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なんでこんなに可愛いの?
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エミリーを守る。
そう決意すると、ひとまず俺はエミリーのことを愛でながら少し考えてみる。
まず、注意が必要なのはヒロインだ。
【茨の園】のヒロインのジェシカはまだ今の段階では俺には接触出来ていない。
ストーリー的にはジェシカとは学園の中の社交パーティーで出会い、そこで興味をもったアルトがエミリーを遠ざけるためにジェシカを利用するというのが始まりのはずだ。
ならばまずどうすればいいか?
答えは簡単で、俺はエミリーだけを愛せばいい。
ジェシカに会うのは多分避けられないだろう。
こういうのはなんだかんだで物語の強制力などが発動したりする可能性が高いからだ。
なら、俺はジェシカに会ってもエミリー優先で行けば自然と好感度が下がるはずだ。
「あ、あの・・・アルト様・・・」
そう考えているとエミリーは恥ずかしそうにこちらをみていた。
ちなみに、さっきから俺は体を起こして隣にエミリーを座らせて、エミリーの頭をひたすら撫でていた。
なんだか、エミリーの瞳が少し潤みはじめていた。
「嫌だった?」
そう聞くとエミリーは首を横にふり、恥ずかしそうに言葉を紡ぐ。
「あの、その・・・こんなに優しいのは初めてなので・・・恥ずかしくて・・・」
「・・・・!」
そのあまりにももじもじと可愛いらしくしている姿に俺内心で身悶えてしまう。
なんなのこの可愛いエミリー?
俺をどこまで虜にしたら気がすむの?
そんなことを考えてしまうが、なんとか冷静になろうとする。
今までのアルトは婚約者のエミリーにあまり優しくはしていなかったようだ。
もちろん最低限夜会でのエスコートや婚約者としての振る舞いはしていたが、それもあくまで最低限だ。
今の俺のような行動はしていないらしくてエミリーは困惑しているのだろう。
俺はこれからの行動予定一覧にエミリーを可愛いがるを追加しながら、イケメンな顔を物凄い役立てるために優しく頬笑む。
「今まであまり態度で示せてなかったからね。でもこれからは・・・・」
俺はエミリーの耳元に囁くように声をかける。
「私の愛を目一杯受け止めてもらうからね?」
「・・・・・!?」
俺の甘い台詞にエミリーはとたんに茹でダコのように顔を赤くして、処理落ちしたパソコンのような動作で固まる。
そのあと、名残り惜しいがエミリーは侍女に任せて、部屋に返して俺はひとまず記憶の整理をはじめる。
まず、ここはクロード王国の貴族学園のセントレア学園の寮の部屋で俺はそこの生徒だ。
そんで、俺はアルト・フォン・クロード。
クロード王国の第一王子で、次期国王。
俺には妹が2人と弟が一人いて、国王、王妃ともに健在。
学園はあと2年で卒業で、卒業と同時に俺はエミリーと結婚して、クロード王国の国王になる予定だ。
ここまでが、今のアルトのこと。
次にこの【茨の園】だが、ここの展開はおそらく舞台裏で、物語はジェシカ視点で今も進行中だろう。
早ければ今頃にはジェシカは逆ハーレムを形成しはじめていて、俺は今週の社交パーティーではじめてジェシカに会う予定になる。
その後からジェシカとのイベントが増えて、嫉妬したエミリーがジェシカに嫌がらせをして婚約破棄になるというのが筋書きだ。
だが、俺はその運命には従わない!
あんなに可愛いエミリーを捨てて、ジェシカに行くとかアホの極みでしょ?なんなの?バカなの?前のアルト。
まず、今週の社交パーティーでエミリーを華麗にエスコートしてなんとかジェシカのことをスルーする。
そして、そのあともイベントすべてをスルーして俺はなんとしてもエミリールートを獲得してみせる!
あとは、周りの人達だが・・・
正直これは仕方ないだろ。
ジェシカの取り巻きの男達はひとまず放置で、エミリーに危害を加えないように注意。
ただ、問題なのは取り巻きの一人のサンデー・クリーチャーだろう。
サンデーは俺の友人であり卒業したら部下になる予定だが、頭があまり賢くなく、単純で騙されやすいのだ。
こいつはすでにジェシカの手に落ちているだろうから放置したいが、バカなのでエミリーに余計なことをしないか心配だ・・・
ひとまず、エミリーにさえなにもなければいいが、とりあえず信用できるやつを味方に引き込んでおかないとな。
そう考えた俺は明日、とある人物への訪問をきめて眠りについた。
そう決意すると、ひとまず俺はエミリーのことを愛でながら少し考えてみる。
まず、注意が必要なのはヒロインだ。
【茨の園】のヒロインのジェシカはまだ今の段階では俺には接触出来ていない。
ストーリー的にはジェシカとは学園の中の社交パーティーで出会い、そこで興味をもったアルトがエミリーを遠ざけるためにジェシカを利用するというのが始まりのはずだ。
ならばまずどうすればいいか?
答えは簡単で、俺はエミリーだけを愛せばいい。
ジェシカに会うのは多分避けられないだろう。
こういうのはなんだかんだで物語の強制力などが発動したりする可能性が高いからだ。
なら、俺はジェシカに会ってもエミリー優先で行けば自然と好感度が下がるはずだ。
「あ、あの・・・アルト様・・・」
そう考えているとエミリーは恥ずかしそうにこちらをみていた。
ちなみに、さっきから俺は体を起こして隣にエミリーを座らせて、エミリーの頭をひたすら撫でていた。
なんだか、エミリーの瞳が少し潤みはじめていた。
「嫌だった?」
そう聞くとエミリーは首を横にふり、恥ずかしそうに言葉を紡ぐ。
「あの、その・・・こんなに優しいのは初めてなので・・・恥ずかしくて・・・」
「・・・・!」
そのあまりにももじもじと可愛いらしくしている姿に俺内心で身悶えてしまう。
なんなのこの可愛いエミリー?
俺をどこまで虜にしたら気がすむの?
そんなことを考えてしまうが、なんとか冷静になろうとする。
今までのアルトは婚約者のエミリーにあまり優しくはしていなかったようだ。
もちろん最低限夜会でのエスコートや婚約者としての振る舞いはしていたが、それもあくまで最低限だ。
今の俺のような行動はしていないらしくてエミリーは困惑しているのだろう。
俺はこれからの行動予定一覧にエミリーを可愛いがるを追加しながら、イケメンな顔を物凄い役立てるために優しく頬笑む。
「今まであまり態度で示せてなかったからね。でもこれからは・・・・」
俺はエミリーの耳元に囁くように声をかける。
「私の愛を目一杯受け止めてもらうからね?」
「・・・・・!?」
俺の甘い台詞にエミリーはとたんに茹でダコのように顔を赤くして、処理落ちしたパソコンのような動作で固まる。
そのあと、名残り惜しいがエミリーは侍女に任せて、部屋に返して俺はひとまず記憶の整理をはじめる。
まず、ここはクロード王国の貴族学園のセントレア学園の寮の部屋で俺はそこの生徒だ。
そんで、俺はアルト・フォン・クロード。
クロード王国の第一王子で、次期国王。
俺には妹が2人と弟が一人いて、国王、王妃ともに健在。
学園はあと2年で卒業で、卒業と同時に俺はエミリーと結婚して、クロード王国の国王になる予定だ。
ここまでが、今のアルトのこと。
次にこの【茨の園】だが、ここの展開はおそらく舞台裏で、物語はジェシカ視点で今も進行中だろう。
早ければ今頃にはジェシカは逆ハーレムを形成しはじめていて、俺は今週の社交パーティーではじめてジェシカに会う予定になる。
その後からジェシカとのイベントが増えて、嫉妬したエミリーがジェシカに嫌がらせをして婚約破棄になるというのが筋書きだ。
だが、俺はその運命には従わない!
あんなに可愛いエミリーを捨てて、ジェシカに行くとかアホの極みでしょ?なんなの?バカなの?前のアルト。
まず、今週の社交パーティーでエミリーを華麗にエスコートしてなんとかジェシカのことをスルーする。
そして、そのあともイベントすべてをスルーして俺はなんとしてもエミリールートを獲得してみせる!
あとは、周りの人達だが・・・
正直これは仕方ないだろ。
ジェシカの取り巻きの男達はひとまず放置で、エミリーに危害を加えないように注意。
ただ、問題なのは取り巻きの一人のサンデー・クリーチャーだろう。
サンデーは俺の友人であり卒業したら部下になる予定だが、頭があまり賢くなく、単純で騙されやすいのだ。
こいつはすでにジェシカの手に落ちているだろうから放置したいが、バカなのでエミリーに余計なことをしないか心配だ・・・
ひとまず、エミリーにさえなにもなければいいが、とりあえず信用できるやつを味方に引き込んでおかないとな。
そう考えた俺は明日、とある人物への訪問をきめて眠りについた。
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