた様子が見えた。これはきっと俺・・・というか、カリスさんは母親の血をそれなりに濃く継いでいるのだろうと思いそう言うと父上は驚いた表情を浮かべていた。
「どうかなさいましたか?」
「いや・・・本当に変わったな」
「そうですか?」
「ああ。なんというか・・・以前よりも柔らかくなったように思う。私とリシャーナへの態度もだが、全体的な意味でだ」
柔らかくか・・・まあ、つんけんしていた時期が長いカリスさんだからね。デレ期というやつでしょうか?オッサンのデレ期とか誰得だよとは思うが・・・まあ、中身が変わったから仕方ない。
「それに・・・てっきり私とリシャーナはお前に嫌われていると思っていたからな。そんな風に優しい表情を向けられるとは思わなかった」
「・・・お二人を嫌いになったことなどありませんよ」
まあ、確かにカリスさんは両親に対してもかなり尖って接していたが・・・心から嫌いではなかったようだ。接し方がわからないというか・・・今の目の前の父上のように不器用な方法での接し方しかできなかったのだろう。事実として父上のことをカリスさんは尊敬していたし、母上にしても産んでくれたことに感謝をしているようだったしね。
そんな俺の言葉に父上はどこか嬉しそうに表情を緩めて言った。
「そうか・・・仕事の邪魔をして悪かった。たまには親子で酒を呑みたいのだが・・・付き合ってくれるか?」
「もちろんです。ローリエのことをよろしくお願いします」
そう言ってから父上は部屋を出ていったが・・・その背中は少し嬉しそうに見えた。
母上との話を終えてローリエと父上がいる部屋へと戻ると、真っ先にローリエが俺に駆け寄ってきた。嬉しそうにニコニコしているローリエの頭を撫でて俺は言った。
「お祖父様とはゆっくり話をできたかい?」
「はい!」
「そうか・・・ならよかったよ」
見ている方まで幸せにするような愛娘の笑みに顔が緩くなりそうになるが、なんとか我慢する。なんだかここ最近になって、表情のコントロールが凄い上達した気がするよ。まあ、ローリエとサーシャ・・・愛しい二人に少しでも格好いいカリスさんを見せてあげたいという些細な見栄からそんなことばかり上達するんだけどね。
「父上。お待たせしました」
「あ、ああ。うむ」
ローリエを愛でてから父上に視線を向けるとやはりどこか慣れないのか戸惑ったような表情を浮かべる父上。まあ、カリスさんがこんなに真っ直ぐに視線を両親に向けること自体これまででは考えられないことだから仕方ないが・・・いい加減慣れて欲しいものだ。
その証拠に先ほどまで話していた母上はすでに順応したのか俺の様子を不振がることはせずに孫を可愛がっていた。
うん、まあ、母上はちょっと順応が早すぎる気がしなくもないが・・・やはり、こういう精神面では男よりも女の方がタフに出来ているのだろう。
その後でゆっくりと4人でお茶をしようと思ったが・・・生憎と俺は仕事が少しあったので、ローリエを二人に任せて一人寂しく仕事に戻っていた。
うぅ・・・今頃孫とゆっくりお茶を楽しんでいるであろう父上と母上を羨ましく思うが、まあ早く終わらせて合流すればいいだろうと気合いをいれて仕事に取り組んでいると不意にドアをノックする音と共に知っている声が聞こえてきた。
「カリス。今大丈夫か?」
「父上?どうぞ」
了承を得て入ってきたのは父上だった。今頃ローリエとお茶をしていると思っていたが・・・
「どうかなさいましたか?」
「あ、ああ・・・いやな・・・少しあの場にいずらくてな」
「あの場・・・ローリエと母上とのお茶ですか?」
「ああ。リシャーナがローリエを可愛がり過ぎて少しな・・・」
どうやら父上は母上が孫を溺愛する様子を見てなんとなくいずらくなったようだ。まあ、確かに客観的に溺愛する人を第三者視点から見ればなんとなく居心地が悪くなる気持ちはわからなくもない。
え?普段二人を溺愛している俺が言っても説得力ないって?
まあそれはほら・・・二人が可愛いから仕方ないでしょ。嫁と娘を可愛いがるのは夫と父親として当然だしね!
そんなことは口には出さずに俺は父上に苦笑気味に言った。
「まあ、母上がローリエをあそこまで可愛がるのは私としても想定外でした」
「リシャーナは子供が好きだからな」
「私にはあまり記憶にないのですが・・・父上にも二人きりのときはあれぐらいの愛情表現をするのですか?」
そう聞くと父上は少し気まずそうに言った。
「・・・あれでもまだ序の口だろう」
「なるほど・・・お二人の仲がよろしくて息子として嬉しい限りです」
なんとなく母上が父上と二人きりになると甘えた様子が見えた。これはきっと俺・・・というか、カリスさんは母親の血をそれなりに濃く継いでいるのだろうと思いそう言うと父上は驚いた表情を浮かべていた。
「どうかなさいましたか?」
「いや・・・本当に変わったな」
「そうですか?」
「ああ。なんというか・・・以前よりも柔らかくなったように思う。私とリシャーナへの態度もだが、全体的な意味でだ」
柔らかくか・・・まあ、つんけんしていた時期が長いカリスさんだからね。デレ期というやつでしょうか?オッサンのデレ期とか誰得だよとは思うが・・・まあ、中身が変わったから仕方ない。
「それに・・・てっきり私とリシャーナはお前に嫌われていると思っていたからな。そんな風に優しい表情を向けられるとは思わなかった」
「・・・お二人を嫌いになったことなどありませんよ」
まあ、確かにカリスさんは両親に対してもかなり尖って接していたが・・・心から嫌いではなかったようだ。接し方がわからないというか・・・今の目の前の父上のように不器用な方法での接し方しかできなかったのだろう。事実として父上のことをカリスさんは尊敬していたし、母上にしても産んでくれたことに感謝をしているようだったしね。
そんな俺の言葉に父上はどこか嬉しそうに表情を緩めて言った。
「そうか・・・仕事の邪魔をして悪かった。たまには親子で酒を呑みたいのだが・・・付き合ってくれるか?」
「もちろんです。ローリエのことをよろしくお願いします」
そう言ってから父上は部屋を出ていったが・・・その背中は少し嬉しそうに見えた。
33
あなたにおすすめの小説
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが
カレイ
恋愛
天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。
両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。
でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。
「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」
そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる