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何故そこで寝るんだ?
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◇
手分けして周辺の聞き込みをしてみたが、こちらの方では何も情報が得られなかった。
お嬢様に何と報告しようかと同僚達と悩んでいると、一際大きな女性…… ヤエさんが後ろからいきなり話しかけてきた。
「うわぁっ!! ……もう! 急に後ろから現れたらびっくりするから止めて下さいって言いましたよね!?」
「……私はずっといた、あなたが気付かなかっただけ」
何なんですか、この人…… 色々とでかいのに話しかけられるまで私達の誰も気付かないなんて…… もしかして気配を消すのが上手なんですか?
「それで、何か情報は手に入りました?」
「……うん、探してる夫婦らしき人達があっちの方に歩いて行ったって」
あっちの方って、旅行帰りに立ち寄りそうな店は特に何もなかったような……
「……たまたま高校の同級生の店があって、そこの防犯カメラに映ってた」
また防犯カメラですか…… 好きですね、防犯カメラ。
「……あと、ネコさんに聞いた」
猫? ……ああそうですか、この人、ちょっと不思議ちゃんな人なんですね、聞き流しておきましょう。
「分かりました、ではとりあえずあなたの言う場所周辺を重点的に捜索するように仲間に伝えます」
「……うん」
ああ、もう! 早く見つけないとまたびっくりさせられる! お嬢様も不安そうにしてますし、何としてでも見つけますよ!!
◇
「桃くん……」
「きっと大丈夫だがら…… なっ?」
何も出来ずモヤモヤしていると、千和と輝衣に無理やり座らされ、両側から抱き締められている。
いや、家を飛び出さないよう押さえ付けられていると言った方が正しいか。
帰宅せず連絡も取れないしなかなか見つからない親父達。
不安によりしびれを切らした俺は、美鳥の友達の情報で知った二駅となりの町まで向かって自分でも探そうと家を出ようとした。
だが入れ違いになるのと、下手に動いて俺まで居なくなったら困るのと言う四人によって全力で止められてしまった。
俺のやるせない気持ちを察した四人は、子供をあやすように甘やかしてなだめてくる。
「桃太様、落ち着いて下さいまし……」
葵のスイカで挟まれた左腕。
「安心しろ、あたし達が居るから」
右腕にしがみつく輝衣。
「もう少し寝た方がいいよ?」
膝枕をしてくれている千和。
「…………」
俺の股を枕にして仮眠する美鳥……
ガッチリ捕まれ身動きすら取れない。
あまりツッコむ元気はないが、美鳥よ…… 何故そこで寝るんだ?
ただ、人肌というのは不思議なもので、少し高めな四人の体温によって、段々とまた眠気が襲ってきた。
親父…… 母さん……
…………
…………
◇
「ひぐっ、ぐすっ…… 桃ちゃん、きっと心配してるわよね…… どうしてこうなっちゃったの…… うぅっ、ごめんねぇ……」
◇
『桃くぅーん! あーそーぼー!!』
『千和ごめん、今日はお団子作り教えてもらう約束してるんだ』
『えぇー!? またぁー? ……じゃあ私もまた見てる!』
『いいのか? 面白くないと思うけど……』
『いいの! えへへっ、桃くんの作ったお団子も食べれるしね!』
『千和は食いしん坊だなぁ、ただいまー、親父ー、今日も教えて…… 親父いないのか? おかしいなぁ……』
『店は開いてるのに…… おばさんもいないよ?』
『うーん…… 休憩してるのかな? 家の方に行ってみるか』
『そうだね…… あれ? 奥の方から声がしない?』
『本当だ…… あと、なんか叩くような音と…… 母さんの声?』
『泣いているみたいな声だね…… 大丈夫かなぁ?』
『親父が母さんをいじめてる? ……よし千和、こっそり見てみるぞ!』
『えぇっ? ……大丈夫かなぁ、私怖いよぉ』
『大丈夫だって、じゃあ行くぞ……』
…………
…………
……はっっ!! ……ゆ、夢か。
しかも懐かしくて、思い出したくない嫌な夢だった。
「大丈夫?」
「……あぁ、変な夢を見ちゃったよ」
確か中学の時だったよな、千和と一緒に見てしまったのは。
あれからしばらくして、お互いに急激に興味を持ってしまって、ついに二人でおだんごを食べて…… そんな夢を何で今見るんだよ。
「うなされてたけどどんな夢だったの?」
言える訳ない、特に千和には…… あれからお互い少し大人になって、千和も変わってしまった。
無邪気に公園で遊んだりする事も無くなり、暇さえあればおだんごを食べてばかりだった…… 今思えば千和に悪いことをしたと反省している。
「いや、ちょっとはっきりとは覚えてないけどお化けが出てきたような……」
「お化け? そっかぁ…… よいしょっ…… と、えへへっ、これで何も見えないから安心だね」
千和お得意のスイカアイマスクで視界を塞がれる…… でも見たのは夢だから意味ないような気がするんだけど。
『桃くん、いいよ…… 食べさせて……』
俺をずっと支え、受け入れてくれた千和。
こうして今も不安になっている俺を千和なりに支えてくれているんだよな……
俺があまり落ち込んでいるとみんなも暗い雰囲気になってしまう。
まだ何があったのか分かってないんだから少しは元気出さないと…… んっ?
「うぅん…… できたての…… おだんごのニオイがしますぅ…… すぅっ…… すぅっ……」
美鳥? ちょっと、そこで頭をグリグリと動かさないで! 寝ながら匂いも嗅ぐな!
「あむあむ…… うぅ…… 食べられないですぅ……」
あむあむもしちゃダメ!!
「えへへっ、美鳥さん、寝ながら口をパクパクしてて面白い」
千和、できれば止めさせてくれないかな? 刺激が……
「おーい、みい…… へへっ、グッスリ寝てるな」
「ふふっ、寝ながらおだんごを探してますわ」
輝衣と葵も抱き着いてないで助けてくれよ。
「あんっ! 桃くん、スイカがあるんだから口をモゴモゴしないでぇっ!」
んっ? ああ、スイカがあったから上手く声が出なかったのか。
すると、美鳥のスマホに着信があり
「ひぁぁっ!? ……はい、もしもし、あっ、ヤエちゃん? 捜索はどうなってますか…… えっ? 立てこもり?」
◇
「こ、ここにいるんですか?」
「……間違いない」
えっ? でも、ここって……
『タイガー&ヴァーミリオン』
鬼島グループの運営する……
ホテルじゃないですかっ!!
しかも会長と社長がよく密会に使用していた…… 愛を育む系ホテルですよ!!
「……ふーん、経営者が知り合いなら楽だね、乗り込む?」
「捜索しているからといって、それは流石にマズいんじゃないですか?」
「……依頼を達成出来ないよ?」
それはそうですが…… 気が済んだらそのうち出てくるだろうし、乗り込むまではしない方が……
あれ? あの車…… あぁっ!! 黒の高級車、しかもボンネットの上にある特注で作られた鬼の角のエンブレム…… まさか……
「鈴鹿、ご苦労様…… はぁっ、よりにもよってここに居ますの?」
しゃ、しゃ、社長ーー!? えっ、何でわざわざ社長がいらっしゃって……
「あら、あなたもご苦労様、まったく、葵には困りましたわ、わたくしを使うだなんて、何が『桃太様のお側に居て支えてあげなければなりませんの! だからお母様が代わりに探して下さいまし』よ、わたくしだって虎雄さんのお世話を色々しなきゃいけませんのに!」
社長がわざわざ娘である副社長のために人探しに動くだなんて……
「ふふっ、でも桃太さんのおかげで虎雄さんも体調が良くなったようなもの…… 大きな借りがありますから、仕方ないですわね」
副社長のパートナーさんってそんな凄い人だったんですか? 前に無理矢理お団子屋のお手伝いに駆り出された時に見た感じは、平凡そうなのに女の子を侍らせて、副社長のスイカを舐めるように見ていた印象しか……
「……乗り込む?」
まだ言ってるんですか!? 社長が来たんですから、そんな物騒な事をしなくても……
「そうですわね…… 全員、突撃ですわー!!」
社長ぉぉぉーーー!!
ああ、社長を先頭に同僚達もみんな行っちゃった…… あーあ、私、もう知らなーい。
……ホテルの前で一人で待ってるのはイヤっ! おいてかないでぇー!!
◇
「きびちゃん…… もう帰りましょう? 続きは家に帰ってからでも……」
「……嫌だ! だって帰ったら……」
昨日からこの繰り返し。
スマホは取り上げられ、ベッドの上できびちゃんに拘束されている。
「帰ったら…… 働かなくちゃいけないじゃないか! やだやだ、くるみともっとイチャイチャしたいのー!」
うふふっ、駄々をこねるきびちゃんも可愛い…… じゃなくて、私は桃ちゃんも心配なの! せめて連絡だけでもさせて?
「桃太にそんな事を言ったら怒られるからダメ!」
もう…… 息子に怒られるのが怖いからって、そこまでする? でもいつまでもここにいるわけにはいかないんだし…… ひっ!!
「……くるみ、動くな」
私が下手に動こうとしたら突き付けられる…… おだんご。
こうされると私が動けなくなるのを知っているからって…… きびちゃん、ズルいよぉ……
「桃太に連絡しようとしたり、ホテルから出ようとしたらどうなるか分かっているな?」
うぅっ、どうなっちゃうのぉ……
「……おだんごで刺すぞ!」
そんな、おだんごで刺されたらどんぶらこじゃない…… あぁ、ごめんね、桃ちゃん…… ママ、おだんごを突き付けられると…… 逆らえないの。
「ここで永遠に、ずっと二人きりで……」
きびちゃん、無理だよぉ…… お金だってかかるんだよ? でも、おだんごを前にすると何も考えられなくなっちゃう! あぁん、美味しそう…… 何度も何度も食べたのに、また食べたく……
「吉備さん! ここにいるのは分かってますわよ! 早く出てきなさーい!」
……だ、誰!?
手分けして周辺の聞き込みをしてみたが、こちらの方では何も情報が得られなかった。
お嬢様に何と報告しようかと同僚達と悩んでいると、一際大きな女性…… ヤエさんが後ろからいきなり話しかけてきた。
「うわぁっ!! ……もう! 急に後ろから現れたらびっくりするから止めて下さいって言いましたよね!?」
「……私はずっといた、あなたが気付かなかっただけ」
何なんですか、この人…… 色々とでかいのに話しかけられるまで私達の誰も気付かないなんて…… もしかして気配を消すのが上手なんですか?
「それで、何か情報は手に入りました?」
「……うん、探してる夫婦らしき人達があっちの方に歩いて行ったって」
あっちの方って、旅行帰りに立ち寄りそうな店は特に何もなかったような……
「……たまたま高校の同級生の店があって、そこの防犯カメラに映ってた」
また防犯カメラですか…… 好きですね、防犯カメラ。
「……あと、ネコさんに聞いた」
猫? ……ああそうですか、この人、ちょっと不思議ちゃんな人なんですね、聞き流しておきましょう。
「分かりました、ではとりあえずあなたの言う場所周辺を重点的に捜索するように仲間に伝えます」
「……うん」
ああ、もう! 早く見つけないとまたびっくりさせられる! お嬢様も不安そうにしてますし、何としてでも見つけますよ!!
◇
「桃くん……」
「きっと大丈夫だがら…… なっ?」
何も出来ずモヤモヤしていると、千和と輝衣に無理やり座らされ、両側から抱き締められている。
いや、家を飛び出さないよう押さえ付けられていると言った方が正しいか。
帰宅せず連絡も取れないしなかなか見つからない親父達。
不安によりしびれを切らした俺は、美鳥の友達の情報で知った二駅となりの町まで向かって自分でも探そうと家を出ようとした。
だが入れ違いになるのと、下手に動いて俺まで居なくなったら困るのと言う四人によって全力で止められてしまった。
俺のやるせない気持ちを察した四人は、子供をあやすように甘やかしてなだめてくる。
「桃太様、落ち着いて下さいまし……」
葵のスイカで挟まれた左腕。
「安心しろ、あたし達が居るから」
右腕にしがみつく輝衣。
「もう少し寝た方がいいよ?」
膝枕をしてくれている千和。
「…………」
俺の股を枕にして仮眠する美鳥……
ガッチリ捕まれ身動きすら取れない。
あまりツッコむ元気はないが、美鳥よ…… 何故そこで寝るんだ?
ただ、人肌というのは不思議なもので、少し高めな四人の体温によって、段々とまた眠気が襲ってきた。
親父…… 母さん……
…………
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「ひぐっ、ぐすっ…… 桃ちゃん、きっと心配してるわよね…… どうしてこうなっちゃったの…… うぅっ、ごめんねぇ……」
◇
『桃くぅーん! あーそーぼー!!』
『千和ごめん、今日はお団子作り教えてもらう約束してるんだ』
『えぇー!? またぁー? ……じゃあ私もまた見てる!』
『いいのか? 面白くないと思うけど……』
『いいの! えへへっ、桃くんの作ったお団子も食べれるしね!』
『千和は食いしん坊だなぁ、ただいまー、親父ー、今日も教えて…… 親父いないのか? おかしいなぁ……』
『店は開いてるのに…… おばさんもいないよ?』
『うーん…… 休憩してるのかな? 家の方に行ってみるか』
『そうだね…… あれ? 奥の方から声がしない?』
『本当だ…… あと、なんか叩くような音と…… 母さんの声?』
『泣いているみたいな声だね…… 大丈夫かなぁ?』
『親父が母さんをいじめてる? ……よし千和、こっそり見てみるぞ!』
『えぇっ? ……大丈夫かなぁ、私怖いよぉ』
『大丈夫だって、じゃあ行くぞ……』
…………
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……はっっ!! ……ゆ、夢か。
しかも懐かしくて、思い出したくない嫌な夢だった。
「大丈夫?」
「……あぁ、変な夢を見ちゃったよ」
確か中学の時だったよな、千和と一緒に見てしまったのは。
あれからしばらくして、お互いに急激に興味を持ってしまって、ついに二人でおだんごを食べて…… そんな夢を何で今見るんだよ。
「うなされてたけどどんな夢だったの?」
言える訳ない、特に千和には…… あれからお互い少し大人になって、千和も変わってしまった。
無邪気に公園で遊んだりする事も無くなり、暇さえあればおだんごを食べてばかりだった…… 今思えば千和に悪いことをしたと反省している。
「いや、ちょっとはっきりとは覚えてないけどお化けが出てきたような……」
「お化け? そっかぁ…… よいしょっ…… と、えへへっ、これで何も見えないから安心だね」
千和お得意のスイカアイマスクで視界を塞がれる…… でも見たのは夢だから意味ないような気がするんだけど。
『桃くん、いいよ…… 食べさせて……』
俺をずっと支え、受け入れてくれた千和。
こうして今も不安になっている俺を千和なりに支えてくれているんだよな……
俺があまり落ち込んでいるとみんなも暗い雰囲気になってしまう。
まだ何があったのか分かってないんだから少しは元気出さないと…… んっ?
「うぅん…… できたての…… おだんごのニオイがしますぅ…… すぅっ…… すぅっ……」
美鳥? ちょっと、そこで頭をグリグリと動かさないで! 寝ながら匂いも嗅ぐな!
「あむあむ…… うぅ…… 食べられないですぅ……」
あむあむもしちゃダメ!!
「えへへっ、美鳥さん、寝ながら口をパクパクしてて面白い」
千和、できれば止めさせてくれないかな? 刺激が……
「おーい、みい…… へへっ、グッスリ寝てるな」
「ふふっ、寝ながらおだんごを探してますわ」
輝衣と葵も抱き着いてないで助けてくれよ。
「あんっ! 桃くん、スイカがあるんだから口をモゴモゴしないでぇっ!」
んっ? ああ、スイカがあったから上手く声が出なかったのか。
すると、美鳥のスマホに着信があり
「ひぁぁっ!? ……はい、もしもし、あっ、ヤエちゃん? 捜索はどうなってますか…… えっ? 立てこもり?」
◇
「こ、ここにいるんですか?」
「……間違いない」
えっ? でも、ここって……
『タイガー&ヴァーミリオン』
鬼島グループの運営する……
ホテルじゃないですかっ!!
しかも会長と社長がよく密会に使用していた…… 愛を育む系ホテルですよ!!
「……ふーん、経営者が知り合いなら楽だね、乗り込む?」
「捜索しているからといって、それは流石にマズいんじゃないですか?」
「……依頼を達成出来ないよ?」
それはそうですが…… 気が済んだらそのうち出てくるだろうし、乗り込むまではしない方が……
あれ? あの車…… あぁっ!! 黒の高級車、しかもボンネットの上にある特注で作られた鬼の角のエンブレム…… まさか……
「鈴鹿、ご苦労様…… はぁっ、よりにもよってここに居ますの?」
しゃ、しゃ、社長ーー!? えっ、何でわざわざ社長がいらっしゃって……
「あら、あなたもご苦労様、まったく、葵には困りましたわ、わたくしを使うだなんて、何が『桃太様のお側に居て支えてあげなければなりませんの! だからお母様が代わりに探して下さいまし』よ、わたくしだって虎雄さんのお世話を色々しなきゃいけませんのに!」
社長がわざわざ娘である副社長のために人探しに動くだなんて……
「ふふっ、でも桃太さんのおかげで虎雄さんも体調が良くなったようなもの…… 大きな借りがありますから、仕方ないですわね」
副社長のパートナーさんってそんな凄い人だったんですか? 前に無理矢理お団子屋のお手伝いに駆り出された時に見た感じは、平凡そうなのに女の子を侍らせて、副社長のスイカを舐めるように見ていた印象しか……
「……乗り込む?」
まだ言ってるんですか!? 社長が来たんですから、そんな物騒な事をしなくても……
「そうですわね…… 全員、突撃ですわー!!」
社長ぉぉぉーーー!!
ああ、社長を先頭に同僚達もみんな行っちゃった…… あーあ、私、もう知らなーい。
……ホテルの前で一人で待ってるのはイヤっ! おいてかないでぇー!!
◇
「きびちゃん…… もう帰りましょう? 続きは家に帰ってからでも……」
「……嫌だ! だって帰ったら……」
昨日からこの繰り返し。
スマホは取り上げられ、ベッドの上できびちゃんに拘束されている。
「帰ったら…… 働かなくちゃいけないじゃないか! やだやだ、くるみともっとイチャイチャしたいのー!」
うふふっ、駄々をこねるきびちゃんも可愛い…… じゃなくて、私は桃ちゃんも心配なの! せめて連絡だけでもさせて?
「桃太にそんな事を言ったら怒られるからダメ!」
もう…… 息子に怒られるのが怖いからって、そこまでする? でもいつまでもここにいるわけにはいかないんだし…… ひっ!!
「……くるみ、動くな」
私が下手に動こうとしたら突き付けられる…… おだんご。
こうされると私が動けなくなるのを知っているからって…… きびちゃん、ズルいよぉ……
「桃太に連絡しようとしたり、ホテルから出ようとしたらどうなるか分かっているな?」
うぅっ、どうなっちゃうのぉ……
「……おだんごで刺すぞ!」
そんな、おだんごで刺されたらどんぶらこじゃない…… あぁ、ごめんね、桃ちゃん…… ママ、おだんごを突き付けられると…… 逆らえないの。
「ここで永遠に、ずっと二人きりで……」
きびちゃん、無理だよぉ…… お金だってかかるんだよ? でも、おだんごを前にすると何も考えられなくなっちゃう! あぁん、美味しそう…… 何度も何度も食べたのに、また食べたく……
「吉備さん! ここにいるのは分かってますわよ! 早く出てきなさーい!」
……だ、誰!?
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