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ついに親父達が帰って来る
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『14時に○○港に到着予定で、家に着くのは18時くらいかなぁ?』
ついに親父達が帰って来る。
おおよその到着時間を知らせるメールが千和に届き、早速みんなで親父達の帰りを祝う準備を始めた。
「はぁ…… 緊張しますね」
「そうですわね、でもきっと大丈夫ですわ、桃太様のご両親なんですもの、歓迎してくれますわ」
朝からそわそわと落ち着かない様子の美鳥と葵は安心するためなのかは不明だが、何かにつけて俺に抱き着いたりしてくる。
今も両サイドから挟まれ、大福と大玉スイカとのサンドイッチ状態だ。
「まっ、何とかなるだろ、あたしはここで雇ってもらわないと行く所がないし」
輝衣は緊張していないのか、こたつに入り輝衣の実家から送られてきたみかんを食べている。
輝衣は既に一人暮らしをしていたアパートを退居して俺の家で暮らしているから、無いとは思うが親父達に関係を認められないと路頭に迷う事なると思うんだが…… 余裕そうだな。
「えっと…… 『気を付けて帰って来て下さい、桃くんも楽しみに待ってますよ』っ、送信…… えへへっ、いよいよだね」
母さんにメールを送信し終えた千和が笑顔で俺にそう言ってきた。
そう…… いよいよだ。
親父達に千和以外の三人を紹介する日が来た。
そしてこれから一緒に暮らしていく事を伝えないとならない。
既に半同棲状態になっている事と、勝手に家を増築している事も謝らないとな。
うわぁ…… そう考えると緊張してきた。
「えへへっ、桃くんが緊張してどうするのー?」
だって…… こんな美人な四人を侍らせて『俺達ずっと一緒に居るからよろしく!』なんて言われたら、普通の親なら怒る話だろ。
俺的には侍らせているつもりはなく、それぞれ大切な存在だし、ずっと一緒に居たいからお願いするわけで……
「きっと大丈夫だよ、おじさんとおばさんだもん、心配いらないと思うよ?」
……そうだな、あの両親だ、心配する事はない。
「よし! 話してみないと分からないし、とにかく今は親父達を出迎える準備をしよう!」
「えへへっ、うん!」
よし! 準備するから…… あの、そろそろサンドイッチから解放してもらえる? 途中から押し付けるのを楽しんでたよね?
特に葵、スイカを入れておくキャップはどうした?
「……ヘタは隠してあるからセーフですわ! 見て下さいまし」
あっ、本当だ、それなら大丈夫だね…… とはならないだろ!
「私もやりますから、見て下さい!」
美鳥も対抗しようとしなくていいから!
「へへっ、おい桃太、こっち見ろ」
……輝衣、剥いたみかんの皮でリンゴを隠してドヤ顔をするな。
「えーっと、えーっと…… うぅ、思い付かないよぉー、これでいい?」
千和ちゃん? スイカを隠して遊んでるわけじゃないから、手で隠すのはそれはもう話が違うよ?
しばらくフルーツ鑑賞会をした後、俺達は準備に取りかかった。
まあ、準備と言ってもこたつを片付けて掃除をして、ばあちゃんが使っていた部屋から折り畳みのテーブルを持ってきて置くだけなんだけど。
「あたしはこたつから出ないぞー!」
なんて抵抗する輝衣に千和達が身体中をくすぐって引きずり出したり
「掃除機でスイカを吸わないで下さいましー!」
無表情でスイカのヘタに付いたシールを掃除機で取ろうとする美鳥を止めたり (危険ですので良い子は絶対に真似をしないで下さい、尚、スイカはスタッフが美味しく頂きました) と、多少ふざけながらも楽しく準備をしていた。
◇
準備も大体終わり、みんなで少しイチャイチャしながら休憩しているとインターホンが鳴り、葵が慌てて立ち上がり玄関へと向かっていった。
「お嬢様、料理をお持ちしました」
「鈴鹿、ご苦労様」
葵が手配したオードブルを、葵の秘書である鈴鹿さんと葵の部下の女性二人が持ってきてくれたみたいだ。
「ではこちらのテーブルに置かせてもらいま…… えっ? お、お嬢様、そ、その……」
「なんですの?」
「あの、フルーツキャップはどうされたのですか? ヘタが透けて……」
「先ほど少し召し上がって頂くために取りましたわ!」
いや、まだ召し上がってないし! 掃除機で遊んでるからシールが取れたんだよ? 鈴鹿さんが勘違いしちゃうから! ちょっと触っただけ!
「あ、ああ…… お嬢様が桃太様と当然のようにフルーツ狩りをされてます…… 奥様に報告しないと……」
や、止めて!? まるで毎日フルーツ狩りをしてるみたいな言い方、そんな風に報告されたら…… んっ? よく考えたらほぼ毎日しているな。
鈴鹿さん含め、料理を運んでくれた葵の部下が驚いた顔をして俺を見ているけど…… 恥ずかしいからそんなに見ないで!
「この家にいる時にはいつでも狩られる覚悟で過ごしてますのよ! おーっほっほっ」
葵ちゃん、自慢する事じゃないよ?
「男性に口説かれてもいつも塩対応だったあのお嬢様が……」
「こうも変わってしまうとは…… 恐ろしい」
部下の人! 自分のフルーツを隠しているけど、誰でもフルーツ狩りをする訳じゃないからね!? そんなバケモノを見るような目をするな!
「まあ、狩るのは狩られる覚悟がある人だけ、だけどな」
「フルーツ狩りにきたところを……」
「えへへっ、おだんご狩り、だよね!」
何を言ってるんだ!? もう話がめちゃくちゃだよ!
その後、逃げるように帰った鈴鹿さんと部下達。
葵は何故か勝ち誇った顔をして、俺の腕にしがみつきながら見送っていた。
あとは親父達が帰って来るのを待つのみ。
豪華な料理に親父達のためにと葵が用意した高級そうなお酒数本がテーブルに並べられている。
「んー、小腹が空いちゃったなぁ……」
「そうですね、まだ時間ありますよね?」
「15時か…… 一口ずつならいけそうだな」
「ご両親の前で頂くわけにもいきませんから…… 仕方ないんですわ」
リビングで座っていた俺を取り囲み、そう言いながら立ち上がらせて連れ去られる。
いつもの事だから抵抗するのも諦めた俺は、四人がかりでおだんごを準備されている。
「はーい、ここに座ってねー」
「包装を取りますねー」
「こねこねするぞー」
「みたらしの準備をしますわー」
流れ作業のように四人の手がおだんごを作っていく。
フルーツも並べられ試食し、ついでにみたらしや桃のタレなどを味見させられる。
おだんごも四人それぞれしっかりと味見して完成間近。
あとはたっぷり作ったお好きなタレやみたらしをおだんごに塗れば…… 完成だ。
「えへへっ、じゃあ…… いただきまーす…… んっ、美味、しぃぃっ!」
…………
「私も…… んんっ! あぁっ、このおだんごですっ、これが好きなんですぅぅっ!」
…………
「くぅっ! やっぱこれだよなぁっ、ああ、このおだんごがあれば、っ、何もいらない!」
…………
「ふふっ、わたくし、すっかりおだんご好きになってしまいましたわぁっ! ああっ、これっ、これが美味しいんですのっ!」
…………
お腹が満たされた四人は今、仲良く風呂に入っている。
……俺? 俺はちょっと休憩中だ。
四人のお腹を短時間で満たすには作るのを頑張らなければならないからな。
そういえば昼過ぎにもうすぐ港に着くと連絡は来ていたらしいが、それ以降連絡がないな。
……どうせイチャイチャして忘れてるんだろう、そのうち帰って来るか。
それにしても…… 四人は本当に仲が良い。
今も一緒に風呂に入ってるし、おだんごを食べている時なんかは……
おだんごを食べている人のフルーツを食べてみたり、お互いにフルーツを食べ合ったりと、食事中は何でもありになっている。
そんな姿を見ていると余計に食欲が湧いてきて…… ついつい食べ過ぎてしまう。
先ほどの事を思い出しながら、身体を起こし立ち上がると、頭にバスタオルを巻き、スイカや桃が丸見えの千和が部屋に戻って来た。
「ふぅ…… あっ、そろそろ桃くんもお風呂に入って来たら?」
「そうするかな…… んっ? どうした?」
「んふふっ、おだんご美味しかったからお礼に…… ちゅっ」
温まった身体で抱き着いてきて頬にキスをしてきた。
「もう、二人きりになったらすぐ甘えるんですから、千和ちゃんは」
「へへへっ、あたしもお礼に……」
「わ、わたくしもお礼したいですわ!」
「えへへっ、みんなで順番にお礼しよ?」
そして親父達が帰って来る時間ギリギリまでイチャイチャと過ごした俺達。
だが、いくら待っても親父達は帰って来なかった……
ついに親父達が帰って来る。
おおよその到着時間を知らせるメールが千和に届き、早速みんなで親父達の帰りを祝う準備を始めた。
「はぁ…… 緊張しますね」
「そうですわね、でもきっと大丈夫ですわ、桃太様のご両親なんですもの、歓迎してくれますわ」
朝からそわそわと落ち着かない様子の美鳥と葵は安心するためなのかは不明だが、何かにつけて俺に抱き着いたりしてくる。
今も両サイドから挟まれ、大福と大玉スイカとのサンドイッチ状態だ。
「まっ、何とかなるだろ、あたしはここで雇ってもらわないと行く所がないし」
輝衣は緊張していないのか、こたつに入り輝衣の実家から送られてきたみかんを食べている。
輝衣は既に一人暮らしをしていたアパートを退居して俺の家で暮らしているから、無いとは思うが親父達に関係を認められないと路頭に迷う事なると思うんだが…… 余裕そうだな。
「えっと…… 『気を付けて帰って来て下さい、桃くんも楽しみに待ってますよ』っ、送信…… えへへっ、いよいよだね」
母さんにメールを送信し終えた千和が笑顔で俺にそう言ってきた。
そう…… いよいよだ。
親父達に千和以外の三人を紹介する日が来た。
そしてこれから一緒に暮らしていく事を伝えないとならない。
既に半同棲状態になっている事と、勝手に家を増築している事も謝らないとな。
うわぁ…… そう考えると緊張してきた。
「えへへっ、桃くんが緊張してどうするのー?」
だって…… こんな美人な四人を侍らせて『俺達ずっと一緒に居るからよろしく!』なんて言われたら、普通の親なら怒る話だろ。
俺的には侍らせているつもりはなく、それぞれ大切な存在だし、ずっと一緒に居たいからお願いするわけで……
「きっと大丈夫だよ、おじさんとおばさんだもん、心配いらないと思うよ?」
……そうだな、あの両親だ、心配する事はない。
「よし! 話してみないと分からないし、とにかく今は親父達を出迎える準備をしよう!」
「えへへっ、うん!」
よし! 準備するから…… あの、そろそろサンドイッチから解放してもらえる? 途中から押し付けるのを楽しんでたよね?
特に葵、スイカを入れておくキャップはどうした?
「……ヘタは隠してあるからセーフですわ! 見て下さいまし」
あっ、本当だ、それなら大丈夫だね…… とはならないだろ!
「私もやりますから、見て下さい!」
美鳥も対抗しようとしなくていいから!
「へへっ、おい桃太、こっち見ろ」
……輝衣、剥いたみかんの皮でリンゴを隠してドヤ顔をするな。
「えーっと、えーっと…… うぅ、思い付かないよぉー、これでいい?」
千和ちゃん? スイカを隠して遊んでるわけじゃないから、手で隠すのはそれはもう話が違うよ?
しばらくフルーツ鑑賞会をした後、俺達は準備に取りかかった。
まあ、準備と言ってもこたつを片付けて掃除をして、ばあちゃんが使っていた部屋から折り畳みのテーブルを持ってきて置くだけなんだけど。
「あたしはこたつから出ないぞー!」
なんて抵抗する輝衣に千和達が身体中をくすぐって引きずり出したり
「掃除機でスイカを吸わないで下さいましー!」
無表情でスイカのヘタに付いたシールを掃除機で取ろうとする美鳥を止めたり (危険ですので良い子は絶対に真似をしないで下さい、尚、スイカはスタッフが美味しく頂きました) と、多少ふざけながらも楽しく準備をしていた。
◇
準備も大体終わり、みんなで少しイチャイチャしながら休憩しているとインターホンが鳴り、葵が慌てて立ち上がり玄関へと向かっていった。
「お嬢様、料理をお持ちしました」
「鈴鹿、ご苦労様」
葵が手配したオードブルを、葵の秘書である鈴鹿さんと葵の部下の女性二人が持ってきてくれたみたいだ。
「ではこちらのテーブルに置かせてもらいま…… えっ? お、お嬢様、そ、その……」
「なんですの?」
「あの、フルーツキャップはどうされたのですか? ヘタが透けて……」
「先ほど少し召し上がって頂くために取りましたわ!」
いや、まだ召し上がってないし! 掃除機で遊んでるからシールが取れたんだよ? 鈴鹿さんが勘違いしちゃうから! ちょっと触っただけ!
「あ、ああ…… お嬢様が桃太様と当然のようにフルーツ狩りをされてます…… 奥様に報告しないと……」
や、止めて!? まるで毎日フルーツ狩りをしてるみたいな言い方、そんな風に報告されたら…… んっ? よく考えたらほぼ毎日しているな。
鈴鹿さん含め、料理を運んでくれた葵の部下が驚いた顔をして俺を見ているけど…… 恥ずかしいからそんなに見ないで!
「この家にいる時にはいつでも狩られる覚悟で過ごしてますのよ! おーっほっほっ」
葵ちゃん、自慢する事じゃないよ?
「男性に口説かれてもいつも塩対応だったあのお嬢様が……」
「こうも変わってしまうとは…… 恐ろしい」
部下の人! 自分のフルーツを隠しているけど、誰でもフルーツ狩りをする訳じゃないからね!? そんなバケモノを見るような目をするな!
「まあ、狩るのは狩られる覚悟がある人だけ、だけどな」
「フルーツ狩りにきたところを……」
「えへへっ、おだんご狩り、だよね!」
何を言ってるんだ!? もう話がめちゃくちゃだよ!
その後、逃げるように帰った鈴鹿さんと部下達。
葵は何故か勝ち誇った顔をして、俺の腕にしがみつきながら見送っていた。
あとは親父達が帰って来るのを待つのみ。
豪華な料理に親父達のためにと葵が用意した高級そうなお酒数本がテーブルに並べられている。
「んー、小腹が空いちゃったなぁ……」
「そうですね、まだ時間ありますよね?」
「15時か…… 一口ずつならいけそうだな」
「ご両親の前で頂くわけにもいきませんから…… 仕方ないんですわ」
リビングで座っていた俺を取り囲み、そう言いながら立ち上がらせて連れ去られる。
いつもの事だから抵抗するのも諦めた俺は、四人がかりでおだんごを準備されている。
「はーい、ここに座ってねー」
「包装を取りますねー」
「こねこねするぞー」
「みたらしの準備をしますわー」
流れ作業のように四人の手がおだんごを作っていく。
フルーツも並べられ試食し、ついでにみたらしや桃のタレなどを味見させられる。
おだんごも四人それぞれしっかりと味見して完成間近。
あとはたっぷり作ったお好きなタレやみたらしをおだんごに塗れば…… 完成だ。
「えへへっ、じゃあ…… いただきまーす…… んっ、美味、しぃぃっ!」
…………
「私も…… んんっ! あぁっ、このおだんごですっ、これが好きなんですぅぅっ!」
…………
「くぅっ! やっぱこれだよなぁっ、ああ、このおだんごがあれば、っ、何もいらない!」
…………
「ふふっ、わたくし、すっかりおだんご好きになってしまいましたわぁっ! ああっ、これっ、これが美味しいんですのっ!」
…………
お腹が満たされた四人は今、仲良く風呂に入っている。
……俺? 俺はちょっと休憩中だ。
四人のお腹を短時間で満たすには作るのを頑張らなければならないからな。
そういえば昼過ぎにもうすぐ港に着くと連絡は来ていたらしいが、それ以降連絡がないな。
……どうせイチャイチャして忘れてるんだろう、そのうち帰って来るか。
それにしても…… 四人は本当に仲が良い。
今も一緒に風呂に入ってるし、おだんごを食べている時なんかは……
おだんごを食べている人のフルーツを食べてみたり、お互いにフルーツを食べ合ったりと、食事中は何でもありになっている。
そんな姿を見ていると余計に食欲が湧いてきて…… ついつい食べ過ぎてしまう。
先ほどの事を思い出しながら、身体を起こし立ち上がると、頭にバスタオルを巻き、スイカや桃が丸見えの千和が部屋に戻って来た。
「ふぅ…… あっ、そろそろ桃くんもお風呂に入って来たら?」
「そうするかな…… んっ? どうした?」
「んふふっ、おだんご美味しかったからお礼に…… ちゅっ」
温まった身体で抱き着いてきて頬にキスをしてきた。
「もう、二人きりになったらすぐ甘えるんですから、千和ちゃんは」
「へへへっ、あたしもお礼に……」
「わ、わたくしもお礼したいですわ!」
「えへへっ、みんなで順番にお礼しよ?」
そして親父達が帰って来る時間ギリギリまでイチャイチャと過ごした俺達。
だが、いくら待っても親父達は帰って来なかった……
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