風華風唱-400年経った世界は残酷で優しかった

Aime

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1章

10.

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Side:七瀬(ナナ)


俺たちは調査で潜入をしている風華組のナンバーズ。


風華組のナンバーズはその名の通り、風華組で幹部問わず、実力の上位トップ8までの実力者を示した名である。


俺はNo.5のコードネーム“弐雁(にかり)”。そして隣の飯山呂姫(いいやま ろき)はNo.6の“蓮華(れんげ)”だ。


俺たちが束になっても敵わないのが姫。


風華組の長、李都様の弟であり俺たちの主人である。


ナンバーズ達はほとんどが国家や国にひれ伏す貴族どもが人体実験を繰り返していた施設から助け出された者が多く、姫の命を最重要として風華組に従う。


孤児だった俺も、親に売られたロキも例外ではなく珍しい能力を解析や分析をする組織に捕らわれていた。


能力者は2つに分けられる。


1つは元素を操る者、もう1つは心を読むや、物を浮かす等の元素を操らない者。


特に元素を操る者は数が少なく、かつてこの日本を守ってきた五大部族の血を少しでも受け継いだ者である証とされ、その能力を少しでも血縁では無い者に受け継がせる為に国家が研究をしているという。


俺は雷、ロキは土。


その能力ゆえに組織に捕えられれていた俺たちを助けたのは姫だ。


姫の為ならばこの命惜しくはない。


そんな覚悟の中、今回は姫がずっと追っているトリナッツァの調査が俺たちに舞い込んできた。


トリナッツァ関連は姫が調査しているがら今回は任務中だった姫に代わり長の命での調査任務だ。


だが、俺たちでは結果が出せず姫の手を煩わせてしまった。


普段のんびりしているロキも姫の様子が気になってチラチラと俺と姫を見比べている。


俺たちは姫の後をついて歩いているため、姫の顔が見えない。


食堂を出てからの姫はまったく喋らない。


「姫…」


「…」


あっ、姫と呼んでも絶対に返事をしないのだった…


「まっ「今は志野唯都です。」…唯都様。」


「何ですか、ナナ?」


ナナというのは姫が七瀬と言うのはめんどくさいと言ったからだった。


ちなみに呂姫はそのままロキだ。


「申し訳ありません、我々の調査が遅れており…」


「俺の手を煩わせて・・・と言いたいところですが、事態はことを要しております。」


周りに人がいるせいか、口調は‘志野唯都’のものだ。


「申し訳「言い訳は要りません。
調査結果はあとで聞きます。
僕達が知り合いとはいえ、そんな様子で一緒にいることは今後に影響が出ます。
先ほど申したでしょう。夜12時に来なさい。
窓からですよ。」…はい。」


姫は立ち止まった俺と呂姫を置いて人混みの中に姿を消した。


「……怒っているかな」


今まで口を開かなかった呂姫がポツリと言った。


「怒っているな・・・ただでさえ長期任務が嫌いな姫に、更に嫌いな群れの中での生活だぞ?さっさと終わらせたいって思っているだろうな…。」


「極炎さんと長のこと…」


「いずれ会うだろ?
こんな人の気配がぷんぷんする所、姫が耐えられるはずがない。
そのうち向こうから迎えにくるさ。」





Side:唯都


ナナとロキの二人と別れて俺は寮の部屋へ戻ってきた。


まだ夕食時だからか人の気配は少ない。


ふぁ…義樹はまだ帰ってきてないし、今のうちに寝ておこうとベッドに寝転んだ。


そのままごろごろとしているといつの間にか寝入ってしまったらしい。


ガチャン、ガチャガチャ…バタン


人の気配とともにドアが開く音。


あぁ、帰ってきたのか。


よいしょっと起き上がると、机に置いたパソコンを起動させた。


メールをあけると任務達成の報告や、新しい任務が色々とはいっていた。


風華組の仕事は兄さんが長として行なっているが、ナンバーズに関してのみ俺が受け持っている。


まぁ、ナンバーズは俺の命以外はほとんど動かない。


だが、今は風華組に入ってくる依頼は俺も全て確認をしている。


トリナッツァの案件がないか確認するためだ。


たまに、下っ端の依頼を暇つぶし程度にやったりもしている。


……あ、これやろうかな。


俺が見ているのは、ある大富豪の情報。


トリナッツァを買っている疑いがある。


その前に今回の情報を収集するために、俺の手は休みなく動いていた。





夜もふけて、時刻は12時。


コンコンッ


控え目な窓を叩く音に俺は画面から頭をあげた。


「開いている」


「失礼します」


窓から入ってきたのはナナとロキ。


「その辺に座れ。そして報告。」


俺の傍らに跪き、頭を垂れる。


そのままの状態でナナが報告をし始めた。


「はい、トリナッツァの出処までの特定は出来ておりませんが、売り人は生徒です。
買った者たちからの情報ですと、いつも青い服で、背中に龍と稲妻の絵がプリントされているそうです。」


「買った者に話を聞いても、顔までは分からなかったそうです。」


No.5の弐雁(にかり)であるナナとNo.6の蓮華(れんげ)、呂姫が交互に話す。


「龍と稲妻の絵…、心当たりはあるか?」


「はい、恐らく国家の紋章を模倣して作られたではないかと。」


この国の紋章は龍と稲妻。


100年ほど前から変わらない印だ。


忌々しい、俺が最も嫌悪する紋章。


「売人の情報ならつかんだ。明日の夜、また売買があるそうだ。」


「!!もう、つかんでいたのですか!?」


驚いた様子のナナ。


「俺をなめるな。そなたらは引き続き捜査を。俺も別行動で参加する。連絡はいつもの手段で。」


「はっ。」


「散。」


二人が帰った後の俺はこの学院の情報を掴むため、日があけるまで、PCにむかっていた。
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