悪役令嬢は溺愛される

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閑話 私が返せるもの(エミリー)

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「エミリー。少しは落ち着いたら?」

アルト様が出ていかれてからしばらく話していると、マリーナからそう言われてしまいました。

「アルト様がいなくて寂しいのはわかるけど・・・」

「な、べ、別に私は・・・」

「嘘つきなさい。顔に書いてあるわよ?『アルト様といちゃいちゃしたーい』って。」

「い、いちゃ・・・・!?」

マリーナの言葉に顔から自然と暑くなります。
べ、別に私はアルト様といちゃいちゃなんて・・・いちゃいちゃ・・・

「えへへ・・・」

「おーい。エミリー。・・・聞いてないか。」

「マリーナ。多分エミリーは頭の中でアルトといちゃいちゃしているので忙しいんだよ。」

アルト様といちゃいちゃ・・・あぁ、アルト様・・・先程まで握られていた右手にそっと触れるとまだ温もりが残ってる気がします・・・

思えば今日のアルト様もいつもより・・・いつも格好良いけど、それよりももっと格好良かったです。

私のせいで皆さんに多大な迷惑をお掛けしたのに・・・アルト様にも迷惑をかけたのに、アルト様はただ、優しく大丈夫と言ってくれました。

皆さんの前で、い、愛おしいとも言ってくれましたし、世界で一番私を愛おしいと・・・えへへ・・・はっ、いけません。いけません。ご迷惑をかけておいてこんな態度では!

でも・・・あの時のアルト様の私を抱き締める力強さ・・・温もり・・・何度も思い出してしまいます。

「アルト様・・・」

自然と呟いてしまってから私ははっとして慌てて二人を・・・ロイン様とマリーナ様を見ると二人とも私の方を笑いながらみてました。

き、聞かれました・・・?

「本当にエミリーはアルト様ラブだよねー。」

「はぅぅ・・・」

笑いながらそう言ったマリーナとそれににこやかに頷いたロイン様から顔を反らして思わず赤面してしまいます。

は、恥ずかしいです・・・

そんな風に顔を反らしていると、ロイン様が「それはともかく」と話題を変えるように言葉を出しました。

「まあ、でも心配せずともアルトは、じきに戻るよ。」

「ロイン様はアルト様が何をされているのかご存じなのですか?」

「まあ、ある程度はね。」

流石はロイン様です。アルト様は私には何も教えてくれませんが・・・

「私のため・・・なんですよね?」

アルト様はいつも私のために色々と頑張ってくださっています。
今回のことにしても前にしても・・・

私の質問にロイン様はにこやかに笑うだけでしたが・・・多分正解なんだと思います。

「私は・・・アルト様に何をお返し出きるでしょうか・・・」

「おっと。その質問はダメだよエミリー。」

「そうだよ。アルト様はエミリーのことが大好きでやってるからエミリーがそんな風に悩んだらアルト様に失礼だよ?」

「ですが・・・」

それでも私は・・・

「んー。エミリーはさ。アルト様にもし望んでやったことを返したいって言われたらどう思う?」

「それは・・・」

マリーナの質問に言葉に詰まってしまいます。
そんな私に諭すようにマリーナは言葉を続けます。

「好きな人のために自分も何かしたい・・・そう思うのはもちろんいいことだけど、それを思い詰めちゃダメだよ?素直な気持ちで・・・相手が望んでいることを受け入れるくらいでいないと。」

「素直な気持ちで・・・」

「そうだよ。義務じゃなくて・・・心から相手にしたいことをすればいいんだと思うよ?」

マリーナの言葉に私は少し反省します。
確かに、私は絶対にアルト様に何かをしないといけないと思っていたかもしれません。

「ありがとう、マリーナ。」

「いいのよ。親友なんだし。あ、でも、どうしてもアルト様を喜ばせたいなら方法があるにはあるけど・・・」

「本当ですか!?」

思わず私はマリーナの方に身を乗り出したしまいました。
いけない。はしたないです。

「うん。あのね・・・ごにょごにょ・・・」

「・・・・はぅ!?」

言われた内容に思わず赤面してしまいます。
ほ、本当にそれでアルト様は喜ぶのでしょうか?

「きっと大丈夫だよ!」

「まあ、アルトなら確実だろうね。」

元気にそう言い切るマリーナとそれに同調するロイン様に私は恥ずかしいとは思いつつも・・・アルトさまのためなら頑張ろうと決意します!

だ、大好きなアルト様のためなら・・・。



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