悪役令嬢は溺愛される

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ヒロイン?放置だ放置!あとはエミリーといちゃラブだい!

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「いてて・・・あの脳筋め・・・」

マイクが連れてかれてから俺は頬を擦る。
殴られた瞬間に体を半歩引いたから対してダメージを受けなかったけど・・・痛いものは痛い。

アルトの圧倒的な身体能力だからこその芸当だけど、せっかくのアルトさんのイケメンフェイスを殴るとは・・・

「大丈夫ですか?ご自慢の顔が腫れてますよ?」

「いたのかジークフリード。」

相変わらずの神出鬼没差で表れたイケメン執事は用意のいいことにちゃっかりと氷のうを持ってきて渡してくれた。

「痛てて・・・」

「全く・・・ご自分から殴られに行くなど正気ではありませんよ?」

「仕方ないだろ?面倒な脳筋を排除するのに一番早い方々がこれだったんだから・・・」

やってることはある意味悪役みたいだけど・・・エミリーに害をなそうとする存在なら俺は悪役だろがなんだろうが手段は選ばない。

エミリーのためなら神様だろうと魔王様だろうと敵に回せる・・・そんな心持ちだ。

とはいえ・・・

「また、エミリーに心配かけるのは嫌だな・・・」

「だからお止めしましたのに・・・」

そうは言うがなわジークフリードよ。その時はエミリーの敵のことで頭が一杯で自分のことなど気にしてなかったが・・・よく考えたら俺が傷ついたからエミリーにまた心配かけそうだと思って、今から憂鬱な気分になる。

「はぁ・・・でも今すぐエミリーに会いたいから複雑だよ。」

こんな顔で会えば心配されるだろうけど・・・もう限界だ!いい加減エミリーに会わないと俺のエミリー成分が足りてなさすぎる!!

たった数時間だろって?

甘い甘いぞ若造!俺にとってエミリーと離れている時間=無意味なんだよ!!

ライフ=エミリー。エミリーとはすなわち俺にとっての活力そのもの。

俺にとっての心臓と言ってもいい存在だ!

もはや俺の体はエミリー無しでは生きられない体にされてしまったのだよ!!

・・・・なんかやらしい表現になっちゃったけどある意味正しいから訂正はしない。

「とりあえず応急手当しますからそれで早く会ってあげてください。」

そう言ってどこからか救急セットらしきものを取り出して作業にかかるジークフリード。

「ああ、頼む。」

なるべく早くな!とはもちろん言わないがこの万能執事なら心を読んで早めにすませるだろう。

とりあえず俺の仕事はここまで・・・あとはヒロインと残りの取り巻きだけど・・・ぶっちゃけどんな思惑があるにしろ、エミリーに危害を与えそうな人間は排除するだけだ。

ヒロイン様が本当に転生者で何の思惑があるにしろ、俺にとっての一番はエミリーだ。
エミリーに何もなければそれでいい。

あぁ、それにしても・・・早くエミリーに会いたいよ!

あの華奢だけど、柔らかい体をそっと抱き締めて・・・・腕のなかで少し恥じらいながらも頬笑むエミリー・・・

「アルト様。お顔が崩れてますよ?」

そんなエミリーに会えないことによる禁断症状が出ているとイケメン執事にそう注意された。

仕方ないだろ!エミリーに会えない時間は俺にとってもっとも過酷な時間・・・日に日に増大する依存性はもはや一種の薬物・・・あぁ、エミリーになら溺れてもいい・・・

苦笑する執事に手当てをされながら俺は一刻も早くエミリーに会いたいと妄想を加速させていった。



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