悪役令嬢は溺愛される

yui

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イチャイチャに同じ臭いが・・・

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「旅行はいいが・・・明後日の夜会だけは出てくれよ?」

旅行について、エミリーと話していると父上からやんわりとそう言われてしまった。

「夜会・・・ですか?」

「ああ。アルトとエミリーの仲が良くなったのを公にしたいからな」

父上はそう説明はするが・・・これは半分の理由だ。
もう半分は単純に・・・続篇ヒロイン候補の姫様との件の落としどころだったからだ。

俺はその姫様に会う理由はないが・・・無下に断って波風をたてるわけにもいかない・・・そこで、夜会という場所で挨拶だけをして、あくまで俺はエミリーと仲が良いことをアピールしようというのが一番の理由だ。

本当はエミリーと接触させるのはあまり俺としては気が乗らないが・・・まあ、何かしようとしたら即戦争も辞さない覚悟ではありますよ、ええ。

流石に公の場所で何かしてくることはないだろうが・・・最悪向こうが何かしら手を出してきたらそれ相応に報いを与えるつもりなので大丈夫だ。

エミリーの安全は俺が守るし・・・何より本当にヒロイン候補でエミリーと俺の邪魔になれば・・・他国の姫様だろうと、やりようによっては消せるのでとりあえず問題ないだろうしね。

そんなことを考えているとエミリーが「あの・・・」と控えめに声をかけてきた。

「その・・・私も夜会に参加ですか?ドレスの準備が出来てませんが・・・」

「ああ、それは大丈夫だよ。エミリーのために特注のドレスを頼んであるから」

もしもの時を想定して侍女に着替えの時にサイズを計らせて、作っておいてよかったよ。
そういう可能性もあると考えてたからね。

「私のためにわざわざ・・・」

「エミリーのためだからだよ」

そう言うとエミリーは嬉しそうに微笑んだ。

「ありがとうございますアルト様・・・」

それを見て母上は父上の方に体を預けて言った。

「ふふ・・・本当にラブラブね。私もたまには甘えようかしら?ねぇ。あ・な・た」

「ぶっ!な、アルト達の前で何を言ってるんだ!」

飲んでいたお茶を吹きそうになって真っ赤になる父上とそれを見て微笑ましげにしている母上。

「ふふ・・・冗談よ。相変わらず可愛い人なんだから」

「ぐっ・・・」

何やら向こうもイチャイチャし始めたけど・・・子供の前でやるか普通?
まあ、俺も両親の前で平気でイチャイチャしたわけだけど・・・なんだろ・・・血の繋がりを感じるよね。主に母上に。

父上に甘えてからかうように・・・でもだだ甘いやり取りをする母上と、エミリーのことをひたすら愛でる俺・・・近いものを感じるよね本当に。





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