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8話
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やっとのことでひと段落がついたこの騒ぎも、ついに終盤ですわね。
せっかくのレオンハルト様の誕生日なのに、こんなことになったのは同情しますが、おかげでやっとお姉様も自分のやってきたことの重大さをわかってもらえましたわね。
後のことはお父様達に任せましょう。
そう思いながら、グレン様の傍を離れ、スッとお母様の隣に立つと、なぜか悲しそうな顔をして私のことを見てきましたわ。
私のことを散々蔑ろにしておいて、本当に今更過ぎますわね。
そう思っていると、陛下が
「今日はレオンハルトの為に集まってくれたのに、このようなことになって申し訳ない。それと、儂の判断が遅かったせいで子息令嬢たちには大変迷惑をかけただろう。重ねて謝罪する」
と言って、今までこの騒ぎを見ていた貴族たちに頭を下げました。
陛下が貴族たちに頭を下げるなんて滅多にないことですわ。
しかも、陛下はむしろ被害者の方ですのに頭を下げるなんて.......。
これには流石の貴族たちもオロオロと戸惑っていますわね。
そう思いながら周りを見渡していると、
「そして、皆も気になっているだろう。レオンハルトの婚約者についてだ」
と陛下が話し始めました。
するとやっと黙ったと思っていたお姉様は
「ま、まだ婚約者は私よ!」
そう言って凄い形相をして陛下を睨みつけています。
陛下を睨みつけるような人が王妃、ということ自体無理な話ですわよね。
まぁ、お姉様の場合は、そんなことをしなくても王妃になれなかった残念な人ですけど。
なんて思っていると、
「そこの煩い奴は捕らえておけ」
という陛下の言葉でお姉様、それからグレン様までもが猿轡を噛まされ、両脇を兵士たちに捕らえられましたわ。
うーん......この状況、お姉様にとって物凄く屈辱でしょう。
ですが自分で蒔いた種ですわ。
グレン様はもう諦めたのかされるがまま、という様子ですがお姉様は必死に抵抗していますわね。
男性の力にかなう訳もなく、容易く捕まったのは言うまでもありませんわ。
そう思いながらお姉様を見ていると
「ユースティア嬢がレオンハルトの婚約者となる。意義がなければ拍手してくれ」
という声が聞こえてきました。
驚いて反射的に
「え?いや、ちょ、ちょっと待ってください!」
と言ってしまいましたわ。
だって、おかしいじゃないですか。
実の姉があのようなことをして、次は妹の私だなんて。
確かにレオンハルト様とはお姉様のことについて話す機会が多かったですし、たまに真剣な話をするときはありましたわよ?
政治的な話もあれば、令嬢たちのお茶会事情、隣国の流行なども話しましたし、今回の件でレオンハルト様の婚約者を誰にするか、という話をしていたのも知っています。
ですが、流石に私がレオンハルト様の婚約者、というのは違うような気がしてなりませんわ。
そう思った私は
「お姉様があのようなことをしたのに、私がレオンハルト様の婚約者だなんておかしいですわ。それに我が家に何かしらの処罰があっておかしくないと思っていましたし.........」
と近付いてきたレオンハルト様にそう言うと、静かに首を横に振りながら
「いや、なにもおかしくないよ」
そう言って微笑みました。
そして
「だって君は常に手本になるような行動をしていた。それに僕の意志でもある」
と言いながら私の手を取りました。
これは.....なんでしょう?
皆に注目されているから、というのもありますが、凄く恥ずかしいですわ。
絶対今の私は顔が真っ赤になっています。
そんな顔を隠すように下を向きながら
「で、でも今から王妃教育なんて遅すぎますわ」
と何とか、否定しようと思ったんですが、
「その件は大丈夫だ」
そう言ったお父様の言葉に思わず首を傾げていると
「王妃様に言われて2年前からユースティアの勉強内容は王妃教育のものと同じにしてあるわ」
というお母様の説明で、恥ずかしい、と思っていたはずの感情はどこかに行って、驚きしかありませんよ。
確かに、いつだったかは忘れましたが勉強の難易度が上がった、とは思っていましたが、まさか王妃教育の内容だったなんて........。
てっきり家を継ぐことになるので今から備えておけ、ということだと思っていましたわ。
せっかくのレオンハルト様の誕生日なのに、こんなことになったのは同情しますが、おかげでやっとお姉様も自分のやってきたことの重大さをわかってもらえましたわね。
後のことはお父様達に任せましょう。
そう思いながら、グレン様の傍を離れ、スッとお母様の隣に立つと、なぜか悲しそうな顔をして私のことを見てきましたわ。
私のことを散々蔑ろにしておいて、本当に今更過ぎますわね。
そう思っていると、陛下が
「今日はレオンハルトの為に集まってくれたのに、このようなことになって申し訳ない。それと、儂の判断が遅かったせいで子息令嬢たちには大変迷惑をかけただろう。重ねて謝罪する」
と言って、今までこの騒ぎを見ていた貴族たちに頭を下げました。
陛下が貴族たちに頭を下げるなんて滅多にないことですわ。
しかも、陛下はむしろ被害者の方ですのに頭を下げるなんて.......。
これには流石の貴族たちもオロオロと戸惑っていますわね。
そう思いながら周りを見渡していると、
「そして、皆も気になっているだろう。レオンハルトの婚約者についてだ」
と陛下が話し始めました。
するとやっと黙ったと思っていたお姉様は
「ま、まだ婚約者は私よ!」
そう言って凄い形相をして陛下を睨みつけています。
陛下を睨みつけるような人が王妃、ということ自体無理な話ですわよね。
まぁ、お姉様の場合は、そんなことをしなくても王妃になれなかった残念な人ですけど。
なんて思っていると、
「そこの煩い奴は捕らえておけ」
という陛下の言葉でお姉様、それからグレン様までもが猿轡を噛まされ、両脇を兵士たちに捕らえられましたわ。
うーん......この状況、お姉様にとって物凄く屈辱でしょう。
ですが自分で蒔いた種ですわ。
グレン様はもう諦めたのかされるがまま、という様子ですがお姉様は必死に抵抗していますわね。
男性の力にかなう訳もなく、容易く捕まったのは言うまでもありませんわ。
そう思いながらお姉様を見ていると
「ユースティア嬢がレオンハルトの婚約者となる。意義がなければ拍手してくれ」
という声が聞こえてきました。
驚いて反射的に
「え?いや、ちょ、ちょっと待ってください!」
と言ってしまいましたわ。
だって、おかしいじゃないですか。
実の姉があのようなことをして、次は妹の私だなんて。
確かにレオンハルト様とはお姉様のことについて話す機会が多かったですし、たまに真剣な話をするときはありましたわよ?
政治的な話もあれば、令嬢たちのお茶会事情、隣国の流行なども話しましたし、今回の件でレオンハルト様の婚約者を誰にするか、という話をしていたのも知っています。
ですが、流石に私がレオンハルト様の婚約者、というのは違うような気がしてなりませんわ。
そう思った私は
「お姉様があのようなことをしたのに、私がレオンハルト様の婚約者だなんておかしいですわ。それに我が家に何かしらの処罰があっておかしくないと思っていましたし.........」
と近付いてきたレオンハルト様にそう言うと、静かに首を横に振りながら
「いや、なにもおかしくないよ」
そう言って微笑みました。
そして
「だって君は常に手本になるような行動をしていた。それに僕の意志でもある」
と言いながら私の手を取りました。
これは.....なんでしょう?
皆に注目されているから、というのもありますが、凄く恥ずかしいですわ。
絶対今の私は顔が真っ赤になっています。
そんな顔を隠すように下を向きながら
「で、でも今から王妃教育なんて遅すぎますわ」
と何とか、否定しようと思ったんですが、
「その件は大丈夫だ」
そう言ったお父様の言葉に思わず首を傾げていると
「王妃様に言われて2年前からユースティアの勉強内容は王妃教育のものと同じにしてあるわ」
というお母様の説明で、恥ずかしい、と思っていたはずの感情はどこかに行って、驚きしかありませんよ。
確かに、いつだったかは忘れましたが勉強の難易度が上がった、とは思っていましたが、まさか王妃教育の内容だったなんて........。
てっきり家を継ぐことになるので今から備えておけ、ということだと思っていましたわ。
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