婚約破棄された貧乏令嬢ですが、意外と有能なの知っていますか?~有能なので王子に求婚されちゃうかも!?~

榎夜

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68話

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そして迎えた次の日。

昨日の段階でディアにはやることと準備して欲しい物を伝えておいたので、今日は早速作業に取り掛かろうと、汚れても良い服に着替えました。

と言っても、私が持っている服はどれもそこそこ良い金額のするものですし、せっかくお父様が買ってくれたワンピースを汚したくないので、ディアに安物を買ってきてもらったんですのよね。

初めて本当に安いワンピースを着ましたが、これもこれで悪くないですわね。

なんて思いながら、くるっとその場で一回転してみると、そんな私に気付いたディアが

「そんなにそのワンピースが気にいりました?」

と聞いてきましたわね。

表情が凄く優しくて、なんだか喜んでいるようにもみえますが.......気のせいでしょうか?

なんて思いながら、ディアに

「えぇ、凄く気に入ったわ。やっぱり金額だけ見るのは良くないわよね」

と言って微笑むと、凄い勢いで

「そりゃあそうですよ!高ければいいってもんじゃないんです!」

と言われて笑いそうになってしまいましたわよ。

ただ、言っていることはわかりますけどね。

実際にドレスでも、高い布を使っているものは重たくて動きにくい、といいますし、私自身、他の貴族よりも安い石鹸や香油を使っていますが、十分満足していますもの。

まぁ、純粋に貧乏なので安物しか使ったことがない、というのも理由の1つなんですけどね。

なんて心の中で思いながら、上機嫌のディアに

「さて、じゃあ始めますわよ」

と声をかけましたわ。


えーっと.......今から試作を作っていく、ということですが私もやったことがないので本当にお試し、という感じですわね。

失敗する可能性もありますし、成功する可能性もありますし......。

まぁ、本によると簡単に作れる、とのことなので、大丈夫だとおもいますけど......。

なんて思いながら、ディアが用意してくれたゴボウを手に取りましたわ。

さて、ここでもう察したと思いますが今日作るのはゴボウ茶、ですわね。

え?薬草じゃないの?と思うかもしれませんが、ゴボウ茶も健康にいいお茶という薬草茶と似たような部類に入りますし、馴染みのある名前があった方が手に取りやすいだろう、と考えて一番最初に作ろうと思いましたの。

えーっと......一番最初にゴボウを洗わないといけないんですが.....。

そう思ってチラッと並んでいるゴボウに目を向けると、昨日頼んだのにも関わらず想像以上に多量にゴボウが用意されていますわ。

流石にこれを全部、というのは無理ですわよね。

なんて思っていると、

「ゴボウって元々健康にいいって聞きますよね」

そう言って、ディアもゴボウを手に取りましたわね。

土がついてしまうのも躊躇なく作業をしてくれるのは凄くありがたいですわ。

そう思いながら

「そうね。ちなみに効能は便秘改善と美容効果、若返り、とのことよ」

と言って私がゴボウを洗い始めると、

「若返りですか.......そんなお茶が存在するなら皆飲みますよね」

なんて言いながら、私の真似をするように隣で作業を始めましたわね。

流石といいますか.....食材を使うのは慣れているみたいで、これくらいの作業は教える必要もないみたいですわ。

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