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好きな人にはカッコつけたい
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「そういえば・・・アルト。何か話があると言っていたが・・・」
二人で互いに妻と婚約者で惚気あっていると父上が思い出したかのようにそう聞いてきた。
そうそう・・・
「あ、実はお願いがありまして・・・学園が今回の件でしばらく休みになったことはご存じですよね?」
「ああ。報告は受けているよ。それで?」
「実はこの休みにエミリーをどこかに連れていってあげたいと思ったのですが・・・」
「なるほど・・・私の元へ来たのは仕事の件か?減らすことは出来るが・・・」
その言葉に俺は首を横にふって否定した。
「違います。仕事に関しては自分で終わらせるので問題はありませんが・・・今回父上に直接お会いしたかったのは、いくつかの案件をスムーズに終わらせるためです。ジークフリード」
「はい」
俺の言葉に相変わらずの神出鬼没さで表れるイケメン執事さん・・・そして、差し出された書類を父上に渡した。
「これは・・・私の承認が必要な案件か?」
「ええ。父上に直接お会いしたかったのはこれらの件は父上と話した方がスムーズに終わると判断したからです」
そう・・・俺に回ってくる仕事のいくつかは父上・・・まあ、つまり国王の承認が必要な案件があって、勉強の意味で俺に一度渡されるのだが・・・それではエミリーとの時間を取れないのであるだけ全部をまとめて父上に見せたのだ。
「なるほど・・・しかしそれで大丈夫なのか?減らすこともできるが・・・」
「父上・・・私は、私とエミリーの時間のために早く仕事を終わらせたいのです。それに・・・婚約者にうつつを抜かして仕事を放り投げたなどと言われてはエミリーの顔にも泥を塗ることになります。私は・・・第1王子のアルト・フォン・クロードは、婚約者にベタぼれしてから優秀になったと言われたいんですよ」
そう・・・決してエミリーのせいで腑抜けたなんて言われたくはない。
むしろ婚約者が出来てから今まで以上に仕事にやる気を出したと言われたいのだ。
まあ、ロインも手伝ってくれてるし、ジークフリードもかなり重要な案件から仕事を分けてくれているので現状ではギリギリなんとかなっているのも理由ひとつではある。
確かにここで父上に仕事を減らしてもらえればエミリーとの時間を余裕で確保はできるけど・・・それでは真面目なエミリーに気を使わせてしまいかねないし、何より周りからの俺への視線が「婚約者にうつつを抜かす馬鹿王子」になりかねないので、俺としては別に俺がどう見られようが構わないが・・・エミリーの婚約者としてだらしない感じにはしたくないのだ。
「そうか・・・お前がそれでいいなら構わないよ」
「ありがとうございます父上。ではさっそくこの件なのですが・・・」
そうして俺は効率よく仕事を終わらせることができた。
父上の成長した息子を見る感慨深げな表情には少しむず痒く感じたが・・・まあ、エミリーとこれでイチャイチャできるなら安いものだ。
二人で互いに妻と婚約者で惚気あっていると父上が思い出したかのようにそう聞いてきた。
そうそう・・・
「あ、実はお願いがありまして・・・学園が今回の件でしばらく休みになったことはご存じですよね?」
「ああ。報告は受けているよ。それで?」
「実はこの休みにエミリーをどこかに連れていってあげたいと思ったのですが・・・」
「なるほど・・・私の元へ来たのは仕事の件か?減らすことは出来るが・・・」
その言葉に俺は首を横にふって否定した。
「違います。仕事に関しては自分で終わらせるので問題はありませんが・・・今回父上に直接お会いしたかったのは、いくつかの案件をスムーズに終わらせるためです。ジークフリード」
「はい」
俺の言葉に相変わらずの神出鬼没さで表れるイケメン執事さん・・・そして、差し出された書類を父上に渡した。
「これは・・・私の承認が必要な案件か?」
「ええ。父上に直接お会いしたかったのはこれらの件は父上と話した方がスムーズに終わると判断したからです」
そう・・・俺に回ってくる仕事のいくつかは父上・・・まあ、つまり国王の承認が必要な案件があって、勉強の意味で俺に一度渡されるのだが・・・それではエミリーとの時間を取れないのであるだけ全部をまとめて父上に見せたのだ。
「なるほど・・・しかしそれで大丈夫なのか?減らすこともできるが・・・」
「父上・・・私は、私とエミリーの時間のために早く仕事を終わらせたいのです。それに・・・婚約者にうつつを抜かして仕事を放り投げたなどと言われてはエミリーの顔にも泥を塗ることになります。私は・・・第1王子のアルト・フォン・クロードは、婚約者にベタぼれしてから優秀になったと言われたいんですよ」
そう・・・決してエミリーのせいで腑抜けたなんて言われたくはない。
むしろ婚約者が出来てから今まで以上に仕事にやる気を出したと言われたいのだ。
まあ、ロインも手伝ってくれてるし、ジークフリードもかなり重要な案件から仕事を分けてくれているので現状ではギリギリなんとかなっているのも理由ひとつではある。
確かにここで父上に仕事を減らしてもらえればエミリーとの時間を余裕で確保はできるけど・・・それでは真面目なエミリーに気を使わせてしまいかねないし、何より周りからの俺への視線が「婚約者にうつつを抜かす馬鹿王子」になりかねないので、俺としては別に俺がどう見られようが構わないが・・・エミリーの婚約者としてだらしない感じにはしたくないのだ。
「そうか・・・お前がそれでいいなら構わないよ」
「ありがとうございます父上。ではさっそくこの件なのですが・・・」
そうして俺は効率よく仕事を終わらせることができた。
父上の成長した息子を見る感慨深げな表情には少しむず痒く感じたが・・・まあ、エミリーとこれでイチャイチャできるなら安いものだ。
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