悪役令嬢は溺愛される

yui

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結局、やることは一緒

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「まずは礼を言いたい・・・娘を助けてくれてありがとう」

キャロライン公爵ーーーお義父様に連れ出されてまず言われたのはそんな言葉だった。

うーん・・・当たり前のことだけに礼を言われるのは釈然としないが・・・これが本題ではないだろうし・・・

「当然のことですお義父様。それで本題は?」

「うむ・・・賊についてだが、エミリーを襲った連中はほとんど君の執事が捕まえてくれたので助かったのだが・・・街にいた連中にはまんまと逃げられたそうだ」

そういえばジークフリードが南側でも騒ぎがおきてるとか言ってたな・・・逃げられたのか。

にしても、やっぱりあのイケメン執事は人外なのだろうと常々思うよ。比喩じゃなく、マジに。

今回、あいつがいなかったら本当に危なかった・・・危うくエミリーを失うところだったんだから。

・・・・・くそ!後手に回ったのが裏目にでた。

まさかヒロイン候補の姫様がこんなに早く強硬手段に出てくるなんて予想外だったし、仕方ないとはいえ、エミリーの側を一時でも離れた俺は間抜けすぎる!

弟・・・バスから聞いた話で完全にヒロイン候補の姫様はヒロイン気取りの頭が空っぽなタイプだと断定していたのがそもそも間違いだったのだろう。

こちらが相手の情報を仕入れられるなら向こうもこちらの情報を握っていてもおかしくはないし、エキセントリックな言動をしておいて、こちらを油断させてから確実にエミリーを狙うことだって、想定しておくべきだった。

・・・・とはいえ、いきなりこんな手段で来るとは・・・もしかして俺が記憶持ちであることは相手も承知してるのか?

だとしても・・・いきなりエミリー本人を狙うとは想定外もいいところだ。

しかし・・・わからない。

記憶持ちであるとしても、こんなに早く強硬手段を取ったのはなんでだ?続編・・・というか、アナザーストーリーの展開を知らないからなんとも言えないが、もしかしてどこか展開と違うところで俺の正体に気づいて先に仕掛けてきたのか?

・・・・・いや、考えるのは後にしよう。

「陛下はこの件には何と?」

「陛下は・・・早急に賊の正体を突き止めて排除にあたる姿勢を見せている。とはいえ、賊の正体はほとんどわかっているのだが・・・」

「最近、問題視されている山賊集団・・・ですか?」

俺のその質問にお義父様は「知っていたのか・・・」とため息をついて言った。

「彼らは自らの集団のことを・・・なんと言ったかな?確か『ピヤー』と名乗っていたな。意味はわからないが・・・」

ん?ピヤー?叫び声かなんかか?

いや待てよ・・・うろ覚えだけど確か、フランス語で『pilleur』と書いて『略奪者』とかいう意味の言葉があったような・・・・

略奪者・・・山賊につけるには洒落た名前過ぎるが・・・なんだが、バックにヒロイン候補の姫様が見える気がする。

少なくとも俺の知ってる意味なら・・・相手も確実に前世の記憶持ちである可能性は高くなったな。

その山賊の連中・・・ピヤー?なんか気の抜ける名前だけど、そいつらも排除する必要があるかもな・・・

「アルトくん・・・私は奴等がエミリーのことを狙ったのが偶然なのか少し疑っているんだ」

そんなことを考えていたらお義父様がそう言った。

「というと?」

「今回、南側で暴れた連中とエミリーのことを狙った連中は同じ集団みたいなんだが・・・何故エミリーのことを狙った?そもそも、まるでエミリーの元に兵が来ないように南側で連中が暴れて陽動になっていたように感じるのは何故だ?私はそれが気がかりだ・・・偶数キャロライン公爵家のエミリーキャロラインを襲ったのか・・・はたまた、君の・・・アルト・フォン・クロードの婚約者のエミリー・キャロラインを狙ったのか・・・そんな疑問が浮かんでしまう」

「お義父様はこれが何者かによる作為的なものだとお考えで?」

「偶然・・・にしては、出来すぎだとは思っているよ」

流石、公爵というか・・・・かなり色んな可能性を考えているようだ。
多分、公爵の読みは正しいが・・・

「どちらにせよ・・・私のやることは何も変わりませんよ。エミリーの害になるものは・・・潰します」

そう、別に相手が何を企んでても結局のところ俺の意思は何も変わらない・・・エミリーの害になるものは排除する。エミリーの害になるなら・・・相手が誰であろうと潰すだけだ。

「そう・・・だな。今の君なら大丈夫か・・・エミリーのことをくれぐれも頼む」

「もちろんです。エミリーのことは絶対に守ります」

「頼もしい限りだよ」

俺の意思の籠った瞳をみてお義父様はほんの少しだけ・・・安心したように表情を緩めて答えた。
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