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119 サーシャの願い

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「あと少しかな・・・」

大きくなってきたサーシャのお腹を触りながらそう言うとサーシャは恥ずかしそうに言った。

「旦那様が気にしないのはわかってますが、それでも大きくなったお腹を触られるのは少しだけ恥ずかしいですね」
「そうかな?私としてはこれはこれで可愛いと思うけど」
「旦那様の前では細い自分でいたいんです」

なんとも可愛い台詞だけど、こればかりは仕方ない。何せ新しい命を作っているのだからそれなりに負担はある。それにサーシャの今までの兆候だと妊娠した後は確実に元のサイズに戻るので抱き心地も悪くならない。

「そういえば、最近はローリエが心配して来てくれるんです」
「みたいだね。仲良くできてて良かったよ」
「はい。旦那様のお陰です」

そう言いながら自分のお腹を愛しそうに撫でるサーシャ。その笑みにはえらく母性を感じられる。

「この子も元気に育って欲しい。旦那様と私の大切な子供ですから」
「そうだね。今度は男の子か女の子かどちらだろうね」
「ふふ、もしかしたらまた双子かもしれませんよ?」

そんな偶然が続くのだろうか?まあ、双子だとしても可愛いのには変わりないが。でも、双子だとサーシャへの負担もまた大きいだろうから少しだけ心配だ。子供は可愛いし好きだけど、サーシャが無事でないと意味はない。もちろん子供の安全を蔑ろにはしないけど、それでもサーシャのことも守りたいのだ。

「もう、旦那様ったら冗談ですよ」
「わかってるさ。それにしても妊娠しているサーシャにあまり手を出せないのは少しだけ物足りないね」

安定期に入っても念のためそういう行為は控えている。というか、負担が大きいのにそんな行為をしようとは思えないのだ。まあ、もちろんいずれは限界がくるかもしれないが、サーシャと子供の安全が第一。それを脅かすものは何人たりとも許さない。

「このまま食べちゃいたいけど・・・」
「だ、旦那様・・・まだ明るいですよ?」
「わかってるさ。だからこうして手を繋いで側にいるのは構わないだろ?」
「・・・はい。嬉しいです」

そんなやり取りをする俺とサーシャ。どれだけ忙しくてもサーシャとのイチャイチャがあれば俺はいつまでも戦える。どんな理不尽にも立ち向かっていけるのだ。やっぱりサーシャは最高だと思いつつ二人きりの時間を・・・いや、正確には三人での時間を過ごす。産まれてくる新しい子供のためにももっとよりよき国を作らないとね。最高のものを残してこそ親の務めというものだ。




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