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114 殿下の悩み
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「セリュー様。近頃剣に迷いが見えますが何かありましたか?」
いつもの授業の後に、帰ろうとするセリュー様にそう聞くとセリュー様は少しだけ迷うように視線をさ迷わせてから決意したように聞いてきた。
「あの・・・フォール公爵にご相談したいのですが、聞いてきただけますか?」
「構いませんが・・・私でいいのですか?」
「はい。是非フォール公爵にお聞きしたいのです」
「わかりました。では別室で話しましょうか」
そう言ってから移動するが、セリュー様はその前に専属侍女のメフィに視線を向けると何かを抑えるように言った。
「フォール公爵に相談したいことがあるから待っててくれる?」
「わかりました。お待ちしております」
「・・・ありがとう」
明らかに彼女を意識している様子から相談内容がわかってしまい思わずため息が出そうになるが、それでも若人らしい悩みなので聞いてあげることにする。別室に移動してお茶を出すとセリュー様は控えめに聞いてきた。
「その・・・例えば、フォール公爵なら婚約者がいながら他の異性から好意を抱かれたらどうしますか?」
「私の場合の回答ですが、誰から好意を向けられても自分の想いを曲げることはありません。婚約者のことが好きなら迷わずに婚約者を選びます」
「そう・・・ですよね。フォール公爵ならそうなりますよね」
「ええ。ただ、それはあくまで私の場合です」
キョトンとするセリュー様に俺は一口お茶を飲んでから言った。
「例えばその相手の好意に少なからず嬉しいと思ってその好意を受け入れたいならそれも立派な愛の形です。私としても否定はしません。ただ、その好意を受け入れるならそれなりの覚悟をする必要があります」
「覚悟ですか?」
「ええ。自分にとっても相手にとっても、そして婚約者にとっても色んな意味での覚悟です。あなたの選択次第でそれらが大きく形を変えますから」
大方、ローリエへの恋心とメフィからの好意に板挟みにされているのだろう。そして、メフィにも少なくない好意が生まれている。まあ、チョロいと言うのは簡単だけど子供というのは情が変わりやすい。そういうこともあるし今のうちにそういう経験が出来るのはいいことだろう。
「・・・フォール公爵はどうして迷わずに進めるのですか?」
「互いの想いが確かにあるからです。私も相手が誰か他の異性のことを想っているなら大人しく身を引くでしょう」
まあ、サーシャのことだけど、本当に俺のことが嫌いで脈がないなら大人しく身を退いてサーシャの幸せのために尽力するだろう。どれだけ自分の中に醜い嫉妬があってもそれらを秘めたまま生涯を終える覚悟はある。まあ、その想い人にはかなりの憎悪があるがそれはなんとかやり過ごす。
「恥じることは何もありません。実るか分からない恋から確実な方に行く覚悟も時には大事です。あなたの優しさで救われる者もいるのだから。ただ、そうするならきちんと手順を踏むこと。そして、相手にも生涯を共にするだけの覚悟を持ってもらうことが大切です」
これは仮にヒロインに攻略される場合の伏線としても言っていることだ。セリュー様の想いがどの程度かわからないがそれが仮に続かなくて、万一ヒロインにタブらかされた時に少しでも考えるヒントになるように言っている。まあ、ローリエを本妻、メフィを側室にするならそこまで言わなくてもいいが、どうせならメフィ辺りにメロメロになってくれるとありがたいという本音もある。まあ、そうじゃなくても若い者の悩みには答えたいのが大人というものだ。
「あの・・・仮にですが、その好意を向けられている相手と身分の差とかがあって出来ない場合はどうしたらいいでしょうか?」
「そんなもの、どうとでもなりますよ。大切なのは気持ちです。相手と自分の。それさえ同じならあとは頼れる人に協力して貰ったり努力をすることです」
「・・・フォール公爵は凄いですね」
そう笑いながらもセリュー様はまだ迷いの中にいるようだった。まあ、じっくり考えればいいさ若人よ。ローリエを泣かす結果にならないなら俺は構わないからね。
いつもの授業の後に、帰ろうとするセリュー様にそう聞くとセリュー様は少しだけ迷うように視線をさ迷わせてから決意したように聞いてきた。
「あの・・・フォール公爵にご相談したいのですが、聞いてきただけますか?」
「構いませんが・・・私でいいのですか?」
「はい。是非フォール公爵にお聞きしたいのです」
「わかりました。では別室で話しましょうか」
そう言ってから移動するが、セリュー様はその前に専属侍女のメフィに視線を向けると何かを抑えるように言った。
「フォール公爵に相談したいことがあるから待っててくれる?」
「わかりました。お待ちしております」
「・・・ありがとう」
明らかに彼女を意識している様子から相談内容がわかってしまい思わずため息が出そうになるが、それでも若人らしい悩みなので聞いてあげることにする。別室に移動してお茶を出すとセリュー様は控えめに聞いてきた。
「その・・・例えば、フォール公爵なら婚約者がいながら他の異性から好意を抱かれたらどうしますか?」
「私の場合の回答ですが、誰から好意を向けられても自分の想いを曲げることはありません。婚約者のことが好きなら迷わずに婚約者を選びます」
「そう・・・ですよね。フォール公爵ならそうなりますよね」
「ええ。ただ、それはあくまで私の場合です」
キョトンとするセリュー様に俺は一口お茶を飲んでから言った。
「例えばその相手の好意に少なからず嬉しいと思ってその好意を受け入れたいならそれも立派な愛の形です。私としても否定はしません。ただ、その好意を受け入れるならそれなりの覚悟をする必要があります」
「覚悟ですか?」
「ええ。自分にとっても相手にとっても、そして婚約者にとっても色んな意味での覚悟です。あなたの選択次第でそれらが大きく形を変えますから」
大方、ローリエへの恋心とメフィからの好意に板挟みにされているのだろう。そして、メフィにも少なくない好意が生まれている。まあ、チョロいと言うのは簡単だけど子供というのは情が変わりやすい。そういうこともあるし今のうちにそういう経験が出来るのはいいことだろう。
「・・・フォール公爵はどうして迷わずに進めるのですか?」
「互いの想いが確かにあるからです。私も相手が誰か他の異性のことを想っているなら大人しく身を引くでしょう」
まあ、サーシャのことだけど、本当に俺のことが嫌いで脈がないなら大人しく身を退いてサーシャの幸せのために尽力するだろう。どれだけ自分の中に醜い嫉妬があってもそれらを秘めたまま生涯を終える覚悟はある。まあ、その想い人にはかなりの憎悪があるがそれはなんとかやり過ごす。
「恥じることは何もありません。実るか分からない恋から確実な方に行く覚悟も時には大事です。あなたの優しさで救われる者もいるのだから。ただ、そうするならきちんと手順を踏むこと。そして、相手にも生涯を共にするだけの覚悟を持ってもらうことが大切です」
これは仮にヒロインに攻略される場合の伏線としても言っていることだ。セリュー様の想いがどの程度かわからないがそれが仮に続かなくて、万一ヒロインにタブらかされた時に少しでも考えるヒントになるように言っている。まあ、ローリエを本妻、メフィを側室にするならそこまで言わなくてもいいが、どうせならメフィ辺りにメロメロになってくれるとありがたいという本音もある。まあ、そうじゃなくても若い者の悩みには答えたいのが大人というものだ。
「あの・・・仮にですが、その好意を向けられている相手と身分の差とかがあって出来ない場合はどうしたらいいでしょうか?」
「そんなもの、どうとでもなりますよ。大切なのは気持ちです。相手と自分の。それさえ同じならあとは頼れる人に協力して貰ったり努力をすることです」
「・・・フォール公爵は凄いですね」
そう笑いながらもセリュー様はまだ迷いの中にいるようだった。まあ、じっくり考えればいいさ若人よ。ローリエを泣かす結果にならないなら俺は構わないからね。
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