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99 シスターズミッション

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「珍しいですわね、あなたが私に声をかけるなんて」

ローリエとセリュー様の婚約パーティーの翌日、当たり前のように我が家に来たセレナ様を呼び出して俺はお茶まで出していた。出したお茶をセレナ様が飲むのを見ながら俺は率直に聞いた。

「単刀直入に聞きましょう。最近こそこそと裏で何をしているのですか?」
「何の話ですか?」
「ここ最近あなたがコネを増やして何かを探されていると聞きましたので、ご協力できればと思いまして」

セリュー様からの相談内容はセレナ様がここ最近知らない人と何やら真剣に話しているので、なんとなく不安というものだったが、少し調べたら何やら服の素材を色々と探しているようだったのでそう聞いたのだ。別にセリュー様やセレナ様を心配する必要はないが、こちらから恩を売っておくにこしたことはないだろう。

セレナ様はその言葉にしばらく考えてから頷いて言った。

「なるほど、あなたに余計なことを吹き込んだのはセリューですね。それにしてもあなたからそんなことを言われるとは思いませんでしたわ」
「お互い転生者同士。仲良くするにこしたことはないでしょう?」
「仲良くねぇ・・・心にもないこと言うものではありませんよ?あなたはいざとなったら私を切り捨てる覚悟もあるのでしょう?」
「ええ、否定はしません」

転生者といえど、俺の家族に手を出すなら敵でしかない。まあ、そうは言ってもこれから先もこいつの裁縫スキルにはそこそこ期待しているので、仲良くするにこしたことはない。実際これまでローリエとサーシャのために作ってもらったドレスはどれも従来のものより、質が良かったので二人の輝きには必要になるだろう。

「あなたにまた借りを作ることになりますが、確かに私のコネクションではそろそろ限界でしたの。お手伝い頂けるなら助かりますわ」
「ええ、タダとは言いませんがそれなりの結果をお約束しましょう」
「そう、ありがとう。そろそろファッションを現代寄りにできないか模索していたのよ」
「現代寄りに?」

そう聞くとセレナ様は頷いて答えた。

「この世界は皆ドレスとか綺麗なものを好むけど、和服みたいなスタイルもあってしかるべきだと思わない?」
「作れる算段がついたのですか?」
「ええ、まだまだ課題は多いけどね。気になるなら試作品を持ってきましょうか?ローリエさんと、サーシャさんの分ならすぐに手配できますよ」

ローリエとサーシャの和服姿か・・・想像するだけでどれほど素晴らしいものかわかる。惜しむらくは俺が着物の着付けが出来ないことだろうか?

一度ほどいたら結べないんだよね。ローリエは可愛いと観賞するだけで済むけどサーシャの場合は勢いに任せて押し倒してしまいそうなので怖いところだ。そんな感じでセリュー様の悩みは杞憂に終わったのだった。


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