悪役令嬢は溺愛される

yui

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「あら?おかえりなさい」

「お、おかえりなさいませアルト様・・・」

父上との話を終えて部屋に戻ると上機嫌な母上と何やら恥ずかしそうにしているエミリーの姿が・・・うん、多分俺との会瀬を話したんだろうねエミリー。

「ただいまエミリー、母上。」

「ふふ・・・やっぱり私よりエミリーの方が先なのね」

「大好きな婚約者ですからね」

俺のその言葉に緊張気味にしていたエミリーがさらに真っ赤になる・・・か、可愛いすぎる!

そんな俺に満足気にうなずいてから母上はエミリーの方を見て言った。

「エミリー。さっきの通りにやれば大丈夫よ」

「は、はぃ・・・」

なんの話なのかさっぱりだが・・・何やら覚悟を決めたようにこちらに近づいてくるエミリー。

俺の前に立つとエミリーは恥ずかしそうに俯いてから・・・少し潤んだ瞳をこちらに向けてきて言った。

「あ、アルト様・・・す、少しだけ目を瞑ってくれませんか・・・?」

「もちろんです」

何をされるにしろエミリーのお願いとあれば俺は即座に目を瞑ってその場に棒立ちになった。
もう少しエミリーの潤んだ瞳を見ていたかったが・・・うん、エミリーの言葉に俺は逆らったりはしないさね。
エミリーのお願いならなんでも聞こうよ。もちろん。

「あ、ありがとうございます・・・では・・・その・・・失礼します・・・」

そう言ってエミリーは何やら数瞬深呼吸をしてから目を瞑っている俺に静かに近づいてくる。
気配だけしかわからないけどね。
しばらくして、何やら右側から吐息が聞こえてきたと思ったらそのまま右側に柔らかい感触とそして少し後に耳にヌルリと生暖かい感触と体温が伝わってきて・・・!

「はむはむ・・・」

目をあける訳にはいかないので全身の神経を全て右側に注いでいると聞こえてくる可愛い効果音と右側にある体温、そして耳に伝わる感触・・・うん、確実にエミリーに俺は抱きつかれてしかも耳を甘噛みされている!

あぁ・・・エミリーの身体が柔らかい・・・それにエミリーの甘噛みが心地よすぎる!
少しくすぐったいけど、エミリーの「はむはむ」というなんとも可愛い効果音と目を瞑っているという状況に俺の脳内は否応なしににいろんな妄想が加速アクセラレートしていき、理性が焼ききれそうなところでエミリーはさらに追い打ちをかけるように耳元に囁くように言った!

「アルト様・・・好きぃ・・・」

・・・・・・・・・!?!?!?!?!?!?
※↓◎●&▲●◎◎↓▽◎*▽○#<#&℃≧±≦≦℃∞°+》「+-≦≧」+<<′≦≦>「〓※▼▽▽↓↑▽▼〒◆▽▼※◆▽▲△▲※◆◆〒▽▽◎◆◆∋∈※※◆〒▲▲△△☆☆★○▽▽〓▼▼◇£¢≧

理性の処理が限界に達してしまいました。
処理落ち中です・・・ロードまでしばらくお待ちください・・・

データベースにバックアップをしています。

先程の体温と感触を永久的に保存中・・・先程の言葉の意味を検索。再生。

『アルト様・・・好きぃ・・・』

・・・・・・・・・・・結論。
エミリーが可愛いすぎる!

や、ヤバイ・・・完全に脳内が処理落ちしてカオスなことになっていた!

ちょっ、エミリーさん!俺、親の前で危うく押し倒してしまうところだったんだけど!

誰だこんな素敵なことをエミリーに入れ知恵したのは!母上か!そうなのか!?ありがとうございます!!!

あ、あのエミリーが俺に抱きつくだけではなく、耳に甘噛みまでして・・・しかも最後に不意打ちのように好きと言われる・・・や、ヤバイ・・・エミリーさんが小悪魔すぎる!

こ、このままでは俺がそのうち18禁へと足を踏み入れることになってしまう!

い、いや、エロゲーの主人公的には正しいかも知れないが・・・元は少女漫画だよ?いくら過激な描写があろうがR指定は不味いよ!

い、いや、不味くはないよ。むしろうれしい・・・というか、俺としてもそろそろそちらに足を踏み入れることにしたいけど・・・う、初なエミリーのためには耐えなければ・・・が、我慢だ俺・・・!

今この場でエミリーを襲えば気持ちと体は楽にはなれるが・・・最悪エミリーに「アルト様怖い・・・」なんて言われかねないぞ・・・た、耐えろ・・・そんなこと言われたらガチで自殺ものだぞ・・・!

俺はエミリーに対しては常に紳士でいたいの!初なエミリーの心の準備ができるまでは耐えるんだ!

負けるな羊さん・・・!狼さんは強敵だが、エミリーのためなら勝てるはずだ!

そんな内心パニックで顔は確実に真っ赤な俺を見てエミリーが密かに嬉しそうにしていたらしいことは・・・後で母上から聞いた。

俺の恥ずかしそうにしている表情が可愛いと言っていたらしいと聞いたときには理性がまたも悲鳴をあげたが・・・耐えた俺は頑張ったと思う!

エミリーが可愛いすぎて辛い!
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