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29話 キーンside
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ヴァイオレットと勝手に婚約破棄をしてから2週間が経過した。
正直、俺としてはさっさと他の婚約者を用意しろ、というのが本音だが、なぜか父上も母上もそれを許可してくれない。
はぁ......かといってヴァイオレットに婚約破棄を言い渡したのは俺なのに、よりを戻して欲しい、なんて言えるわけがないだろう。
....いや、そもそもなぜ俺の方から再び婚約をお願いしないといけないんだ。
あの貧乏人の方からお願いしてくるのが当然だろう。
そう思いながら、学園の廊下を歩いていると、どこからかヒソヒソと話をする声が聞こえてきたではないか。
ど、どこだ.....?
ヴァイオレットと婚約破棄をしてからというもの、毎日のようにこんな風にコソコソと悪口を言われているんだ。
今日こそは誰が言っているのかはっきりさせてやる!
そう思いながら声の主の元へと向かうと
「なぁ、娼婦を婚約者にするってどう思う?」
という男の声が聞こえてきたではないか。
この時間は昼休憩だからまだ令嬢も教室の中にいるというのに、何の躊躇もなくそのような話をするなんて........。
しかも、その声に面白そうな笑い声を響かせながら
「いいんじゃないか?だって、実際に1人いただろう?」
「いやいや、あれは娼婦のお得意の口だけ約束を真に受けて婚約破棄しただけだろ」
と言っている奴らは名前は出していないが明らかに俺のことを言っているよな。
だって、自慢ではないが俺以外に娼婦を婚約者に、と考えた奴はここ最近でいないからな。
いや、そもそも俺たちのような学生で頻繁に娼婦を家に呼んでいる、と言うこと自体、おかしい話ではある。
どう考えても父親が家に呼んでいるとしか思えない、ということを考えると、父上が娼婦の女を頻繁に家にいれている、と暴露してしまったようなものだ。
まぁ、金を持っている奴らは皆やっていることだから何も恥ずかしくはないけどな。
なんて思いながら、教室の中に入っていこうとすると、
「でも、私がヴァイオレット様の立場だったら悲しくて立ち直れませんわよ」
「ですが、ヴァイオレット様は普段通りでしたわよね?もしかして、元々好かれていなかったんじゃないかしら?」
「まぁ.......娼婦に現をぬかしている婚約者なんて、たとえ好きだったとしても一気に目が覚めてしまいますわ」
という令嬢たちの話が聞こえてきたではないか。
俺の悪口を言っているのは子息達だけだ、と思っていたが......まさか令嬢にまで言われているとは.....。
令嬢たちはそういうことについて、理解があるんじゃなかったのか?
しかも、ヴァイオレットのことも言っているが、俺のことが元々好きじゃなかった、だと?
そんな妄想、よくもまぁ、堂々と言えたものだな。
好きでもない相手と10年間もの間、婚約をしているわけがないだろう!
自分が婚約者に好かれていないから、と言って勝手な話をするのだけは勘弁して欲しいな。
そう思いながら、まだ俺の話で盛り上がっている教室の中へと入っていった。
こうやってバカにしていられるのも今のうちだけだからな。
そろそろ、まだ俺に未練があるヴァイオレットが再び婚約して欲しい、と言ってくるはずだ。
正直、俺としてはさっさと他の婚約者を用意しろ、というのが本音だが、なぜか父上も母上もそれを許可してくれない。
はぁ......かといってヴァイオレットに婚約破棄を言い渡したのは俺なのに、よりを戻して欲しい、なんて言えるわけがないだろう。
....いや、そもそもなぜ俺の方から再び婚約をお願いしないといけないんだ。
あの貧乏人の方からお願いしてくるのが当然だろう。
そう思いながら、学園の廊下を歩いていると、どこからかヒソヒソと話をする声が聞こえてきたではないか。
ど、どこだ.....?
ヴァイオレットと婚約破棄をしてからというもの、毎日のようにこんな風にコソコソと悪口を言われているんだ。
今日こそは誰が言っているのかはっきりさせてやる!
そう思いながら声の主の元へと向かうと
「なぁ、娼婦を婚約者にするってどう思う?」
という男の声が聞こえてきたではないか。
この時間は昼休憩だからまだ令嬢も教室の中にいるというのに、何の躊躇もなくそのような話をするなんて........。
しかも、その声に面白そうな笑い声を響かせながら
「いいんじゃないか?だって、実際に1人いただろう?」
「いやいや、あれは娼婦のお得意の口だけ約束を真に受けて婚約破棄しただけだろ」
と言っている奴らは名前は出していないが明らかに俺のことを言っているよな。
だって、自慢ではないが俺以外に娼婦を婚約者に、と考えた奴はここ最近でいないからな。
いや、そもそも俺たちのような学生で頻繁に娼婦を家に呼んでいる、と言うこと自体、おかしい話ではある。
どう考えても父親が家に呼んでいるとしか思えない、ということを考えると、父上が娼婦の女を頻繁に家にいれている、と暴露してしまったようなものだ。
まぁ、金を持っている奴らは皆やっていることだから何も恥ずかしくはないけどな。
なんて思いながら、教室の中に入っていこうとすると、
「でも、私がヴァイオレット様の立場だったら悲しくて立ち直れませんわよ」
「ですが、ヴァイオレット様は普段通りでしたわよね?もしかして、元々好かれていなかったんじゃないかしら?」
「まぁ.......娼婦に現をぬかしている婚約者なんて、たとえ好きだったとしても一気に目が覚めてしまいますわ」
という令嬢たちの話が聞こえてきたではないか。
俺の悪口を言っているのは子息達だけだ、と思っていたが......まさか令嬢にまで言われているとは.....。
令嬢たちはそういうことについて、理解があるんじゃなかったのか?
しかも、ヴァイオレットのことも言っているが、俺のことが元々好きじゃなかった、だと?
そんな妄想、よくもまぁ、堂々と言えたものだな。
好きでもない相手と10年間もの間、婚約をしているわけがないだろう!
自分が婚約者に好かれていないから、と言って勝手な話をするのだけは勘弁して欲しいな。
そう思いながら、まだ俺の話で盛り上がっている教室の中へと入っていった。
こうやってバカにしていられるのも今のうちだけだからな。
そろそろ、まだ俺に未練があるヴァイオレットが再び婚約して欲しい、と言ってくるはずだ。
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